監督・脚本・音楽: 岩井俊二
出演 鈴木杏/花 蒼井優/アリス 郭智博/雅志
相田翔子/アリスの母 平泉成/アリスの父
大沢たかお 広末涼子 ルー大柴 1994年
映画館では見ることができず、ビデオで見た。
『スワローテール』『LOVE LETTER』の監督の映画であり期待もあったが、今回は高校生の世界を描いて可愛い童話のような映画だった。
花とアリスは幼馴染で親友、仲良くバレエを習っている。
なぜ花とアリスという名前なのかは見てのお楽しみです。笑
花のほうが見たところ活発に見え、恋とは縁遠い感じ。
でも、意外に繊細であることが後に或る事実で分かる。
アリスは普段はとても明るい少女だが、離婚した両親の間で彼女も心を痛めている。
アリスと父親のデートの場面が素敵でホロリとします。
花が通学電車の中で、恋をしたらしい。
それから彼女がついた嘘から花、アリス、雅志の関係はこんがらがっていく。
険悪になりそうな状況なのに、花とアリスは純粋で優しさを失わない。
彼女たちが仲良しなのも或る理由があるから。笑
涙と笑いの中で、春の桜、夏の緑、雨が美しい。
バレエの衣装、チュチュ姿の少女たちは白い蝶の精みたいです。
岩井監督らしく映像はピカイチ。
韓国映画にも負けてはいない。笑 うっかりすると負かされそうだけど。。
監督自身が作曲した(驚きました)ピアノ曲が心に軽やかに響く。
何といっても、圧巻はアリスのバレエのシーンでしょうか。
背景が真っ白で、なぜかコーヒーに浮かんだ白い生クリームが目に浮かびました。
仕事に追われる辣腕のカメラマン(大沢たかお)がフと穏やかな顔になる、アリスの瑞々しいこと!
蒼井優さん良いですねえ。
岩井監督さんってほんとに繊細な優しい人なんだなあ。
若い人にはおススメです。
高校生をもう何十年も前に卒業した私も、見終わって清清しい気持ちになれる映画でした。