おくのほそ道

漫画「ジパング」にハマったが故に興味は海上自衛隊へ!護衛艦を見るための旅行、漫画やサッカーなど、趣味をメインに語ります

試写会「真夏のオリオン」

2009-05-29 | 映画
5/28(木)に、有楽町よみうりホールで行われた、報知新聞主催の試写会で、6/13公開の「真夏のオリオン」を見てきました。

ストーリー的にも、私にとってはストライクゾーン(潜水艦なので、“外角低め”くらい w )に入る映画だったから、最後まですごく楽しく興味を持って見ることができたけど、玉木宏目当てで来た人にとっては、かなり辛い映画だと思いますよ。
実際、後ろの席の人は「寝てしまった」と言ってたし。
結構本格的な潜水艦戦をメインとする映画なので、戦争が苦手な人は絶対に受け付けないと思う。

反対に、戦争映画目当てで見た私にとっては、当初「なんで艦長が玉木宏???」って感じでした。
いくらなんでも若すぎる。
何歳設定なのかは知らないけど、少佐はないんじゃないの?って。
終戦間近、という時代背景を考えて、戦死者続出で階級が上がったのか、とか無理やり理由を考えてみたりしたくらい。

それにしては、部下にあたる水雷長(益岡徹)やら航海長(吹越満)が大尉だったりで、階級と年齢のアンバランスさが酷すぎる(^^;)

…と、私などは思ったりしたのだが、60年後にアメリカから届いた楽譜「真夏のオリオン」のエピソードがなければ、あまりに本格的な戦争映画になってしまい、観客層が限定されてしまうため、お客を呼べる主役を持ってきたのだろうということだけは理解できるよ、うん。

TVCMでは、やたら「福井晴敏」の名前が押し出されているけど、単なる監修・脚色担当で、原作者ではないので注意。
原作は、「雷撃深度一九・五」(池上司・著)という小説だそうですが、この小説自体、史実は半分で、残り半分は架空の設定なのだとか。
それをまた改編したのがこの作品だというのだから、史実がこの映画にどの位反映されているのかという、別のところに興味を持ちました。

話としては、米軍の輸送艦を護衛していた1隻の駆逐艦と、仲間の潜水艦を次々と海底に沈められた日本海軍の潜水艦との攻防を描きつつ、両艦を結びつけた楽譜の存在と、それにまつわる人間のそれぞれの想いをも描いたというもの。

ま、詳しい内容は置いといて、私的に注目の場面をいくつか。

物語半ばで1度酸素がなくなりかけるのですが、その状況の打開策が、まさに目からうろこ!
へ~~っ!!ってびっくりしました。
この方法って、実際にできるの???と、誰かに確認したかった~!
ああ…回天って、、、そうか!●●魚雷か~!ってね。
今度大和ミュージアムに行って、学芸員に聞いてみよう~(*^-^*)
(このシーンを、本当の意味で理解できる人が会場で何人いただろう?と思いました。技術的に本当に可能だと仮定して、海軍オタとジパオタは「なるほど~!」と絶対思ってしまうはず)

それから、敵駆逐艦、良く出来てるな~と思ったら、これ実物で撮影してるそうですよ。
米兵が乗っているシーンはさすがに保存されている退役艦艇で撮ったそうだけど、航行シーンはアメリカから払い下げられた、メキシコ海軍で今尚現役の駆逐艦を使って撮影したとか。
あれが現役…って、いろんな意味で、すげ~!

米駆逐艦からの発光信号を、「英文です」と言いながらも普通に日本語に置き換えて読んでる航海長(だったか?)、スゴイ!
やっぱり、発光信号の翻訳はジパングの草加並に、当たり前にできるものなのだろうか?
…どうしても疑ってしまうよ。
(だって、a=イ、b=ロ、C=ハ、ですよ?単語ならまだしも、文章って… ;)

日本の潜水艦(イ号)の艦内も、すごくリアルに作られてると思う。
って、実物見たことないけど、少なくとも本物っぽい重厚な感じが出てる!
これも見どころのひとつと言えるんじゃないかな。

あと…潜水艦内で、ハーモニカを持つ年少兵が「音楽家になりたかったんです」とか言った際、玉木宏演じる艦長が返した言葉に場内失笑…。
それ、何のファンサービス…?(^^;)って感じでした。
う~ん、この映画で正直それはないんじゃないの?
確かに面白さはある!けど、戸惑うよね、聞かされた方は普通。
一気に引き戻される、というかリアル感が損なわれてしまうよ…。
どんなセリフを言うか、是非この場面は注意して見てみて下さい。

ストーリー展開で「おや?」と思ってしまった点をあげると…
まず、楽譜が米軍駆逐艦艦長の手に渡るいきさつ。
「ええええ~、一緒に魚雷発射口から射出した死体はともかく、この大海原でアレを見つけるかぁ~?」
という疑問が。
それと潜水艦の、米駆逐艦への最後の攻撃の場面。
これまで散々、隙なく潜水艦を追い詰めていたのに、最後の唐突さといったらないよ… ;

とは言っても、日本の潜水艦がアメリカの駆逐艦を沈めることができたわけではなくて、一瞬緊迫するのだけれども、そこから最後へつながる展開にホッとさせられたりします。
現実にこんなことがあったとは思えないけど、海の上でのこんな終戦っていいな。

厳しい状況を描いた内容なのに、硫黄島のような目をそらしたくなるような描写もないし、そういう部分だけで“戦争はちょっと…”と敬遠していた人なら問題なく見られるいい映画だったと思います。
重くもなく軽くもない、バランスの取れた内容で、登場人物にも悪役はおらず、信念を持って行動する軍人の高潔さがちゃんと描かれていて気持ちいい。

是非スクリーンで見てみて下さい。
私はあとでDVDも買いますけど w

6/13公開
上映時間:1時間58分


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