アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ピアノ小品の魅力: ブルグミュラー18番

2010年06月27日 | ピアノ
私がピアノのレッスンを再開したときはまだ、はなひめが二歳のときだった。

「ドレミファソーラファミッレッド」のヤマハ幼児教室に一年通ったこじろうが、ほかの習い事との時間が合わずに個人レッスンに替わったのがきっかけ。だいたい、あの幼児教室って、レッスン中全部親がついてなくちゃいけないのに、親は弾けないから(笑)退屈でねぇ。。

せっかく個人に替わるんなら、私も習うことにして二枠続けて取れば、と思った。親がやってるほうが少しはこじろうもつられてやる気になるかしらん、というような気持ちもあって。

その頃は、とてもじゃないけど家で落ち着いてピアノを弾くとかそういう雰囲気ではなかったので、ちゃんと練習してレッスンに行くという心がけはさらさらなかった。先生もその辺は承知してくださっていて、レッスンの場だけで練習してポピュラーものを弾くくらい。

確か「鉄道員(ぽっぽや)」とか「First Love」とか。足にはなひめをはさんで弾いてたりしたこともあった(^^;; 当時から別に譜読みには困らなかったので、先生に習わなくてもとりあえず音を並べるんならできるんだけれども、レッスンの中でいろんなアドバイスをもらって、それを気をつけて弾いてみる(練習してみる)と、ちょっとかっこよく聞こえるようになったりしておもしろいと思った。

そんな感じで数ヶ月経って、先生から「クラシックも弾いてみない??」と誘われて、最初はとても無理といったんだけど、これなら「二ページこっきり」短時間で弾けるからといってブルグミュラー18番を勧められた。

ブルグミュラーというと、「アラベスク」とか「貴婦人の乗馬」あたりの25番練習曲のイメージが強い。なにしろ、私の母が「街のピアノの先生」をやっていたわけで、25番のほうならどれも、もうイヤっちゅうほど聞きまくっていて…でも、18番はやってなかったな誰も。

弾いてみると、25番のほうとちがってだいぶ大人っぽかったり、ロマンチックだったりしてなかなか楽しめる。それでいてきっちり「二ページ」、たった五分しか取れなくてもいちおう練習できるところがすばらしい。

いくつか練習してはマルをもらっていく中で、特に強い印象があったのが
・大雷雨
・ゴンドラの船頭歌
の二曲。これは二曲続けて演奏されることもあるとのことで、続けて練習したのだけれど、確かにそうやって弾いてみると、

「大雷雨」…雷をともなう大雨が、近づいてきて、暴れまわって、去って行くまで。
「ゴンドラの船頭歌」…さっきの大雷雨が嘘のように晴れあがって、船頭さんが気持ちよく船を操りながら歌をうたっている。

という感じがしてくる。情景がとてもはっきり見える曲なので、工夫して弾くとそれがすぐ成果になって現れる(つまり、情景をより引き立たせる)ところがわかりやすい。後々さんざん苦労したフォーレとかとは全然違う(^^;;

それに、全体が短いから、見通しがききやすく、ここをこうしてこう弾いてまとめたいと思ったら、実際そうできちゃうんだよね。凝縮された変化をぎゅっと楽しめるところが小品の魅力かな。

あまり楽譜に書き込みをしない先生だが、このときはけっこう書き込みがある。大雷雨のほうでは「ペダル 音の強いときは深く弱いときは浅く」、ゴンドラの船頭歌のほうでは「左手のリズム、レガート、それとペダルで響きをつくる」「右手はその響きの上にのってきれいに歌う」とある。そのほか、フレーズのまとまりや特に大事な音などにマーク。

この曲で、「表現のおもしろさ」というものを初めて実感持って掴んだ私は、すっかりピアノのとりこになった。このあとは、ブルグミュラーから離れて、発表会ではメンデルスゾーンの無言歌から「さすらい人」を弾いたり、さらにそのあと突然(なんの脈絡もなく)ショパンのスケルツォに挑戦したりしてどんどんのめりこんでいくんだけれども、気がついたらこじろうはピアノからフェードアウトしていた(笑)

YouTubeを見てみたら、この二曲をつないで演奏していたものもいくつかあったけど、あまり気に入ったのがなかったので、まとまり悪いけどこちらを。
ブルグミュラー18番より7~13 ←これの13が「大雷雨」
ブルグミュラー18番より14~18 ←これの14が「ゴンドラの船頭歌」
* ところで、このおじさんはいったい何者!?

それから何年か経って、私がピティナのステップでこの二曲を弾こうとしたら、先生は「せっかくベヒシュタインのグランドを弾けるならもっと別の曲にしたら」といって反対した。つまり、ショパンのノクターンであれ、ドビュッシーであれ、ブルグミュラーとは使っている鍵盤の幅が違う。ひいては音の響きの幅が違う。それが、子ども用の曲と(難しくはなくても)大人用の曲の違いだといいたかったらしい。

それはそれでわかるけど、今弾いてもやっぱり楽しい曲ですよ…よくできてる曲だと思います。

ピティナはそのままブルグミュラーで出ました。「思い出の曲だからいちどは人前で弾いておきたい」「暗譜して発表会で弾けるか、短い曲で実験したい」といったら先生もしぶしぶ(?)納得の模様。
* ま、結局このあとは暗譜で弾いたことないんだけどね
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4 コメント

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ブルグミュラー (ocarina)
2010-06-27 09:36:22
4歳の時からピアノをタラタラと習い続けている
娘(小5)が、最近ようやくブルグミュラー(25番)を始めました。
私もこちらは飽きるほど弾いた&聴いたのですが、18番は、ご紹介のyoutubeで初めて聴きました。久々に「(子どもの練習のためじゃなく)私も弾いてみようかなぁ」と思いました。

このおじさん(長井充さん)、結構すごい人なのですね~
http://www.music-tel.com/nagai/index.html
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こんにちは。 (そら)
2010-06-27 17:48:49
アンダンテさんの記事、いつもうなずきながら読んでいます。

先日は、Webピアノ発表会で、お世話になりました。私が参加させていただいた曲は、最初前半だけだったのですが、最後まで、アップした方がいいとのコメントなどを、いくつかいただきました。あの曲は、前半、後半、そして、また、前半で終わります。

今回前半、後半を録音したら、3分程度でしたので、最初にアップしたファイルと交換して、後半までのものにしました。

ところで、ブルグミュラー18番は、本当にいい曲ぞろいですね。私も、譜めくりしなくてもいいので、大好きです。特にすきなのは、5番の「泉」です。結構難しいですが、メロディがきれいにつながったら、本当に美しい曲です。久しぶりに、ブルグ18のことを思い出しました。
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> ocarinaさんへ (アンダンテ)
2010-06-27 21:13:24
おぉ~ブルグミュラーに突入しましたか。
我が家は誰もその領域に到達せずすべて撃沈(-_-;;

18番は大人が弾いても楽しめると思いますよ。すべて二ページ読みきりで、忙しい人にもぴったり!!

この方なかなかすごい方なのですね。演奏も素敵です。
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> そらさんへ (アンダンテ)
2010-06-27 21:23:19
フルバージョンへの変更、聞いてきました。ありがとうございます、納得です。

「泉」、弾きましたよ~わりとはじめのほうでやりました。でも細かい音符弾けないんであんまりきちんと仕上がらなかったような(^^;; きれいな曲ですよね~
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