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有田芳生の『酔醒漫録』

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藤原紀香「結婚」報道の真相(2)

2006-12-15 09:51:14 | 芸能

 12月14日(木)青山ブックセンターを歩く。新刊のコーナーを見れば、華々しい惹句が眼に入った。「100万部」「涙のベストセラー」などなど。ある短い期間に100万人もの人が読むような本は手にしたくない。そういう空気に連なりたくないというひねくれ心。「品」のない人物に「品」を教えられたくないのと同じ気持ちだ。新橋で劇団民藝の川岸紀惠さんと待ち合せ、「てつ」。料理人の間で使われている言葉を聞いて楽しかった。先輩料理人が後輩に「兄を旅に出せ」と言えば、古く仕入れた物を捨てろという意味だという。この延長で「慎太郎を旅に出せ」とも言ったそうだ。兄である石原慎太郎と弟の裕次郎のこと。「慎太郎と裕次郎を旅に出せ」と使えば、その素材をすべて捨てろということだ。「TENDER」でカクテルを飲み、雨のなかを有楽町へ。藤原紀香結婚問題について交わした芸能関係者との会話を思い出す。あらましこんな内容だ。「陣内智則は自分が司会をしている関西の番組で14日に結婚報告すると報じられましたよね。ところが一言も触れなかった。スポーツ紙などでも報じられていたのに、どういうこと?」「陣内からメールが来たよ。話したくて仕方ないんだけど、まだダメなんだって」「藤原紀香のブログ日記も最初からおかしい。12日には『本音はここに』というタイトルで『正式発表はいろいろな事情で私も待っている状態』と書いていた。結納まで交わした自分の結婚を発表できないというのは異常だ」「紀香から来たメールも話したくて仕方がないというものだった。結婚する二人が公表できないのは、プロダクションの問題なんだ」「どういうこと?」

061213_20210001  「週刊誌もすでに書いたけど、紀香が所属しているサムデイの社長はもともとバーニングの周防郁雄社長の運転手だった。ところが紀香から周防さんに挨拶がないままに週刊誌が報じてしまった。周防さんは紀香を育てたという自負があるから、まずここで軋轢が生れたようだ」「陣内の属している吉本興業も取材されないまま報道が出たわけでしょ。それで怒ったと聞いている。ある段階で両方の事務所が話し合い、足並みを揃えることになった。ところがその直後に12月10日結納がリークされた。ここで誰もが疑心暗鬼に陥ったのだろう」「最初に『女性セブン』が報じたとき、紀香は日記で『心ない雑誌』とまで表現した(11月16日)。そしてまた『本音はここに』ではセブンの記事を批判している」「そこで陣内のかつての女性問題が報じられた。この女性が登場するのはこれで二度目のこと。週刊誌の習性というより、紀香の結婚に反対している人物の力が相当に働いているんだろうと思われている」「それでどうなるの?」「2月25日に生田神社で結婚することは、すでに報じられているとおり。あるテレビ局は完全中継を狙っている」「ならばどうして記者会見ができないんだろう。やはり事務所間の問題が大きいんだろうね。紀香の『きちんとお話ができるときまで貝にならねばなりません』という日記(12月8日)などを読むとかわいそうにさえ思えてくる。自分の結婚させ自由に語れないんだから」「それが芸能人と所属事務所の間の現実なんだ」


藤原紀香報道の読み方

2006-11-19 09:05:00 | 芸能

 11月18日(土)朝から夕方まで単行本『X』のための資料を読み、原稿を書き続ける。当事者以外には誰も見たことのない60年前の資料を読んでいると、歴史を記録することへの責任感が自然にわき上がってくる。その気持ちとは木村久夫さんへの感情でもある。木村さんがまるで取り憑いたようにしばしば脳裏に浮かんでくる。貴重な資料を根拠にシーンを構成するならば、いままでの叙述を大きく変更する必要がある。静的なものから動的な導入への転換だ。ずっと聞いていたのは中島みゆきの新しいアルバム「ララバイSINGER」。なかでもとくに「重き荷を負いて」という曲だ。

 
過去を語る余裕もなく 明日を語る余裕もなく
 がんばってから死にたいな がんばってから死にたいな
 ふり仰ぎ ふり仰ぎ そのつど転けながら
 重き荷を負いて 坂道を登りゆく者ひとつ


 この曲を聞いているとシンガポールの独房で黙々と遺書を書いている木村久夫さんの姿が鮮やかな姿で形を成してくるのだ。希望はもちろん、絶望の気持ちさえ消えていくとき、人間はどのような存在としてそこにあるのだろうか。日が落ちはじめた時間に池袋へ。食料を買ってからJRで移動。作家の服部真澄さんの移築民家で行われるボジョレーヌーボーの飲み会に出かける。毎年招かれているのだが、ここ数年は出張が重なって出席できなかった。編集者や地元の居酒屋夫妻などとワインを飲みながら雑談。かつて服部さんの手術を担当した医師とは、個人的な健康話。するとみんなに話題が広がるという年ごろなのだ。

 藤原紀香結婚報道について芸能関係者から意外なことを知らされた。藤原紀香が所属する芸能事務所は、テレビで使う本人の映像について、いつもなら相当に厳しい対応をする。動画は使えないことが常識だった。ところが今回は「どうぞ使ってください」とこれまでにない前向きな姿勢なのだという。「考えられないことですよ」という。そういえば事務所のコメントも「人生をしっかり考えられる年齢ですので、これからも公私とも充実した人生を送れるよう頑張ってほしい」と心のこもったものだった。それに比べてお相手として報じられている陣内智則の映像について吉本興業は使用を許可しない。この現実をどのように解釈するのか。結論からいえば二人の結婚はないだろうという見方をする芸能関係者がいる。「二人の交際を知った事務所が情報をリーク。それが好ましく思っていないぞというサインなのだ。陣内も本気じゃない気配もある」というのだ。たしかに芸能界ではしばしばあること。所属事務所の「売れっこ」が恋愛に走ったとき、それを芸能マスコミに流し、報道の嵐のなかで結果的に破綻するというケースは多い。そうした視点から事務所のコメントを評価すれば、「人生をしっかり考えられる年齢ですので」というニュアンスは、否定的に捉えることもできる。果して今度の藤原紀香結婚報道の行方はいかに。芸能界の構造を知るうえでは興味深い素材なのだ。