せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
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書きたいことが多すぎてまとまらないほど、感じたものは多く、かつ深い。

2010-02-14 22:31:01 | ヲタ
諸君、私はメガネ長門が好きだ。
しかし屈辱的なことに、この映画で一番かわいいと思ったのは、あろうことかあのハルヒだった。
ヤツの笑顔に、何故か救いを見た。なんたることだ。

 ■涼宮ハルヒの消失 公式サイト
 ■涼宮ハルヒの消失 京アニサイト






ようやく見てきました。
なんせ2時間43分。全国公開クラスの映画では異例の長尺は余りに凶悪です。ただでさえ客の回転が悪い映画だというのに、さらに評判が評判を呼んで人が集まってくるので、とにかくカオス過ぎます。これほど劇場泣かせの作品もそうは無いんじゃないでしょうか。

先に書いておきます。
今すぐ見たい!って人じゃなければ、DVDレンタルが出てから見ることをお勧めします。
2時間43分、気持ちはあっという間ですが、身体はそうは行きません。腹が減ったりトイレに行きたくなったりする確率が非常に高いので、ゆっくりしっかり見るためにも、DVDかBDを待つのも一つの手だと書いておきます。

それに、この映画はいわゆる「スルメ映画」だと思うので、連続2回見られる環境の方が、より面白いかも知れませんし。

それでも見に行こうって方に一言。
スタッフロールの後にもちょっとだけ映像があるので、席は立たないように。
見なくても良い映像ですが、人によっては最後にもうひと泣きできます。


ってことで、前書き終了。
以下感想になりますが、この作品に関してはネタバレ回避で感想を書くなんて不可能なので、どうかご注意下さい。







感想。

 なんつー映画を作ったんだ京アニは。

この感想の真意は後で書くとして、まず作品内容の感想から。


とにかく余りに残酷です。ここまで残酷な切なさでなきゃいけなかったのかと。
これじゃ長門がかわいそうです。かわいそう過ぎます。
原作ありきの作品なのでどうしようもないのですが、何かもうちょっと報いてあげることは出来なかったのかと。

序盤、長門はずっとキョンだけを見ているのに、キョンの目には長門が写っていない。
終盤、キョンは長門を意識するけど、それでためらうことも無い。
作品を通して、余りに寂しい片思いが続きます。

最後の最後、ラストシーンでようやくキョンは長門に正面から向き合うんですが、
ですが……

ぐぐぐぐ!!!!
このシーンが短すぎる!!!!!!!!
ああこんちくしょう!!!!!もっとじっくりやってくれよと言いたい!!!!

この事件はキョンと長門が向き合わなければ解決しないんだよ。
だからこそ、キョンと長門はじっくりと時間をかけて、向き合って欲しかった。
映画全体がスローテンポだった分、あそこだけ物足りなくて仕方ないです。

セリフなんか無くていい。長門は元々視線で演技するキャラだ。
二人が並んで夜景を見て、そのまま音楽だけ流して2分放置でもいい。
もうちょっと、あともうちょっとなんとか時間をひねり出して欲しかった。

それだけ。
後はケチなんぞつける場所も無いです。

あそうだ、終盤のキョン独り芝居はウザかった。(笑)
あれ削って長門に時間あげろ。そうだそれがいい。(笑)



で。
以上はメガネ長門が好きなアホのアニメファンとして、ハルヒを見てきた一人としての感想ですが、もうちょっと一般化した視点での感想は、少し変わってきます。

上でも書いてますけど

 「 なんつー映画を作ったんだ京アニは。 」

本当にこれが率直な感想。
驚きと呆れと混乱にさいなまれた、自分の中ではかなりの問題作という位置づけです。
少なくとも、手放しで誰にでもオススメできる作品ではありません。


まず大前提として、初見では見る人をかなり選びます。
少なくとも、ハルヒがどういう作品で、どういう人間関係かを理解していないと、ちんぷんかんぷんです。ちゃんと作中にヒントが埋めてあるので、ストーリーを追っていけば理解できるはずなんですが……その頃にはもう終盤なんですよ。初めての人でも2回見れば、2度目の序盤は1度目とは全く違って見えるはずなんですが、今時の映画館は完全入れ替え制ですからねぇ。それを求めるのは酷というものです。

そして、何故かアニメとしては驚きのスローテンポです。
アニメというより、邦画のようなテンポ(というか普通の映画のテンポ)で淡々とストーリーが進みます。ハリウッド系アクション映画のノリだったリリカルなのはとは対照的ですね。2時間43分必要だったのは、この邦画っぽい間を守るためだったんじゃないでしょうか。

さらに加えて、背景が恐ろしく気合入っています。
それ自体は別に悪いことじゃないんですが、一歩一歩確実に進むテンポと合わせて、実在感、日常感を強く感じさせる内容になっています。


私ゃ呆れましたよ。
アニメなのに、雰囲気はまるで実写の映画なんですよ。
そのくせ、中身はコテコテの(と言うほどではないか)アニメなんです。

アニメっぽいものが苦手な人は、恐らく冒頭でダメでしょう。そこを乗り越えられれば大丈夫でしょうけど。
アニメ好きでも邦画のスローテンポが苦手な人は、きっと序盤が終わる辺りで寝ているはずです。
そして長門がどういう人物か一切知らずに見始めた人は、きっと終盤でぽかーんとすることでしょう。

なんとまぁ、見る人を選ぶのかと。
上映時間と相まって、正直あんまり人に優しくない映画ですこれ。(笑)

アニメでも映画らしい間を持った演出が出来るんだ、アニメだ実写だと表現手法で区別すること自体がナンセンスなんだ、そういう気持ちを込めたチャレンジ作であるとも言えるんですが、それならTV版のファン以外にも、アニメファン以外にも見て貰えるような、そんな気遣いも見せて欲しかったところです。



最後にまとめますけど、

長門が好きなら今すぐ見に行くべし。
ハルヒという作品が好きなら見て損は無し。

ただ、話題作だから見てみよう、評判が良いから見てみよう、という人は、ちょっと覚悟が必要です。
出来ればレンタル化まで待った方が、得かもしれません。


そして俺は、キョンの後頭部を一発殴りたい。(笑)



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