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NYへ到着寸前の朝食で、ウインナーが出ていた。
デニスが食べないので、アヤに食べさせた。
「まだソーセージよぉ~」とアヤが泣き出した。
「ちょっとマミーの分はスパイシーかもよ」と、コショーの粒が
見えてるソーセージを食べさせた。あっという間に完食。
「もっとソーセージよぉ~」が始まった。
そういえば、温泉の後も「もっと、うどん食べるよぉ~」で
アヤが泣きわめいたっけ。
今日こそ、示しをつけるべし。
「もう、頼めないのよ。飛行機にのせてる食事の数は
決まってるんだから」と、強引に納得させようとする。
ちょっと説得のレベルが高すぎたのか、
「もっとソーセージよぉ~」アヤの泣き声が、甲高くなっていく。
泣きわめいてるアヤに気づいたのか、キャリアありそうな
CAの方がやって来た。
「どうして泣いてるのぉ~?」アヤに話しかける。
さすがキャリアあるCAは客の扱いがうまい。
私に話しかけなくても、子供に話しかければ万事まとまる。
泣いてる理由を子供が説明するわけ
ないのだから・・・。
こうしてワシが説明入れるのじゃ。
「ソーセージを欲しがってるんですが、
数に限りがあるし、
あきらめることも学ばせないとならないから」
と言ったら「大丈夫ですよ。まだお持ちしますよ」
フットワークが軽い。
「いえ、いいんです、あきらめることも学ばせないと」
と再び言おうかとも思ったが、
ソーセージを与える=(イコール)
他の客の迷惑になるから、
こいつを黙らせろ!ってことだ。
「もう、これで最後だからね。わかったって
言いなさい!」と言いながら、ソーセージをアヤに
与える。
「わかった」と、しゃべれる猫が話してるような
口調で返事をしながら、
ソーセージをペロリと平らげたアヤ。
私をこんなに疲れさせたくせに、
食べ終わるやいなや高いびき。
JFKに着くと、ファミリーサービスで荷物を運んだりと
お手伝いをしてくれる係員は、
英語しかしゃべれない白人の兄さん。
日本では日本語のでいないレイが、私の後ろについてきてたのに、
兄さんの後ろについて堂々と歩いている。
あぁ~とうとうNYに帰ってきたかと実感するのだった。
カーサービスは、イスさえも自動で動く最新式の4WDだった。
アメリカの車だったと思うが、スペースがあって乗り心地がよい。
ドライバーのブラックの兄さんは、
「いとこが日本に住んでいて、来月は彼女ハワイで挙式
なんだ」と言っていた。
日本の話をすると、いつでも親類縁者が日本にいるとか
結婚してるとかいうアメリカ人に遭遇するのは不思議だ。
日本にゆかりのある人は、そういうオーラを発してるのかな?
たとえば、
デニスの学校の先生の長男が、日本に留学してたり。
一番仲良しだったクラスメートのパパが以前、
日本在住だったとか。
前には、一度だけタイムズスクエアのトイザラスで
インタビューしたブラックの店員さん。
米軍所属の弟さんが、日本に駐留していた。などなど。
さて快適なはずの車内では、
アヤが靴をはいたまま。強情なので脱げといっても
脱がず。
美しい光沢の黒いレザーばりのシートは、靴底のスタンプで
彩られていった。
それを私がティッシュで拭き取りながらの帰路。
最後の最後まで、この娘は厄介だ。
自宅付近に車がやってくると、アヤが「着いたよぉ~」と言った。
自分の家をまだ覚えていたか。
お昼すぎ、
家に入るやいなや、子供らを強引に寝かせ、私も
死んだように眠っていた。
起き上がったら、マットは血の海ならぬ
ゲロの海だった。
エリカはこの数日なにも食べてないから、ドロドロの液体のみ。
それなのに、ある一部にはツブツブの食べ物。
うっ、ソーセージ臭いぞ。
回復しかけていたのだが、ゲロの主はアヤ。
アヤの髪の毛には、ゲロがべったりついていた。
エリカは熱が下がらないし、シーツはゲロの海。
「アメリカに帰っても疲れたなんて言ってないで、
ちゃんとしたお薬を処方してもらわないとならないから、
病院につれてってあげるのよ」
母の注意が頭の中をこだまする。午後4時をすぎていたが、
いちかばちか病院へ予約の電話を入れる。
「ドクターに代わります」とオペレーター。
ドクターに症状を話すと、「すぐに来てください」と言われ、
寝ているレイとデニスを起こし、バタバタと用意させた。
デニスは、寝起きで機嫌悪く、「マミー足が痛くて
歩けないよぉ~」と、歩いて3分の道のりを泣きわめく。
髪を振り乱し、歯もみがいてない私は、
ボロボロのまま病院へ。
マラソンのゴール寸前の
ように息切れしながら流れ込んだ。
ドクターが心音や耳の中、口の中を確認した後、
「胃の中にウィルスがいるようですね。
とにかく水分を補給してあげてください。
オシッコをきちんとしてるのかどうかだけは
確認してね」
えっ、それだけ?
そう、ここはアメリカ。
風邪をひいても薬は、自分で薬屋で選ぶのだ。
日本の病院では、浣腸までしてくれて
ウィルスを排泄して、治りやすくするなどとやってくれたんだが。
熱冷ましには座薬を与えられ、咳止めもろもろの
粉薬は小さな袋づめ。
そして今夜もエリカは熱。
こいつらが病気でなければ、NY帰還を一人で祝って
ワインでも飲むのだが。
友人からの忘年会新年会のお誘い、お待ちしております。
ただし、子供たちが病から立ち直るには、更に数日
かかりそうです。
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