安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ウイントン・ケリー FULL VIEW

2012-01-08 19:05:21 | ピアノ

先週は新年会が続き、来週も予定されているので、ここで成人の日を含む3連休で一休みできるのは、ありがたいことです。おとといの晩、飲み過ぎて、きのうは全く元気がなかったのですが、ようやく回復したのでジャズの流れる洋食屋「バックドロップ」(長野市)に行って、アルテックから流れるジャズを聴いてきました。今年も、地元のなじみのお店は大事にしていきたいものです。今日はなじんだケリーのピアノを。

WYNTON KELLY (ウイントン・ケリー)
FULL VIEW (Milestone 1966年録音)

 Full_view

お正月休みは、管入りのハードなものを主に聴いていたので、ゆったりとしたピアノ・トリオにしてみました。ウイントン・ケリー(p)は、日本のジャズファンに圧倒的な人気があって、それぞれ思い入れのあるアルバムをお持ちの方が多いのではないでしょうか。録音が1966年ということで、ケリーにとっては後期の作品に当たりますが、この時期のものも捨てておけません。

メンバーは、ケリー(p)、ロン・マクルーア(b)、ジミー・コブ(ds)で、ベースはポール・チェンバースではなく、マクルーアが務めています。それまでは、チェンバースがメンバーの一員だったのですが、ヘロインの悪癖で交代はやむを得なかったのでしょう。ケリーのプレイに焦点が集まります。

曲は、ヒット曲などを含みバラエティがあります。スタンダードが「I Want a Little Girl」、「What a Diffrence a Day Made」(恋は異なもの)、「Autumn Leaves」(枯葉)、「Born to Be Blue」、「On a Clear Day」、ルディ・スティーヴンスの「I Thought」と「Don'tcha Hear Me Callin' to Ya」、ケリー自作の「Scufflin'」、バート・バカラック作のヒット曲「Walk on By」の全9曲。

全体に、落ち着いた中にブルージーさが感じられます。「I Want a Little Girl」は、遅いテンポで、ためをつくり、素晴らしい音色で弾いていて、一番の聴きもの。バラード「恋は異なもの」や「Born to Be Blue」は、旋律が綺麗に浮かび上がり、豊かな抒情が漂っています。ヴィージェイにも録音を残している「枯葉」ですが、ここではやや早いテンポで快適にスイングします。右手でトレモロ風に音を継続する、ケリーの得意技が「Walk on By」など随所で出ますが、それも効果的で、寛げるアルバム。

【バックドロップ(BackDrop)】

 Tennaibackdrop20120108

 バックドロップ
 〒380-0821
 長野市上千歳町1137-5
 TEL 026-237-8887
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ロマン・シュヴァーラー LIVE IN VIENNA

2012-01-01 22:17:18 | テナー・サックス

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。元旦の楽しみの一つは、ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤーコンサートのテレビ中継です。2012年の指揮者は、マリス・ヤンソンスで、2006年に続き2回目の登場。前回もよかったのですが、今回もヤンソンスはきびきびとした指揮で、魅力的な演奏を聴かせてくれました。ジャズの方もウィーンにおけるライブ盤です。

ROMAN SCHWALLER (ロマン・シュヴァーラー)
LIVE IN VIENNA (Bassic Sound 1987年録音)

Liveinviennaromanschwaller

元旦は、昔からの愛聴盤を聴いていますが、今年は新しめのものも加えてみました。ハード・バップ回帰といいましょうか、スイスのジョニー・グリフィンともいわれるロマン・シュヴァーラー(ts)のアルバムです。他は、アート・ブレイキー、ダスコ・ゴイコヴィッチ、ソニー・クラークなどの作品を聴いてみました

シュヴァーラーは、ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)やジョー・ハイダー(p)との共演で知ってはいましたが、リーダー・アルバムを入手できたのは比較的最近のことで、この「Live in Vienna」も、澤野商会による復刻CDを購入したものです。メンバーは、シュヴァーラー(ts)、Roverto Di Gioia(p)、トーマス・スタベノフ(b)、メル・ルイス(ds)。ベースのスタベノフ、ドラムスのルイスとリズム陣が強力です。

曲は、スタンダードの「Beautiful Love」、「Body & Soul」(身も心も)、「Broadway」に、Gioia作「Moblybop」、シュヴァーラー作「Love Someone You Like」と「La Ballade pour Pipette」、シダー・ウォルトン作「Bolivia」の7曲。スタンダード曲をライブでどう演奏しているか興味が湧きます。

「Beautiful Love」は、シュヴァーラー(ts)がハードな音で、美しい旋律を奏でてくれ、ぐっと引き込まれます。ソロでは、ピアノ、テナーともに「Autumn Leaves(枯葉)」を引用していますが、楽譜を見たら、この2曲は出だしが似ている上に、最初のコードがEm7とAm7で近しいので、引用したものでしょうか。Gioia作の「Moblybop」は、ややモードがかったプレイで、熱い演奏。「Broadway」では、シュヴァーラーの堂々とした吹奏にデクスター・ゴードン(ts)を思い起こしました。

なお、Schwallerの日本語表記ついては、「シュワーラー」とするものもありますが、澤野CDの日本語解説及びジャズ批評社「ヨーロッパのジャズディスク1800」で用いられているシュヴァーラーとしました。

【ポリー・ポードウェル(vo)をホームページに掲載】

 Imoldfashonedpollypodewell

更新できずにいたazuminoのホームページ(「モダンジャズやヴォーカルを聴こう」)ですが、ようやく本日更新しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ポリー・ポードウェル

なお、ポリー・ポードウェルについては、拙ブログでも2010年3月に次のアルバムを取り上げました。 ポリー・ポードウェル Don't You Know I Care?

【ウィーンフィルニューイヤーコンサート2012】

指揮者のヤンソンスがサービス精神旺盛で、「鍛冶屋のポルカ」では自ら金床を金づちでたたいていました。ウィーン少年合唱団も登場で、バラエティに富んだ選曲、構成で今年は面白かった。テレビの画像からで、雰囲気だけでも。

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