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アスリートから学ぶ「ゾーン」

2007-03-08 23:27:47 | その他スポーツ
遅くなってしまいましたが、先日読み終えた朝日新聞編集委員・西村欣也さんが書かれた本
「神の領域を覗いたアスリート」について、私なりの感想等々書きたいと思います。
この本で紹介されているアスリートは、

長嶋茂雄
王貞治
亀田興毅
清水宏保
千葉すず
橋本聖子
笠谷幸生
ダン・ジャンセン
「頂点の果てに」というタイトルで、円谷幸吉、ボブ・ヘイズ、マーク・スピッツ、スピロス・ルイス

最後に「日本シリーズ激闘史」と、「ゾーンを語ろう」というタイトルで、元スピードスケート選手の黒岩彰氏と、京大アメリカンフットボール部監督の水野弥一氏と、西村さんと3人で語り合うという内容。

亀田の記事は一度当ブログで紹介したので省略。
この中で一番印象に残ったのはやはり千葉すず。

惨敗した96年のアトランタ五輪後、一度は引退を表明していた。
しかし、シドニー五輪を翌年に控えた99年8月の日本選手権で、100m自由形・200m自由形共に日本新記録をマークし、優勝をさらった。

なぜ戦いの修羅場に戻ってきたのか?と西村さんの質問に対し、
「ある日、インストラクターの男の子に『君は才能があるんだから、もったいない』みたいなことを言われたんやけど、まあ、それが復帰のきっかけ。
アメリカ人の言い方ってあるでしょ。
同じことを日本人に言われてもやる気が起きたかどうか。
いつでもやめられるって、自分で逃げ道作ってね。
2年間のブランクがあったんやから、できるわけない。できるわけないから始めたというのが、ホンマですよ」

2000年4月に行われた水泳日本選手権。
200m自由形で、五輪A標準記録(2分1秒02)を切る2分0秒54の記録で優勝した。
A標準記録を突破した選手は1カ国・地域から2人までエントリーできることなどから、千葉の代表入りは確実と見られていた。
が、4月24日に発表されたシドニー五輪代表選手のメンバーの中に千葉すずの名前がない。
大会期間中、千葉は風邪で体調を崩していた。
「この大会が目標ではない。9月に結果を出したい」
この大会が目標ではない、という言葉が選考委員会の心証を害していたようだ。
日本水泳連盟がチームの輪が乱れる、という理由だけで意図的に千葉を外したのは間違いないだろう。

千葉は選考基準が明確でない、としてスポーツ仲裁裁判所に、日本人選手として初めて提訴を行った。
裁決は、
「五輪出場を主張した千葉選手の訴えは却下。しかし、日本水連が事前に選考基準を告知していれば今回の提訴は避けられたはずで、日本水連に千葉選手へ提訴費用の一部として1万スイスフラン(日本円で約65万円)の保証金を支払うよう指示する」というものであった。

今でこそ、A標準記録という言葉をどの競技でも耳にする機会は多いと思うが、千葉すずの熱意がもたらしたものは、
今の日本スポーツ界に大きな影響を与えたと読んでいて感じた。

こうやって色んなアスリートの「ゾーン」体験談を見てみると非常に面白い。

王監督は皆さんご存知の通り、
一本足打法にスタイルを変えてから15年連続本塁打王、さらには未だに世界記録として残っている868本の本塁打を放っているが、
「ホームランを打った際、ベースランニングをしている時に時間が止まる。その快感」だそうだ。

清水宏保の場合は、レース前に何度も行うレースのイメージトレーニングによって見える、「光の道」だそうだ。
カナダ・カルガリーの世界種目別選手権で34秒82(当時)の世界新記録をマークした時も、最終コーナーの出口で2センチ膨らんだそうだ。

橋本聖子の場合は、こちらもレース前のイメージトレーニングの賜物であろう、
数日後に行われるレースで起きる出来事を「デジャヴのように夢で見る事」だそうだ。

上で紹介した千葉すずの場合は、レース中「目をつぶっていた」らしい。
「目を開けながら泳いでいると、遅く進んでいる気がする。目をつぶったほうが感覚が研ぎ澄まされる」んだって。

そう考えてみると、やはり各スポーツ界のトップに君臨する人間は、練習を人一倍、いや、三倍やった成果が試合に出ている人たちなんだろう。

私は中学・高校と6年間バスケ部にいたが、残念ながら練習が嫌いやったこともあり、
そんな領域に行ったことはある訳もない(笑)
でも、打ったシュートが外れる気がしなかった時、これって「ゾーン」??
ホンマに1年に2回か3回かくらいやってんけど、そういう時はあったなぁ…。
バスケのプロにもなってないから、「ゾーンもどき」ということにしておこう。

非常に読みやすいので、ぜひ一度読んでみてください。
また西村さんのコラムで、興味深い内容のものがあればここで書こうと思います。

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