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草原の輝き

2004-10-13 08:59:55 | アメリカ映画 (40)
sougen
制作 監督 エリア・カザン
原作 脚本 ウィリアム・インジ
出演  ナタリー・ウッド  ウォーレン・ビューティ
           1961年
時代は1972年。
監督は『エデンの東』のエリア・カザンです。
出演はナタリー・ウッドとシャーリー・マクレーンの弟、ウォーレン・ビューティ。

この時代はまだまだ米国も人々の考え方が保守的だったのでしょう。
高校生のナタリーとビューティーは恋心を抱いていますが、ナタリーは厳格な母の影響でビューティの求めに答えられず、二人はともに苦しむ。
少し自暴自棄気味のビューティは他の女の子と付き合うようになります。
狭い片田舎で人々の好奇の目はナタリーには辛かった。
彼女は次第に心を病み自殺未遂を起こし、サナトリウムに入院することになります。

何年かが過ぎ、ナタリーも回復し笑顔を取り戻します。
お医者さんの理解ある婚約者もでき街に戻って来ます。
彼女も美しい大人の女性となってます。
見ている私もほっとしました。笑
そこには結婚したビューティがいた。
口では語り尽くせない想いを込めて見詰め合う二人の姿は心に残ります。

時は容赦なく二人の上を過ぎ去った。
青春の苦い思い出。輝かしい青春はもう二度と戻らない。

カザンはこのワーズワースの詩を高校の教室で、ナタリーに朗読させている。

Though nothing can bring back the hour of splendor in the grass, of glory in the flower, we will grieve not. Rather find strength in what remains behind.

草原の輝き  花の栄光
再びそれは還(かえ)らずとも
なげくなかれ
その奥に秘められたる力を見い出すべし

William Wordsworth

エリア・カザン監督、ハリウッドのアカ狩りでは暗い噂のあった人です。
でも、私は人間の弱さを描くエリア・カザン監督の映画が好きです。
人のさが、深い業を描き、それでも人の心、人生は美しいと教えてくれているような気がするからです。