有田芳生の『酔醒漫録』

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「“コメンテーター15年”始末記」

2007-11-20 12:29:11 | 「ザ・ワイド」

「週刊ポスト」11月30日号に「“コメンテーター15年”始末記」が掲載されています。この眼で見た政治家の素顔や「公平報道」の欺瞞などを書きました。青山の高級秘密クラブに出入りする国会議員についても少しだけ触れています。


永田町で噂される小池百合子新党の真偽

2007-11-20 09:21:23 | 政談

11月19日(月)朝、八戸駅から宅急便が届く。新幹線に忘れた新書本だ。昨日の午前10時過ぎに弘前駅で手続きをして、翌日には届けられたことになる。滞りない実務に気分がいい。新党日本の第一支部で定例の会議を終えてジムで泳ぐ。午後8時からの渋谷での取材が先方の都合で延期となったため、ホームグランドの神保町へ。「家康」を出て空腹を感じたのではじめてのラーメン店へ。かつて何度か深夜に入ったチェーン店が閉店したあとに出店している。ビールに餃子を頼む。驚いたのはこれで450円かと高いだけではない。「タレがかかっていますから」と餃子を出したことだ。それでいいかは事前に聞くべきだろう。カウンターを見れば醤油、酢、ラー油がなければ小皿もない。客の思いに到らない合理化に驚く。タクシーに乗って電光ニュースを見ていた。ここでも「あれっ」。「明日の気温 最低27度 最高34度」と表示されていた。「札幌は猛暑」という文字もある。ずっと見ていると「甲子園の結果」が出てきた。何と8月のニュースが流れているのだった。おかしげな社会に溶解しつつあるなと実感。神保町の土地が外資系に買収されつつあることもふくめ、この日本の異常はどこまで進むのか。「小池新党が年内にありますよ」と生々しい政界情報に詳しい人物から聞いたのは1か月ほど前のこと。小池百合子さんが党首で、小泉純一郎元首相、武部勤自民党元幹事長が中心となり、82人の「小泉チルドレン」の多くが集うというのだ。どうせ小泉、小池周辺が流すことで、自らの価値を高めようとする情報操作だと思っていた。

071120_09000001  ところがスクープ情報誌(山田洋行の疑惑を報じたのは5か月も前)「FACTA」が「絵空事ではない『小池百合子新党』」という記事を掲載した。そこには飯島勲元首相秘書官が「小泉新党を諦めていない」とある。小泉元首相を後ろ盾に「小池新党」を立ち上げて、総選挙に臨むという構想だ。そこにさらに連動するのが、山本一太参議院議員たちが竹中平蔵元総務相を顧問に立ち上げた「プロジェクトJ」グループなのだという。たしかに最近東京10区に張り出されたポスターには、豆粒のようにしか「自民党」という文字はない。はたして「小池新党」はありうるのか。「FACTA」が書いているように「虎視眈々と狙っている」としても、おそらく実現しないだろう。それはまず政党を立ち上げ、維持するだけの資金があるかという問題だ。「年内にも」というのは、政党助成金の半分は1月1日現在での国会議員数で割りふられるからだろう。何よりも新党が生まれ、総選挙に立候補すれば、自民党はそこに有力な対立候補を立てることになる。小池百合子、小泉純一郎に、いまやかつてのような熱狂は生まれない。政権交代への是非が争点となる選挙で、「小池新党」は自民党の補完部隊の「渡り鳥」グループにしか映らないからだ。たとえば小池さんが立候補する東京10区。参議院選挙の比例区得票では自民党と公明党を合わせても民主党に達しない。そこで保守分裂となれば、さらに厳しい選挙となる。いま「小池新党」が永田町界隈で噂されるのは、『女子の本懐』(文春新書)の内容のように自画自賛体質の価値を少しでも高めようとする情報戦にすぎない。