宇宙の彼方から

自然の不可思議な森羅万象に揉まれる自分や他人の有り様を見つめる。

戦争のシミュレーションツゥー

2006-10-18 23:03:24 | Weblog
アメリカは、余程のことが無い限り、これ以上の戦争拡大はできないと言うことは再三再四述べてきた。
ブッシュさんも、そろそろ退任時期が近づき、この辺で親子共々「戦争の揃い踏み」の代名詞では嫌だろうから、子供のブッシュさんもそろそろノーベル平和賞でもいただきたくなったとしたら、急転直下の譲歩がありうるかも知れない?

かつ、このままの推移では、共和党も民主党のヒラリーさんにはとてもとても勝負にはならず、何かインパクトのある行いが必要でしょう。
それが平和的なものか、戦争的なものなのかは今はわかりませんが、今までが戦争的に推移してきた以上、平和的なるものに移行させようとするのは必然なのではないか?
だからこのまま北朝鮮に圧力を掛け続けるとはとても思えない。
これからの冬が勝負ではないか?
一冬、北朝鮮が越せれば、平和解決へ向かうのではないだろうか?
経済制裁、金融制裁の効果がどれほどのものになっているか、解体に向かえばそれでいいのだし、持ちこたえるようならば、北朝鮮と言う国を存在させておきたい中国の意思を確認できるし、武力衝突を避けつつ相手を潰せれば万々歳なのだ。
武力衝突と駐留の結果イラクで躓いているのだし、お金と人命を失いながら石油資源を絶対に失う訳にはいかないのは、北朝鮮もアメリカの立場を知り得ている。
だから、無用にアメリカも北朝鮮と刃を交える訳もないのだ。

しかし、一触即発の状態にあるのは確かであって、「臨検」を強制しようものなら、北朝鮮も何かをしてくる可能性は多分にある。護衛艦が一緒に航行することも考えられ、あればの話ではあるが・・・・

アメリカが日本を守るためには唯一、北朝鮮のミサイル封じ込めのための一斉射撃しかないのであるが、これは事前にミサイル装甲車の位置、或いは定置しているミサイルの位置を完璧に特定して置かねばならない。その情報の正確さが全ての鍵を握る。脱北者、衛星写真、スパイ等から入手するのであろうが、当然に漏れも数多くあるであろう、その後はカウンターパンチを受けることになるのは必然であるが、その内の何パーセントが日本に降り注ぐことになるかは「神のみぞ知る」ということである。
アメリカの一斉射撃も3日間は続けることが出来るでしょうが、問題はその後ですね。
兎に角攻撃にはトマホークと、地下要塞を攻撃するバンカー爆弾でしょうが、これらは高額商品であって、日本にはとてつもなく高い請求書がやってきます。
まずもって元を取ることは全くできないのではないですか?
大体今の戦争は、壊しながらそしてまた建設も考えないとならないのです。
壊すために高額兵器を使い(医学の発展で医療費が高額になっていくのに似たりして、破壊解体費もインフラ建設費も高額になっていくのですし、全部実費です)つまり我々は以後、高額の税金に苦しむことになるのです(アメリカへ支払う「守ってもらうのですから、守れず東京に被害が出ても文句は言えません」そして、北朝鮮が立ち直るまでのインフラ整備費用を出さざるを得ない)
国連での戦争決議にでもできれば費用は分担できるのですが、侵略したのではなければ中々難しいのではないでしょうかねえ。

そして、北朝鮮の土地を担保物件として権益を主張しても、韓国、中国、ましてやロシアがそれをさせてくれません。それより中国は在留中国人の保護と言う名目で、また中国企業の経済権益保護で侵攻するでしょうし、ロシアも北朝鮮がロシアを攻撃したとか、難癖をつけてジワリジワリと拡張してこないとも限りません?
韓国も遅ればせながら朝鮮統一の格好の舞台でもあり、38度線を越えるということも考えておかなければならないでしょう。これも、国連監視の中では今はかなり難しくはなってきています、が・・・・?
結局は国連軍監視団が常駐するようになるでしょう。

そんな中で、割りを喰らうのは日本です。自分の国の傷は自分で治すしかないのですし、その損失を北朝鮮に賠償させたくとも、無い袖は振れないどころか、自分で傷を癒しながら、北朝鮮の復興に手を貸す羽目になるのです。

アメリカは陸軍を投入することはしないでしょう。
何故なら、長丁場になってしまうから、選挙を控えている状態ではできないのではないでしょうか?
あくまでも日本の警備防衛を前提にスタンスに置いて攻撃する筈です。
短期決着ならば、選挙への影響も軽微で済むし、一銭も掛からない方策を取る筈です。
戦争が始まる予兆として、各国の陸軍が北朝鮮を国境で囲むことで分かります。
そしてその時を待つのです。

まあ戦争になった時は、体制側の人々に日本は恨まれ、憎まれているのですから、なまじ進駐などしない方が良いのかも知れません。自爆攻撃に晒されるかも知れませんからね。

長い戦争後に疲弊してからのギブアップならば、進駐軍に対する憎しみよりも、終わった戦争への安堵の方が強いのですが、短期終了の場合は、憎しみは消えておらず、燻り続けるのが通例ですから・・・・

戦争と経済の関係はこのように深く関わっているのですから、それを抜きにシミュレーションなどしても意味のないことです。
現在、財政が瀕しているのにこれほどの費用の捻出は、自滅行為、自殺行為の何ものでもありません。
即刻、圧力を掛けることなど止めた方が良いのです。
こんなことを続けている自民党では、いつまで経っても借金返済ができない、どころか、更にそれ以上に膨らみ続けていくしかないのです。まして、この「拉致、核でアメリカと北朝鮮とのやりとり狭間に一辺倒に乗せられている」安倍さんでは、尚更財政事情は悲劇の一路です。もう棺桶に片足どころか両足さえ入れている状態でしょう。