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トランプショックは、相対的世界へのマイルストーン。グローバル~ローカル併存時代へ

2016-11-13 10:09:53 | 暮らし・街・環境

 米国大統領選を勝ったトランプ氏は、第一回討論会はじめの押さえた調子を思い出させた。 この選挙は、英国のブリクジットにつづき、現実的な政治を目指す米国民の選択。重商主義/植民地経済の覇者英国、自由主義/工業経済の覇者米国中心の世界から、世界企業時代という、国境なき、利害と感情が市場を動かす、相対的な世界へ入っていることが今回の選挙でも明らかになった。

<経緯>

欧州への難民の津波は、植民地政策での繁栄のツケを受けているのでは。 米国の空洞化は、自由貿易と金融資本市場社会化の結果ではないのか?ベルリンの壁が壊されて、ソ連が崩壊していったときに、イデオロギーは終焉に向かった。’自由・平等・博愛’も’正義・公平・厚生’も、言語化された倫理よりも、マスメディア/専門家の規範よりも、生活感に直結した感情を開放するソーシャルメディアを連動する’ビッグ・メディア’のほうが強いということが、今回わかってきた。サンダースを支持した層が、なぜ投票にいかなかったのか?生活危機に直面した人達が投票所に足を運んだのではないか?

 <世界企業時代>

世界企業時代とは、世界金融資本がグローバル化し国境をこえている企業活動を舞台に動く時代。国際基準がより重要になり、国の法律/制度は、その特殊性を守り活かす、個別要素となる時代。為替市場、国際会計基準、ISOなどの生産・安全基準、、、などが、重要なコードとなる時代。今、世界の消費環境を向上させるために、世界企業は環境・教育・生活レベルの向上のための貢献を大きな目標にしてきている。ソーシャル・インパクト評価とは、その次元の活動であり、従来の行政活動が、その成果を明示し効率を上げて来れなかったことを実証してゆくと、国よりも世界企業が、個人の生活を支えてくれるという心情が広がる。

<個人生活の行方は?> 

しかし、世界的な最適化とは、地域経済生活が流動化を激しくするということ。個人の関わり、夫婦/家族/血縁・地縁関係なども、世界的な最適化へとすすむのだろうか? 

いや、個人感情としての充足感とは、身辺やコミュニケーションの頻度が高く・持続するなかで感じられ、深まる。

’世界一’、’自分だけ’、’ブランド’付け、などを支えた、マスメディア、ビッグ・メディアを支えているのはスポンサー企業。’仲間’、’身内’などの、他律的・自動的な充足感は、自身の多面的・広域的な生活を分裂させた一面的な満足。

その充実や満足が持続してゆけるかどうか?グローバルな比較と差異の消費者として、受け身であり続けてしまうのでは。 そして、あの’格差’の分水嶺を越えようと、つねに不満と不安に苛まれてしまうのではないか?

 

<出口は、グローバル化と協調できるローカルな自律性の確保>

今、身の回りの活動や成果を記録し、データ化し、共有して、様々なスケールと立場で活用できる社会状況になりつつ在る。

人もモノも、IPネットワーク上で繋がり、コミュニケーション・センシングされたデータが集約/分析/ナビゲーション可能な指針へと活用可能な時代へ。市場動向だけでなく、生活生態動向が、測られ表現できれば、理念や感情に流されない行動が可能になるだろう。AIの活用も、データ化されにくい地域の記憶を共有する記録と対話と共歓の場が、シンギュラリティーを越える一人一人の自分ゴトへの手段となるだろう。

意識有る無し・表現をするしないに関わらず、身辺の自然や人との多面的な関わり合いを重ね、コミュニケーションと祝祭の積み重ねるローカルな生活を、如何に見える化し、自覚し合って、共有し、楽しみ、支え合うか? それが、そのローカルの個性化/グローバル市場での競合力を維持し、身辺地域と個人が充足する持続可能な世界を実現する。

前世紀に絶対/唯一から相対化が始まり、世界の統一でも個人の総和でもなく、自律的な個人の相互関係による相対的な世界へ向かっている。

(写真は、中央区佃大橋を渡るクリーンウォーク中の中央ぷらねっと:中央区社会貢献企業連絡会の参加者、2016年11月12日)


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