福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

シャルル・デュトワ&大フィル 驚愕の初日!

2019-05-23 23:29:00 | コンサート


デュトワ先生との大フィル定演初日、驚愕の演奏会となりました。

3日間のオーケストラ稽古では、ひとつひとつのフレーズについて、ダイナミクスについて、バランスについて、またニュアンスにおいて、丁寧かつ緻密な音楽づくりが展開されましたが、その無駄のなさ、効率の良さに秀でており、持ち時間のほんの数秒の無駄遣いのなかったのも驚異的です。

そして生まれ出る音楽は、理知的、分析的なだけでなく、情熱、色香に溢れており、80歳を越えた巨匠とは思えないほどの切れ味と躍動感がありました。

大フィル合唱団の共演は、前半二曲目のラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲。テキストを持たないヴォカリーズ、まさに声の力だけでラヴェルの色彩感や物語の空気感を描くのは大きな挑戦でしたが、マエストロの棒に導かれ、美しい高みに昇ることができたのではないでしょうか? 

休憩後のベルリオーズ「幻想交響曲」は、一生のうちに何度出会えるか? というほどの名演。少年時代よりレコードやCDで何度聴いたか分からないほどの名曲ながら、マエストロのアプローチにより、はじめて耳にするような新鮮さの連続。さらに練習で築き上げた音楽の枠に本番ならではの命の火が注ぎ込まれ、類い希な高揚感のうちに大団円を迎えました。

この一連の流れを、練習から本番まで、傍らで立ち合うことのできたことは、まことに幸せなことでありました。

しかし、まだ明日もあります!
2日目も大いに楽しみたいと思います。






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