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レスリー・チャン 映画レビュー#22 欲望の翼
欲望の翼 DAYS OF BEING WILD
阿飛正傳 1990年12月15日香港公開
監督 王家衛
製作 光榮
出演 張國榮、張曼玉、劉徳華、劉嘉玲、梁朝偉、張學友
「欲望の翼」は日本での上映権が切れて、その最終上映が
今年7月に東京で行われました。
こちらに当時の記事がまとめてあります。
「阿飛正傳(欲望の翼)」が香港で公開されたのは
1990年12月15日で、その広告はオールスターキャストと巨額の予算をかけた
話題のクリスマス作品としてでした。
王家衛監督は、監督第2作目で、それまでの一般的な香港映画とは違う
作家性のある作品を作りあげ、メジャーな路線に乗せました。
技術的にも当時としては珍しかった同時録音の手法を取りました。
しかし興行的には振るわず、公開後2週間で打ち切りとなりました。
難解なストーリーと見えない結末に、
香港人は期待を裏切られたと感じたのでしょうか?
香港の観客には不評だった「阿飛正傳」も
映画関係者や評論家には極めて好評で、
第10回香港電影金像奨では
最優秀作品賞・・・・・・・・阿飛正傳
最優秀監督賞・・・・・・・・王家衛(阿飛正傳)
最優秀主演男優賞・・・・・・張國榮(阿飛正傳)
最優秀撮影賞・・・・・・・・杜可風(阿飛正傳)
最優秀美術監督賞・・・・・・張叔平(阿飛正傳)
以上、5部門を獲得しました。
また1990年中国語圏映画ベスト30(第10回香港電影金像奨 影評人評選十大華語片)で堂々の第1位を獲得しました。
プロには好評だったのですね(笑)
この作品は日本でも92年に公開され王家衛監督人気に火をつけました。
またそれまでアイドルスターから引退してカナダに移住していたレスリーを
映画の仕事に復帰させるという、記念すべき作品となりました。
(参考文献:香港電影広告大全1990-1993)
【STORY】
1960年、サッカー場に勤めるスーは若く奔放な青年ヨディに出会った。
ヨディはスーに「今夜、夢で会おう」と言って立ち去る。
ヨディは毎日スーのもとにやってきた。
「1960年4月16日午後3時1分前の1分間」は2人には特別な時間で
スーはヨディに恋をした。
しかし恋は長続きせず、根無し草のようなヨディはスーと結婚する気もなかった。
新しい恋人ルル(ミミ)と一緒にいるヨディをあきらめきれないスーは
彼の家の前で何時間も過ごしていた。
そのスーの近くには彼女を思う警官タイドの姿があった
ヨディは義母と自分を生んだ実母についての確執があり、争いが絶えなかった。
或る日ヨディは香港から姿を消した。
実母を探してフィリピンに旅立ったのだ。
フィリピンのジャングルを行く列車には脚のない鳥となったヨディの姿があった。
ラストは部屋で身支度を整えるギャンブラー、スマークの姿が映し出される。
「欲望の翼」東京最終上映時にブレノンアッシュの篠原さんが
会場で話されたエピソードの中に、台湾公開版についての
興味深いお話がありました。
それは台湾で公開されたバージョンでは映画の冒頭に
ナイフを持った劉徳華が映っているシーンがある というもの。
で、探してきました、そのシーンがたぶん下の画像だと思われます。
これは台湾の台北金馬國際影展執行委員會が発行した
電影[木當]案CINEDOSSIER シリーズの
王家衛版に掲載された画像です。1991年初版発行
(左画像、クリックで拡大)
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台湾バージョンはこちらで購入できますが現在発売されているバージョンが
台湾公開時と同じものかどうかは未確認です。
ただ日本版よりは3分ほど短いようです。
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