モノと心の独り言

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素子の擬体化、加齢者の擬体化

2004-10-17 06:09:10 | 映画・音楽・・・パッケージ・メディア
素子(アニメ『攻殻機動隊』)の擬体化は、
幼児の時の事故からだった。
その成長にともなう擬体の交換は、
さながら甲殻類の変態みたいだ。
その擬体操作力は、
折鶴を片手で折る繊細さと伴に、
戦士の身のこなし、
電脳技術者の情報ネットワーク拡張力と判断力などで最高水準で、
なおかつ公安9課という組織と繫がっていることで殺しのライセンスまでもつ、
自由人の象徴なのだろう。

加齢のなかで身体の老化に立ち向かう技術は、
臓器の人工化、移植、再生など始まったばかり。
神経系の発展と外部化は、身体機能の退化を伴って、
情報の身体外のモノへの保存の歴史が重なっている。

その情報のモノへの依存が、情報自体に成り切るのかどうか?
素子はネットワークの中に住み、必要時に擬体に乗り込んでくる。

この想像された社会になぞらえて考えると、
現代のいわゆるブランドというモノにアフォードされている情報も、
最後は、関係に還元されてゆくのだろうか?

もし、素子が擬体の中でしか自己意識を持てない情況になったばあい、
それは、そっくり輪廻の中の生命ではないか?

昆虫は昆虫の、犬は犬の、人は人の環境との関わりに生きている
言い続けられた輪廻の世界観に、もどってしまうのか?

或いは、あの「我思う、我ある」孤立の世界に止まるのか?
絶えず対象との関係を検証するという共同確認の科学も、
その検証の仮設、裏付ける情況を感知するセンサーと類推の
相対的な能力にかかっているとしたら、・・・・

そして、素子は、深海でも宇宙でもないネットワークの海に
再びダイブする。

では、読者・聴取者である私たちは、この加齢という時期の
身体と神経を引きずって、このネットワークの海を想像する。
医薬品からサプリメント、義歯・めがね・ペースメーカー・・・・
そして、身のまわりのモノモノを整理してゆくのだろう。



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