有田芳生の『酔醒漫録』

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

金賢姫元死刑囚招請への疑問

2010-07-22 10:40:14 | 政談

 7月21日(水)神保町の松島清光堂で新しい名刺を依頼して、「伊峡」で野菜炒め定食。新橋の共同通信で不安定研究会。山崎博康・共同通信論説委員から「スパイ団摘発は『近代化』へのエール?」という話を聞く。ロシアが資源輸出依存経済からハイテク立国へと向うことができるのか、アメリカとの「リセット」(09年7月の首脳会談)がいかに進むのかなどが気になるところだった。会議では私が拉致問題に取り組むために関係者が何人か集まってくれた。意外な、しかし的確なアドバイスを聞いたうえで金賢姫元死刑囚について話し合った。鳩山由紀夫前首相の別荘で被害者家族と会うことには、警備上の問題というだけでは済まない。北朝鮮にすれば金元死刑囚は「暗殺対象」だ。それを守るために民主党前代表の別荘を使うことは、北朝鮮に「挑発的」なメッセージを伝えることになったのではないか。情報では22日には軽井沢から帝国ホテルに移動するとも聞いている。ならばそもそも滞在先は最初から都内でもよかったはずだ。さらに問題は「機密情報」がメディアに漏れていること。招請に1億円かかり、金元死刑囚には3000万円の謝礼が払われるとも報じられた(4月の黄元朝鮮労働党書記来日のときは2000万円の予算)。機密費はこうしたときに使われるのだろう。真偽のほどはわからない。しかし韓国紙でもすでに「事実」として報じられている。問題は金賢姫元死刑囚を日本に呼んで何をするかだ。被害者家族に会うことは必要だ。しかし横田滋、早紀江さんは「新しいことはなかった」と語っている。横田めぐみさんの消息についても一度だけ会ったことなどはすでに明らかになっていることであり、「特定失踪者」についても「見たような気がする」だけでは、意味がない。国会に呼んで詳しく話を聞くことなどをしなければ、いったい何のための訪日なのかとあえて言わざるをえない。飲食店経営に失敗し、韓国でも孤立している金元死刑囚がいくら「真摯」であっても、ビジネスとして拉致問題が扱われるならば、まったくもって本末転倒だ。