5月28日(月)ロンドンは祝日。今日もまた雨で寒いほどだ。午前中は書評原稿の推敲を行いながら部屋でのんびり。11時半過ぎにホテルを出て、ミュージカルのチケットを受け取りに行く。12時から6時までの時間に引き換えると言われていたからだ。ところが地下鉄駅に向う通路にある店が閉まっている。あれっと思うものの仕方がない。ピカデリーサーカスから中華街へ行き、見当を付けた店で雲呑麺を食べる。ベトナムで食べた調味料たっぷりの味とは異なり、コシのある細麺とひき肉のたっぷり詰った雲呑は美味しかった。再びチケット屋へ。午後1時を過ぎているのにまだ開いていない。「これはやられたか」と不安になるとともに、ガムをくちゃくちゃ噛みながら接客していた男の顔が眼に浮かぶ。雨のなかをハイドパークに向うものの雨足が強まる。これでは寒さのなかで震えるだけだと方針変更。重厚な雰囲気のある書店に入った。10年前にプリチャード博士が書くと公言していた著作を探すものの、見当たらず。インド洋のカーニコバル島で起きた日本軍による住民虐殺事件。そこで通訳を兼ねて取り調べにあたったのが、のちに絞首刑となる木村久夫さんだった。どうも博士はこのテーマを書けなかったことがわかる。スターバックスでカフェラテを飲みながら赤線を引きながら読書。午後3時を過ぎて再びチケット売り場へ。こんどは違った入り口から地下へ降りた。するとあのガムのお兄さんが店に座っているのを発見。勘違いで同じような店に行っていたのだった。印象判断はいけないと深く反省。チケットを入手してホッとする。
あまりにも寒いので長袖シャツを買おうと店に入るのだが、ほとんど半袖だ。ときどき長袖があってもデザインがどうにも気に入らない。結局、薄緑色のベネトンのポロシャツを購入。生地が少し厚いのでこれで遣り過ごすことにした。よく見れば商品タグには日本製とあり、製造地は韓国だった。VirginストアでDJ-KICKSの「HOT CHIP」というCDを買った。寒さをしのぐためホテルに戻る。ミュージカルは午後7時半から。それまでに食事をしようとレストランを決めて、チケットをよく見れば明日だとある。引換券には「28日」と確実に書いてあったから、店の間違いだ。まあいいやと紅茶を入れてCDを流しながらメールなどのチェック。明日はようやく国立公文書館に行く。時間ができたおかげで準備に充てることにした。まずは木村久夫さんの遺書を読み、裁判記録を確認する。木村さんたちが被告となり、5人が死刑となったイギリスによる戦犯裁判は、きわめて杜撰なものだった。木村さん直筆の英文嘆願書の行方は、それを証明することになるかも知れない。通しナンバーが打たれた膨大な裁判記録のなかで、2枚だけが消えているのだ。連合軍東南アジア司令部にとって都合の悪いものだったのではないか。そう仮定を立てているのだが、はたして謎は解けるだろうか。午後8時を過ぎて近くのパブへ。ここもまた冷えたギネスしか置いていない。いったいどこに「生ギネス」はあるのだろうか。ひとりグラスワインを飲みつつ、あれっと気付いた。日本にいるとき、朝起きるとともに吐き気を伴う不快感があったのに、ロンドンに来てからまったくそれがない。無意識のストレスだったのだろうか。
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