福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

内田光子のモーツァルト・ソナタ全集より

2015-03-09 09:44:57 | レコード、オーディオ


カードリッジ再復活後、最初に鳴らしたレコードはこれ。

内田光子によるモーツァルト ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲つき」。
第12番へ長調K.332、幻想曲ニ短調K.397がカップリングされている。

ピアノものにしたのは、大音量のオーケストラものにすると、届くはずの宅配便のベルが聞こえなくなるから、という消極的な理由だったが、そんなことはどうでもよい。改めて素晴らしい演奏であり、録音である。

内田光子のモーツァルトといえば、テイトと共演したコンチェルトばかりに人気が集まり勝ちだが、なかなかどうして、ソナタも超一級の名演奏だ。

内田光子のソナタ全集が、コンチェルトに較べ、いまひとつ人気の出なかった理由は、奔放さの抑制された内面的なパフォーマンスにあるのかも知れないが、ここに広がる内的な宇宙こそ無限ではなかろうか?

タッチの煌めく美しさ、千変万化の音色の移ろいやモーツァルトと一体化する呼吸を、何者にも邪魔されず堪能できるのだから、このソナタ全集こそ、わたしにとって大きな宝である。

深遠をのぞきこむような幻想曲K.397とともに我が魂は、彼岸を逍遙する。というけで、2枚目のレコードは幻想曲 ハ短調K.475~ソナタ第14番ハ短調K.457を収めた第4集としよう。

それにしても、いつもながら、内田光子の楽器のコンディションは最上で、録音もとびきりに美しい。この極限の美の再生はアナログ盤ならではの歓びと言えるだろう。



さて、前回とはカードリッジが替わった。ZYX LIVE18である。リード線は光悦(現行版)。

最初、LYRA Titanに組み合わせていたZYXであるが、再生を重ねるうちに高音の強さが気になりはじめ、Titanは神木の木製カードリッジに戻し、これを持ってきたのである。

接続部の誘電性エポキシ(銀入り)は、まだ乾燥しきっていないが、今のところ音質に問題はない。
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午前4時の復活

2015-03-09 04:10:51 | レコード、オーディオ

前の記事に書いた緊急課題とは何か。

先日、復活を歓んだばかりのカートリッジが突然、沈黙してしまったのである。

これはもう、最初に端子が折れたとき以上のショックで、コンサートの感想どころではなく、音を出すまでは眠るわけにもいかない。

溜まっている譜読みや勉強も明日以降にスライドだ。

原因は予想の通り、単純な接触不良。

技術系だったり、手先の器用な人間なら、一発で綺麗に決めていたのだろうけど、どちらにも該当しない我が不器用さゆえに処置が甘かった。

前回塗布した二種の瞬間接着剤を剥がし、さらに接触部を磨いて接続しては通電テストの繰り返し。

もはやダメかと諦めかけたとき、ようやく音が出てくれた。万歳と言うよりは、やれやれ・・・。

時計の針は午前4時過ぎを回っている。

しかし、よかった!

接着剤の剥がされた痕で、見てくれをさらに醜くしながら、愛機は再びの復活を遂げた。

不思議なもので、壊してしまう以前より愛着が増している。

さあ、寝よう。目覚めたら、どのレコードを聴いて、祝おうかな?

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遠かったステージ

2015-03-09 01:12:09 | コンサート

この土日は、2日つづきでサロネン&フィルハーモニア管のコンサートを聴いた。

2日とも座席が悪く、あの音で演奏を評価するわけにはいかないが、両日共に素晴らしい演奏であったと思う。

ただ、それを生々しく体感できないのが残念ではあったが・・・。

いま取組中の緊急課題があるため、今宵はこれにて失礼。

明日、余力があれば、何か書こう。

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