The Horse and His Boy (rack) (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ストーリー
少年ShastaはCalormenの南に住んでいた。漁師をしている父親Arsheeshの手伝いに追われる毎日。にもかかわらず、ArsheeshはShastaに何かと辛く当たる。
ある日、通りかかった貴族に、父親がShastaを奴隷として売る相談をしているのを偶然聞いてしまう。Arsheeshが実の父親ではない上、奴隷として売られそうだと知ったShasta。どうしたものかと独り言を言っていると、驚いたことにそばにいた貴族の馬が急にしゃべりだしたのだ。Narniaからさらわれて来たという馬のBree。今こそ逃げる時だと思ったShastaとしゃべる馬Breeは、一緒に北のNarniaを目指して逃亡。
途中、思いがけず出あったのは同じNarniaの馬に乗る女の子だった。Aravis Tarkheenaというその女の子は、両親にAhoshtaという権力者と結婚させられそうになり、逃げてきたのだという。
旅のお供が増え、Tashbaanという都へ。この街を無事通り抜けなければならないというのに、ShastaはTashbaanを訪れていた数人のNarnia人に捕まってしまったのだ。どうやらShastaをArchenlandの王の息子Corlin王子と勘違いしているようなのだが・・・。BreeやAravisたちともはぐれてしまい、なすすべもないShasta・・・。
感想
これまでは、子供達がこちらの世界から、あちらの世界(Narnia)へと行き活躍するパターンだったのですが、今回は初めからあちらの世界の話。時代はPevensie兄妹たちがNarniaを統治していた頃。それもNarniaでなく、それよりずっと南に住んでいる少年がNarniaめざして旅に出ます。これまでのように、どんなふうにどのタイミングであちらの世界へと入り込むのかという楽しみはないし、独特の不思議が繰り出すわけでもありませんが、子供たちの成長物語には変わりなく、ShastaとAravisの行く末にも注目。これはこれで面白い。
ShastaもAravisもいいキャラクター。未熟なShastaを誇り高いNarniaの馬Breeが導く形、なんといってもタイトルがHis Horseじゃなく、His Boyですからね。Shastaは控え目で、一人でいることが多いせいか、独り言が多いような気がしましたが、気のせい?はじめAravisはShastaと距離を置きます。気位が高いのね・・・という感じですが、堅苦しさを嫌い自由を求める女の子。私的には二人とも好感度高かったです。
Tashbaanという都での一件から物語が展開し始めます。ここでPevensie兄妹の何人かが登場します。ちょっと懐かしくなりつつある名前が何人か出て来て、テンションアップ。でも英語はすこぶる難しい。もちろんAslanも出て来ますが、長い間ちらちらと気配を感じさせるだけ、堂々とAslanだよ~という風には出てこず。一体何がしたいのじゃ、もったいぶっちゃって~という感じです。Narniaの土地じゃないから大きな顔もできなかったのでしょうか?
ラストにその後どうなったか、というちょっとした話があるのもうれしいですね。The Silver Chairよりは多少読みやすく、話の内容も好きかな。