有田芳生の『酔醒漫録』

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

安倍晋三についての対話(4)

2006-10-17 08:11:26 | 政談

 10月16日(月)安倍政権はさまざまな波紋を呼んでいる。朝日新聞は「君子豹変ですか」と安倍が朝日新聞の主張と同じだと社説で書いた。ブレーンのひとりである櫻井よしこは、歴史認識で安倍政権に不満があると産経新聞で表明した。安倍晋三はさまざまな勢力の期待を裏切りつつある。北朝鮮による核実験実施という情況のもとで、安倍政権の現状をどう見ればいいのか。ある政界事情通に話を聞いた。「安倍首相は大阪の演説で、北朝鮮への対応は平和的、外交的に解決する、北朝鮮が核保有しても日本は非核三原則を守り、核武装化はしないと語っていました。これまでの持論と違うのはどうしてでしょうか」「それはアメリカのコントロールがあるからですよ。親米保守と反米保守の流れがある。安倍は親米保守の立場を選んだ。彼の立場からいえば、靖国問題にしても、自分が主張してきたことが国際的には通用しないと理解したんでしょう」「そうするとブレーンとされてきた人たちはどうなりますか」「いずれ切られていくでしょうね」「ところで北朝鮮の核実験ですが、権力基盤はどうなっているんですか」「ある北朝鮮の学者が言っていたことだが、金正日は神になったという。神は全能で、そこには正確な情報が届いていない。強硬路線を取ればアメリカも折れてくると信じてしまったんです」「それはどういうことですか」「かつてアメリカのペリー報告が作られる経過を詳しく聞いたことがある」「99年10月にアメリカ上院に提出された『対北政策検討報告』のことですね」「その検討作業のなかでは、もし北朝鮮が暴発し、地下に隠した武器などすべてを総動員して攻撃に出たなら、韓国では百数十万人、在韓米軍も家族をふくめて五万人以上が犠牲になるとのシュミレーション結果が報告された」

 「当然その詳細を金正日政権は知っているわけですね」「そう、だからアメリカは強硬な政策を取れないと判断した。イラクで大変だからアメリカは北朝鮮を攻撃することはないとよく言われているでしょう。そんなことはない」「国連決議で船舶検査をしたなら、そこで武力衝突が起きる可能性が高いと思うのですが」「それは充分にありうる。北朝鮮の船舶は武装しているからだ。ただし、現状では全面的な武力衝突にはならないでしょう」「北朝鮮は核実験が成功したとしても、弾頭にする技術はまだまだでしょう」「そうだけれど、すでに広島型原爆は持っている。ミサイル搭載技術の開発にはまだ時間がかかるけれど、飛行機から投下することはできる」「現実的にはどうでしょうか」「船舶検査によって武力紛争が起きる予感がしてならないね」「だからこそ平和的・外交的に解決する必要がある。中曽根康弘元首相も『北朝鮮をあまり追い詰めてはいけない』と語っていました」「そのとおり。国際常識が通用しないのが北朝鮮なんだ。何しろ神となった金正日が思ったような世界に数年後はなると信じているんだから」自衛隊が現実には核武装への研究を行っていて、政策さえ決まれば半年あれば実現できること、北朝鮮は中国政府の対応で判断ミスがあったことなどなど、話題は多岐にわたった。「現場に提案をさせ、それを論文などにまとめさせる。それで人材は育っていく」指導者の理想像を聞いたときの言葉が印象的だった。