徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

春信一番! -必見!やつし蘆葉達磨 @三井記念美術館

2015-06-25 | 絵画

 「錦絵誕生250年記念フィラデルフィア美術館所蔵浮世絵名品展」「春信一番!写楽二番!」が三井記念美術館ではじまった。春信一番、写楽二番というので期待して6月20日(土)の初日に訪問。事前にフィラデルフィア美術館所蔵のチェックしていた(こちら)が、結局、前期後期合計で、春信作品29点が展示される。(やつし三酸、尋隠者不遇、絵本春の錦を含めれば32点)

 春信作品は、花魁道中の摺の美しさに見とれ、水売りの背景の雲のピンクの上品さに見とれた後に、今回の展覧会の目玉の「やつし蘆葉達磨」の登場。明るいピンクの蘆葉達磨の配色の妙は、図録などでしばしば見ていたが、繊細に同色を重ねた摺は、限りなく精巧さは、やはり眼の間にしないと体験できない。繊細な彫の線、可憐な表情は何とも言えない。
 藤原元真をみたあと、やつし那須与一。茄子畑で、矢を放とうとする扇の地紙売り。矢を放とうとするので那須与一かと即断していたが、しつこいまでのやつしぶり。伊勢物語武蔵野は、「武蔵野は今日はな焼きそ若草のつまもこもれりわれもこもれり」という歌の所作と通りとしみじみ眺める。
 綿摘み、馬上の若衆、六玉川井出の玉川、後朝の別れと並ぶ。拳は「やつし王質」との解釈。風流五色墨 咫尺、蚊帳を吊る母子。「浮世美人寄花 路考娘 瞿麦」は、路考の定紋を娘の帯に確認。よくみれば煙草の銘柄も文字で書かれているようだが、何と書いてあるのか。「湖水の月」は、他には作例を知らない。今回の新発見だろう。絵本春の錦は、2場面が展示されていた。そして、やつし三酸までが春信関連。

 このほかに、初期の浮世絵、清長、歌麿、写楽、北斎と上方の錦絵が並ぶ。

 保存状態のよい春信の作品をみれて、こころあらわれた。

 

UPDATE 25 June 2015

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