「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”遠い記憶をたどって” 「サンタ・ルチア」

2014-09-14 05:26:15 | Weblog
昨夜、NHKラジオの「深夜便」のリスナーからの歌のリクエスト・コーナー”遠い記憶をたどって”の中で「サンタ・ルチア」がかかつた。戦争中の学童疎開を体験した世代の女性からで、疎開先で付添いの女の先生から教わり、一緒に歌った、この歌を所望していた。この夜のアンカーは、かって夜ニュースを担当していたアナウンサーの森田美由紀さんで、相手のお客さんも吉元由美さんという同世代の方だったが、二人は会話の中で”戦争中なのによくこんな横文字の歌が歌われましたね”と感心しあっていた。

二人とも戦後生まれで仕方がないのだが「サンタ・リチア」は、戦争中、わが国と同盟を結んでいた枢軸国、イタリアの歌である。以前、このブログでも書いたが、昭和15年、皇紀2600年式典には、イタリアからムッソリニの青年団が来日、僕ら銃後の小国民も青年団の歌「ジョビネッア―」を共に歌ったものだ。”遠い記憶をたどって”僕も「ジョビネッア―」をリクエストすればよかったが、多分スタッフが若返り、「サンタ・ルチア」のこの程度の認識では採用されなかっただろう。

ラジオ深夜便は高齢者に人気があるとされているが、最近アンカーの若返り共に超後期高齢者世代には面白くなくなってきた。昨夜の”遠い記憶をたどって”のリクエスト音楽でも、僕らの世代で共感するのは、せいぜい最初の三曲、「ダニー・ボーイズ」までぐらいで、森田さんと吉元さんが、しきりに懐古して共感しあっていた「学生時代」になると、僕らには”遠い記憶”の歌ではない。しかし、調べてみると、この歌は1964年発表で、すでに半世紀も前のものだ。「深夜便」がつまらなくなったのではない。僕らが齢をとりすぎたのだ。