庭・軒・縁側・土間・板の間と自然に作業を分かち合う人と繋がっていた農家暮らしが、いつの間にか、武家屋敷の塀と門と敷居と上がり框で隔てられ、明治には洋室の応接間になっていた。そして、敗戦後急ごしらえの大量住宅は、○○LDK! 寝室・居間・食堂・台所で、核家族。更に、どこでもスマホで(いいでしょ?)「いいね!」都合のいいときだけ、繋がって。
今、COVID-19対策で、ソーシャル・ディスタンスが続く . . . 本文を読む
本と文字で語る最後は、書家『井上有一 1955-1985』 (金沢21世紀美術館「生誕100年記念井上有一」公式カタログ
銀座のJINMOさんの書活動取材時に、日本橋本町の「かみ屋」で出会った書家の作品集です。
心身の動きが、筆、墨、和紙に出会った痕跡。
図であり字であり、形であり意味であるモノに、向き合い感応する歓び。
「愛」いう字が1 . . . 本文を読む
社会は、コミュニケーション:つまり呼応の縮約で、成り立っていいて、分化され続けてきた社会システム間の相互干渉を促進するのがアート(人の感性による技)なのだと、割り切らせてもらった著作群です。
『形式の法則』G・スペンサー=ブラウン著、
『行為の代数学』大澤真幸著、
『システム現象学-オートポイエーシス』河本英夫著、
『制御と社会』北野圭介著、
『プロトコル-脱中心化以後のコントロールはい . . . 本文を読む
マリリンモンローの水着姿をを切り抜いた雲形定規をつかいながら、北九州市図書館の模型づくりのアルバイトをしていたころのことが書かれている本です。
ギリシャ以来の建築のオーダー:秩序は、世界観を示していました。西欧の各時代はそれぞれの様式と気風を伴にし、ゴシック・バロック・ロココと近世をへて様式を好みで選ぶ時代へ。工業化とともに、機能と装飾が分けて意識され、デザインという作家の恣意性も、言葉と表面の . . . 本文を読む
近代住宅史を卒業論文の仮のテーマにしていた終盤に、ふと手に取って、大学生活を一変させた本です。
これを機に、言語論理から離れ、視覚による「近代美術と建築史の比較」という入口から、後年、未完の「ダダ・シュールレアリスムノート」という中継点へ向かいました。
衝動から方法へ、身体が感じる不思議を表するために、ノートの纏めは散文に。
「表参道駅からケヤキ並木を降り、明治通りを超え、坂を上り、山手線を . . . 本文を読む
読んでいた文庫本は納戸の奥、写真は、復刻版で『感情装飾』、初期の35編が入っています。有名な『雪国』の出だし「トンネルを抜けると、そこは雪だった」のように、近代個人意識の主語はなく、情況の中のたまゆらの光景を感性の小片で、集めたものです。
『日本のコード』小林修一著は、この主語無しを、日本の風土で、日本語を母国語に育った日本人のレトリックと証します。
奈良時代の漢文・漢字、明治以後の欧州語、敗 . . . 本文を読む
『異邦人』、『ペスト』などの著者、カミュは、’不条理の哲学’と云われていますが、私は、素直に読みました。山の頂上に巨石を押し上げきれず、転がり落ちる巨石を、また麓に降りて繰り返すシジフォス(当時はそう読んでいた)。最後の審判の日、楽園を目指すキリスト教にとっては不条理でも、自然/四季豊かな半面、災害が誰にでも降りかかる日本列島、大正生まれの両親と戦争前後に生まれた姉との . . . 本文を読む
コロナ感染対策で外出自粛期間に廻りだしたBook Cover ChaneMail 。一つの本が別の本に繋がって、知ったり・考えたりすることは、比較することから、始まるのでしょう。
まず、1っ冊目《BCC①》『いのちの輝きにふれていたい 特養「せんねん村」魂のきづな』は、著者、中澤明子さんとの想い出を裏付ける本です。
介護保険制度導入が決まったころ、医療情報と介護情報を医療・介護担当者が連携 . . . 本文を読む
COVID-19パンデミックの結果が二つに分かれた。香港では恐怖で自閉・社会を諦める。米国では、外出禁止の反動で路上に出て解放感に浸る。パーソナル・ディスタンスは、一方は拡がり、他方は近接へ。コトバも検閲かソーシャルで開放、増幅され、国家警察が介入か、自重する警察・州兵か。プロパガンダ一色か、スキャンダルで視聴率を稼ぐか。相場も国家統制か、支援財政出動でAI相場は瞬時にバブル。
日本は自粛と様子 . . . 本文を読む