「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ロシアは北方領土を本当に返還する気があるのか

2015-08-12 05:19:04 | 2012・1・1
ロシアのインターファックス通信によると、ロシア政府は日本の北方領土を含むクリール諸島の社会経済発展計画に2016年から25年にかけて642億ル―ブル(1400億円)を投じ大々的なインフラ整備事業に乗り出すという。昭和31年(1956年)の日ソ共同宣言では、ソ連は平和条約締結後、歯舞、色丹を日本側に引き渡すと明文化している。しかし、それは空文で、本当はロシアは北方領土を日本に返還する気はないのではないのだろうか。

70年前の昭和20年4月、ソ連は一方的に日ソ中立条約を破棄した上、その4か月後には、日本の敗戦のドサクサに紛れて兵をすすめ参戦してきた。こういいった「前科」がありながら、当時の日本政府は、共同宣言に調印したのであろうか。すでに半世紀を超える歳月が流れながら、平和条約調印への道筋は依然として見えない。

10年ほど前だったか、鈴木宗男氏が北海道長官だった頃、「四島一括返還」の政府方針を変えて「二島(歯舞.色丹)先行返還」で、問題が解決に動き出しかに見えた時代があったが、結局、後に残ったのは”ムネオ.ハウス”ぐらいで、住民支援事業で続いているのは、住民の病人を北海道に運び、治療している程度である。

ロシア政府は、クリール開発計画に当たって、日本側が参加しないなら韓国に参加を呼び掛けている。まったく、日本側からみれば無礼な態度だ。しかし、もともと、この国は信用できないお国柄なのだ。政府は話し合いのため、プーチン大統領を年内に日本に招くようだが、まだ日程さえ決まっていない。なかなか、したたかな国である。騙されないよう、我慢強い交渉が必用である。