この散文は、「モノと心の関係を知りたい」と
建築科の卒業を延期したときの想いをひきずってきた未練ですが、
なぜ「モノと心の独り言」とつけたのか、今頃になって気がつきました。
’心がモノを・・・’では、観念論となり、
’我思う、ゆえに我あり’のデカルトも、実はこの範疇。
意識される視点から観察できることの因果関係を組み立て、再現性を確認する近代科学もまた、
意識できないこと、感知されない出来事は考 . . . 本文を読む
人は伴に行為をするために、対象を表象化してきた。今、その表象(言葉や画像・映像・音)などが、大量に複製され流通されるようになって、表象に頼った検索の限界はないのだろうか?
画像・映像・音などもメタデータがテキスト化さ、ユビキタスに流通している。個人行動のミクロな意識・表現・連絡、メディアの情報の再生産、マクロなセンサー・統計情報が、相互に複製・干渉しながら増大してゆく。人が処理し . . . 本文を読む
今週の表参道駅ウォッチングは、Club Medのピラー広告、隠し絵について考える。
駱駝で歩く砂漠
スキューバしたい海、
ゴルフ場・・・
リゾートの写真のつもりが、ふと、人の顔が書き込まれているのに気づき、その想定外・驚きの隙間から、より強い印象が残る。
それぞれの表情は、リゾートを楽しんでいる笑い・微笑にあふれ、写真のイメージを増幅させている。
モノ自体を表現するか、そのモノ . . . 本文を読む
過剰に意識する、表参道駅のメディア・ジャック
今週は CHANCE CHANEL
肉感を失わない肢体、
傾く瓶に磔られる少女、
あふれ飛ぶ液体、
1920年代からモノにたいする心理を象徴化した
アメリカのアド・デザインの匂いがいっぱい。
古くは、オランダ、フランドルの日常生活の描写を思い起こし、
滴の先に、隠された髑髏を探したくもなる。
しかし、手足は、なんと細々しくなってしま . . . 本文を読む
表参道駅のメディア・ジャックを、個人がああだ、こうだと云うのは、個人的な趣味の世界、マニアのナルシスティックな世界所有欲の吐露かもしれない。これは、単なる個人の精神症状の押し付けなのだろうか?
生存空間の深さ、想像界・象徴界・現実界をさ迷って
生存空間の深さ、想像界・象徴界・現実界のトポス
その構造を示すために、『文脈病』斉藤環 著を参照して、主体の二重化による個体体験の意識化のフロ . . . 本文を読む
遠ざかってゆく眼差し。
色彩はモノトーンへ後退し、胸からの、全身の、据わっている姿勢、
柔らかな服装、細かな飾り・・・
思い出しきれない何か、
連想がつなぎきれない過去、時間の地層へ、
そして無垢な少女の聖性へと、引き込まれ、
想像界・象徴界から現実界へ
意識させないでさらってゆこうとする、
これは、装飾品ショップ agete なのだ。
このような広告ばかりでなく、
額縁や、枠取り . . . 本文を読む
地下鉄に乗ってどこかに行こうとしている最中に出くわす光景の変化。
柱に写真が貼ってある、広告が変わった、これは何の広告?・・・
という意識の前に刹那の沈黙があって、捉えられている自身に気づく。
眼は、私の生命に関わりうる何かへの危険信号として、
鮮やかな色彩は、毒か享楽の強さを押し付けて、
意識にすくわれる前に、象徴界をさ迷う。
この脅迫を分析して、整理してしまえば一段落、
あと一週間、通るた . . . 本文を読む