Chef's Note

『シェフの落書きノート』

時鮭

2007-06-25 | 美味しいお話
時鮭(ときざけ)
『時知らず』とも呼ばれる今が旬のサーモンです。

ロシアのアムール川付近から北海道沖に下りてきた白鮭で、まだ成長途上の若鮭のため、身質は、脂がのりしまった状態です。

北海道沖の定置網にかかったもので、秋の河口付近や川で獲れた鮭とは比べ物にならないほど美味です。

新巻鮭でも時鮭はありますが、他の鮭と比べて高価な値段がつけられています。

秋の河口付近や川を上った鮭は、産卵のために卵(いくら)や精巣に栄養がいってしまうため、身質はかなり落ちた状態になってしまいます。

秋鮭でも沖の定置網に入ったものは、産卵前の状態なので身の美味しさも残っています。

僕は、秋鮭よりも6月に獲れる時鮭のほうが、美味だと思っています。
秋は、栄養がのったイクラの季節。
そう思うのです。

刺身で食べられる時鮭に軽く塩を振り、身を締めます。
塩で〆た生の新鮮な状態をキープしたままで、ホワイトオークの燻煙をかけていぶし、生の燻製にします。

大抵のスモークサーモンは、火が通った状態で燻製になっていますが…
生の状態で表面だけにスモークの香りをつけたものが『冷燻』(れいくん)という調理法です。

サーモンは、完全に火が入ると、しっとり感をなくしポソポソの状態になりやすいですが、新鮮な状態で半生くらいに調理すると、しっとりした独特の旨味が生まれます。

健康にも最適で、EPA(不飽和脂肪酸)が含まれているので中性脂肪やコレステロール値を下げ、血液をサラサラにしてくれます。成人病の防止とビタミンB6が豊富に含まれているため、胃腸の弱い人、老化防止にも貢献します。

ムニエルやポワレ、網焼きにする時には、新鮮なものを選び、強火で炙る位の感覚で調理すると良いと思います。
バターを沸騰させて気泡が細かくなったら、みじん切りにしたパセリ等の香草を加え、レモンを絞り込んで火をとめます。
ケッパーやトマトの果肉を加えても良いでしょう。
これをソースにして…
今が旬の時鮭を味わってみてください。
お奨めです。

~30日(土)までの『魚祭り』期間中は、auraでは、常時ご用意しております。
最終週なので…ご来店はお早めに…。
ご予約を優先といたします。






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