「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

JR北海道の事故続発と技能力の低下

2013-07-23 05:48:06 | Weblog
昨日またJR北海道の「スーパーとかち3号」の特急車両から煙が上がり、乗客が避難するという事故があった。今年になって同じような事故が7件も発生、そのうち3件は今月になってである。いったい、何が原因しているのであろうか?1970年代、僕は約10年間札幌に勤務、函館、釧路、帯広、北見と何回ともなく、この特急を利用したが一度も事故にあった事はなかった。

事故の原因について、新聞は色々書いているが、その中に車両の老朽化ととともに、JR北海道の技術力の低下を問うものがあった。団塊の世代の退職で、ベテラン社員がいなくなり、その技術力の伝承が上手にいっていない、のではないかというものである。JR北海道だけではなく、最近、日本全体で若者の技術力が低下してきた、という話はよく聞く。果たしてそうなのであろうか。

7月の初めドイツのライプチヒで技能五輪があった。日本チームは得意の「自動車溶接」など5部門で金メダルを獲得、活躍したがマスメデイアはほとんどこれを報道しなかった。わが国は、この五輪に1962年から参加、64年のダブリン大会では、参加した14人で金メダルを10個、銅メダル2個を獲得、メダル数はダントツの1位であった。この快挙は大きく報道されたことを、僕もまだ覚えている。

高度経済成長につれて、技能五輪での日本チームの活躍も何故か低下、金メダル獲得数も韓国、台湾などの後塵をはいするようになり、マスコミも技能五輪に関心をみせなくなってきた。世の中の風潮も、日本伝統の技術力を軽視する向きさえ出てきた。JR北海道の事故の多発が、こんな空気の中で生まれたとすれば、日本全体にとって問題である。