28.07.13 謙 譲 の 美 徳 NO.1131
人間この厳しい世の中を生きて行くには、人様に譲ってばかりはおれない。 でも、些細
なことで意地を張っていては争いになることはあっても円満に事が進むわけがない。
私には子供の時にお世話になったHおばさんという人がいましたが、Hおばさんには子供が
なく、おばさんが亡くなった時にはおばさんの兄弟もいなくなってましたので、おばさんの相
続は6~700万円相当の遺産は12人の甥姪に分割することになりました。
こういう場合、普通はおばさんの身辺介護や身の回の世話などに従事した者が遺産を独り
占めしようとして争いになるものですが、私が中心になって全員に法定相続分に応じた配分
にすることで同意させることに成功しました。
説得の要点は、一人でも反対すると相続の実務は原則として出来ないこと。相続できない
遺産はいずれ国有化されるものであること。
そして、この相続(配分)に全員が同意するならば、私の取り分は放棄すること。 私はお金
を欲しくないのではなく、私自身(ほかの甥姪もそうでしたが)おばさんに恩義があり、おばさ
んの遺産を巡って争いになるようなことを避けたいこと、そのためには私の取り分は放棄す
る(身を切る)。 そういうことで異議があるならば、私はこの相続手続きから手を引く。
ちりじりばらばらになっていて、顔さえ見たこともない甥・姪でしたが、戸籍を頼りに探し出し
て、この趣旨を伝え全員の必要書類をそろえるのに1ケ月余りかかりましたが、無事この相
続は終了しました。 こういうことをもって「謙譲の美徳」というのではないでしょうか?