
その後、再び45回転に戻りライナーの「ローマの泉」を聴く。
いやあ、全然違う。
レンジの幅、空間の大きさ、奥行き・・。
上には上があるものだ。
ただし、写真の通りだから、アッという間に席を立って盤を取り替えなくちゃいけない。「ローマの泉」に2面掛かり。
でも、それが苦にならないほどの超絶的音質。
ああ、クナの「胡桃割り人形」や「バーデン娘」を45回転で聴きたい!
結構、売れると思うんだけど、CLASSIC RECORDではRCAでないと難しいのかな? SPEAKERS CORNERに期待か??
随分前に買ったまま殆ど聴かずにいたフリッツ・ライナー指揮シカゴ響によるレスピーギ「ローマ3部作」の復刻盤。
45回転・ジングル・サイド4枚組 by 米CLASSIC RECORD。
急な執筆のご依頼から、仕事関係の音源ばかり聴きつづけ、些か行き詰まった局面に気分転換のつもりで再生したところ、瞬時にしてやられた。
シカゴ響の完璧なアンサンブル。
演奏に非の打ち所のないのは、言うまでもないが、音質がまた超弩級。
なんと鮮やかな録音だろう。
オリジナル盤の音は知らないけど、この復刻が尋常なレベルにないことは分かる。本来1枚2面だったレコードを、音質に配慮しての片面4枚という贅沢仕様。
この抜けるような音、癖になるなぁ。
どうやら急性45回転病に罹ってしまったようだ(笑)。
台風を避け、予定より1日早く鹿児島から帰宅すると、フランスのレコード店より、フルトヴェングラーの「ニーベルングの指環」1950年ミラノ・スカラ座ライヴ 伊Fonit Cetra盤 18LPが届いていた。
早速「ジークフリート」から再生しているが、音質の鮮明さに驚かされる。ある意味、デッカ・チームによるクナッパーツブッシュの「神々の黄昏」1951年バイロイトより良いくらい。何が良いと言って、歌手のみならず、オーケストラが生々しく捉えられているのだ。
「ジークフリート」の第1幕を聴き終えただけなので、批評はまたの機会に譲るが、これだけ優れた音質なら、SACDとなった1954年ローマ・リングと対等に並べて語ることができる。スヴァンホルムのジークフリートも強力など、歌手陣も充実している。
全曲をまとめて鑑賞する時間を工面するのは不可能に近そうだが、1幕ずつでも聴き進めてゆくのが楽しみだ。
ところで、このレコード・セットの発売は1983年と、CD時代到来間際。よくぞ間に合ってくれたものだ。
ここ数日悪戦苦闘していた原稿、取り敢えず完成。
しかし、たかだか1130文字のために聴いた(買った)レコードとCDの枚数と時間を考えると・・・。
しかも、その文字数では書きたいことの8割は捨てなくてはならない。
さらには、書き終わってから届く予定のレコードも多数(笑)。
相変わらず燃費が悪いよなあ。
さて、何はともあれ、これで自分の指揮に集中できる・・・。