情はまことに厄介なものです。
情けは人のためならずを地でいってやり過ぎれば、だれのためにもならない結果を生むこともあります。
紙風船は押せば凹みます。
上質の丈夫なゴム風船は押してもすぐ元の形に戻りますが、とがったもののひと突きではじけてしまいます。
風船をはじかせて楽しむメディア、それを見て手をたたいて喜ぶ赤ごのような人びと、見方次第ではのどかな風景にもなります。
見せるほうも見るほうも、それが愚報であること、もう一つ外側から見ている目のあることには、なかなか気付きません。
どこかの国に飲み込まれる日が近づいてくる風のようなものに、背中の寒さを覚えます。