自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

外国語習得

2010-02-02 | 体験>知識

こどもは生まれた直後に鼻と口を使って呼吸をはじめる。
同時に産声を上げる。
声や音を聞くことは胎児に始まるらしい。
コトバの習得の始まりである。
呼吸は一人でできるが言葉の習得はまわりに話す人がいないとできない。
子供にとって母親が最初で最高の言語環境である。
わたしの最初の記憶が「子供の前で」という、母親が「外人」に言った片言のブラジル語 (ポルトガルのかつての植民地語)だったことは外国語習得のヒントになるだろう。
ひとは外国語に接するまでバイリンガルを意識することはない。
わたしが最初に外国語を意識したのは日本に来る船上であった。
12歳のわたしより一つぐらい年上のDさんちの女の子が日本の少年雑誌付録の英語辞書を見せて、日本では英語の勉強がある、と教えてくれた時だ。
そのときの船室の様子とたわいないエピソードを記す。
帰国移民の日本人はたいてい船底の3等船室で寝起きした。
船室とは名ばかりで実態は仕切りのない船倉B1階だった。
数万トン級の貨客船だったのでB1,2階は主として貨物室だった。
2人用の2段ベットが何列も並んでいて乗客は隙間なくつめこまれた。
父と母が下に居をとると一人っ子のわたしの居住空間は上になった。
大家族のDさんちの女の子がはみだしてわたしと同じベッドになった。
わたしは思春期前だったので何の違和感もなくぐっすり眠れた。
彼女はまわりから何か言われたのか2,3日で居なくなった。(つづく)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿