大学時代に熱狂的に愛したヘルマン・ヘッセ。
なかでも、「デミアン」と、「荒野のおおかみ」は別格だったな。
ドイツロマン派の、魔法の香り。
「私は自分の中から生まれ出ようとしたものを生きようとしたにすぎない。それがなぜこんなに困難だったのか」
この、扉の最初の言葉がすべてを物語っているように、
主人公は、内なる声に身をまかせ、真実を模索し続けていく。
既成の観念や信仰を後にして、道なき道を歩んでいく。
これは、誠実に生きようとする若者の、共通の思いかもしれない。
私自身、今思い出しても涙が出そうになる(あるいは笑いころげたくなる)ほどの暗い青春だった。
内へ内へと引き込む力が働いて、
古今東西の文学やら哲学書やらを読み漁る毎日だった。
深刻癖があったのは、ドイツの過去生の影響だろうか(?)
いつも真っ黒いサングラスをかけていたような、バリバリのアングラ娘。
ヘッセは、この地球上で、いちばん親しいお友達のように感じられました。
心の闇に浸りつくしていた、、、
闇はいつも親しかった。
デミアンが主人公に語りかける、こんなセリフもある。
「僕らの中に、何をしているのか、僕らよりもよく分かっている存在がいるというのはすばらしいことだね」
そんなこんなで、闇の中に生きづくいろいろな生き物の姿にもなじみになり、
いつのまにか、闇の奥から、えもいわれぬ、やさしい光が指すようになってきた。
ほんとうに、ありがたいことだ。
そして「デミアン」の中で登場する、闇と光を兼ね備えたアブラクサスという神。
その姿に、十年以上も経たのちに、このトートの「塔(タワー)」カードの中でお目にかかった時は、やっぱり驚いた。
このカード、けっこうな迫力だけど、神の光、気づきの光によって、エゴの塔(偽りの自分)が崩れ落ちていくってことで・・・
まさに、「デミアン」のテーマそのものなのだ。
再会を、意図していたわけではなかった、
やっぱり人生は神秘、
みんな、導かれてるよ。
さて、今日もこれからトートのセッションです。
どんな出会いになるのか、楽しみ♪