どんな小さなつぶやきにも、発芽と成長と開花と結実を発見できる!
TBSラジオ番組「森本毅郎・スタンバイ!」に出た国民の共産党への期待!
またまた、敢えて苦言を呈す!
今、共産党には国民の期待を読み取る想像力と創造力が試されている!
今日の赤旗の2面に、以下の記事が掲載されました。
TBSラジオ 前半の共産党躍進が話題に〝与党批判の受け皿〟
「与党批判がいま共産党へ(の支持に)向かっていますよね」
17日放送のTBSラジオ番組「森本毅郎・スタンバイ!」で、いっせい地方選前半の共産党躍進が話題になりました。
ゲストの社会評論家小沢遼子氏は、安倍政権に対し「立ち止まって考えてただきたい」と危機感を語り、キャスターの森本氏も「なんでもできる怖さ」を表明しました。
森本氏が「民主党の凋落は大きい。その分、与党批判が、いま共産党に向かっていますね」と語りかけると、小沢氏は、「有権者の受け皿として共産党を選んでいることは、むしろ正しいんじゃないの。原発問題だって、やっているのはここだけだもの」と同調。
「政党助成金も受け取っていないんでしょ」という小沢氏に、森本氏が「共産党に票が入るのは、やっぱりいまの政権にノーと言っている人たちがいるということですよ」と相づちを打ち、トークをくり広げました。(引用ここまで)
テーマから視ると、前半の躍進を喜ぶ赤旗の気持ちが透けて見えてきます。当然です。90年代後半から後退を余儀なくされていたなかで、第三極の後退を契機にした都議選・前回の参議院選挙。総選挙における躍進が、今回のいっせい地方選でも続いているからです。失われた10余年を取り返すかのような出来事ですから当然の喜びです。
しかし、愛国者の邪論は、言わば「実力以上の躍進」に対して、赤旗記者のような気持ちとは少し違っています。それは、本来であれば、この間の「躍進」は「大躍進」となっているはずだという思いがあるからです。このことについては、その都度記事にしてきていますので、繰り返しません!
今回は、この記事を掲載した赤旗の記者の考え方が、憲法を活かす政権構想を提示していないことを反映した共産党の深刻な問題を示した内容になっていること、国民の、共産党への期待を見過ごしていること、このことについて、検証しておくために、記事にすることにしました!
それは、森本氏が述べた「共産党に票が入るのは、やっぱりいまの政権にノーと言っている人たちがいるということ」だという認識をどのように捉え、共産党の「大躍進」に活かしていくか!という視点が、前半の「躍進」に「小躍り」してしまっているために、国民の本当の願いを見過ごしている、欠落させているということを言いたいのです。
「いまの政権にノーと言っている人たちがいる」、それまでは、二大政党の「民主党」だったが、「民主党の凋落は大きい」ということの裏側には、「政権交代可能な二大政党政治」の自民党と対決しているとされていた「民主党」への期待があった。しかし、それは失敗だった。だから、「民主党の凋落は大きい」ということになるのです。
今や、「その分、与党批判が、いま共産党に向かっていますね」ということは、小沢氏が述べているように、かつて自民党の「受け皿」として「民主党」に向かっていた国民の「期待」が、「有権者の受け皿として共産党を選んでいることは、むしろ正しいんじゃないの」ということになっていることそのものの意味について、赤旗の記事からは想像できないのです。これは政権構想を提示していない共産党にとっては全く想定も、想像も、創造もできないことが最大の要因だからなのです。
「いまの政権にノー」と言っている有権者の安倍政権の「受け皿」とは何か!
共産党は民主連合政府の樹立までは、安倍自公政権に対する「受け皿」を、いや安倍自公政権の暴走をストップさせる!安倍自公政権を打倒する!しかし、その「受け皿」としての「政権」については、方針として掲げていません!
共産党の綱領には、民主連合政府の前に、いわゆる「よりまし政権」の樹立は掲げています。しかし、昨年1月の第26回定期大会では、以下のようなことを決めているのです。この方針に基づく限り、日々刻々変わる国民の変化を機敏に捉えて、共産党の方針を発展させていくということは不可能です。これは日本の政治に対する認識上の問題があるのかも知れません。何故そのような認識になっているか、そのことも問題ですが、この点については、別稿にします。
これはサッカーで言えば、相手の動きに機敏に対応してパス回しをしてゴールするたたかい方とは、白鵬の「後の先」とは異なる、硬直したたたかい方と言えます。日々生活に苦しむ国民の不安と政治に対する不信に寄り添い、要求を根こそぎ拾い上げて方針を発展させていくのではないのです。これでは国民の期待を逃すことになります。
以下、方針をご覧ください。とりわけ問題部分を赤色で塗っておきます。http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/26th-taikai/20140118-k26th-ketugi.html
問題は共産党の躍進のためには、国民との連帯、しかも広大な無党派層と言われる国民とのコラボの構築と共産党の躍進を一体的にすすめるということが欠落していることです。
「一点共闘」の発展と共産党の躍進とが統一戦線の構築を経て民主連合政府の樹立となっていることです。目の前の国民の期待は民主連合政府まで「お預け」なのです。これでは「政治不信」を払しょくすることは難しい!「一強多弱」のなかの「だらしない野党」に埋没してしまいます。これは二大政党の中に埋没させられてしまったことと、本質的には同じです。
そうではなく、憲法を活かす政権づくりを安倍政権打倒とリンクしながら、広大な無党派と言われている国民との共同で、政権構想づくり・政権公約づくりと要求実現運動を推進するのです。これこそ「一点共闘」です。そもそも「一点共闘」論は、「要求で一致」「特定政党の自由の保障」論という形で実践されていたことです。革新自治体運動でも、住民運動でも、労働運動でも行われていたことでした。
しかし、今日安倍政権の憲法否定攻撃の中で、全ての分野で「憲法を活かす」という点で、ますます、その重大さが浮き彫りになりました。しかし共産党の方針は、この点においては、よくよく読むと、重きは置かれていません!あくまで一つの、重要な視点として掲げられているだけです。
民主連合政府樹立のためには革新懇が中心です。この運動は「三つの共同目標」を掲げて国民多数の合意をつくるという運動で、これが民主連合政府の政権構想・政権公約の柱です。憲法を活かすが根本柱となっていません!しかも、この「三つの共同目標」を実現するためには
1.革新懇運動を支える自覚的な民主勢力が、広大な国民と結びつき、その活動と組織を前進させることが、強く期待される
2.日本共産党が、あらゆる分野で国民と深く結びつき、強大な組織力をもって発展することは、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件となる。
とあり、「自覚的な民主勢力」と「広大な国民」のコラボのためには共産党の躍進=強大な組織力をもって発展することだとしているのです。このことは一面では間違いではありません。しかし、重大な点で間違っています。ということは、このようなことが実現するまでは、自公政権に代わる「受け皿」としての政権は「お預け」なのです。勿論要求実現運動を展開しているので、国民の要求を実現することは可能なことです。ブラック企業の規制などを視れば一目瞭然です。
しかし、今問題にしているのは、安倍暴走をあらゆる点から食い止めるための国民の壮大な運動です。しかし、このような方針から、現在の安倍政権にノーを突きつけている国民の感情と期待を意味づけることはできないでしょう。このことは、一貫して共産党が投票率の低さについて解明していないことに象徴されています。「多数者革命」論、「国民・住民が主人公」を掲げる共産党が、国民の参政権を引き出していくために何をなすべきか!ということを曖昧にしているようなレベルであることは、全国各地の共産党員と支持者の血と汗の滲むような努力を活かしきるという点で残念なことです
また国民にとって、本当に共産党に期待を寄せるという点では、共産党自身がスッキリと見えて来ないだろうということです。
ということは、「この暴走が、早晩、深刻な政治的激動、政治的危機を引き起こすことは、疑いないことであると分析してはいても、それを引き出して受け皿となる「日本共産党は、安倍政権の暴走と正面から対決し、あらゆる分野で対案を示し、国民との共同を広げ、奮闘するものである。憲法改悪阻止の一点で、広大な国民的運動を発展させ、改憲派のたくらみを包囲し、それを打ち砕くために全力をあげよう」という呼びかけても、本当のところで国民と響き合って、噛み合っていくことはどうでしょうか!
「森本毅郎スタンバイ!」の提起している共産党への期待を巨大な流れにしていくためには、何をなすべきか!この点に尽きるのです。ではご覧ください。
日本共産党第26回大会決議(抄)
第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす
安倍自民党政権の脆弱さは、従来の自民党が持っていた「国民的基盤」を大きく失っていることにもあらわれている。自民党の党員数は、547万人(1991年)から79万人(2012年)に激減した。TPP推進、消費税大増税、社会保障の連続改悪、あらゆる分野での「構造改革」路線の推進などで、業界・団体の支持を失い、業界や地域の有力者が離れていった結果である。自らの暴政が、自民党の組織的な大後退、空洞化をもたらしている。そして、自民党から離れた人々が、さまざまな課題で「一点共闘」でわが党と共同するという、大変動が起こりつつあるのである。
安倍政権の暴走は、危険きわまりないものであるが、恐れる必要はない。この暴走の先に未来はない。この暴走が、早晩、深刻な政治的激動、政治的危機を引き起こすことは、疑いないことである。
日本共産党は、安倍政権の暴走と正面から対決し、あらゆる分野で対案を示し、国民との共同を広げ、奮闘するものである。
憲法改悪阻止の一点で、広大な国民的運動を発展させ、改憲派のたくらみを包囲し、それを打ち砕くために全力をあげよう。
(20)統一戦線の現状と展望について
前大会以降の顕著な特徴は、この数年来、原発、TPP、消費税、憲法、米軍基地など、国政の根幹にかかわる問題で、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が大きな広がりをもって発展していることにある。広大な無党派の人々、従来の保守といわれてきた人々との共同が各分野で大きく広がっている。文化人、知識人、宗教者が新たに共同に参加する動きも広がっている。これは未来ある画期的な動きである。
この動きを発展させ、日本を変える統一戦線をつくりあげていくうえで、次の諸点に留意して奮闘する。
――わが党は、どの分野でも、一致点を大切にして「一点共闘」の発展のために誠実に力をつくすとともに、必要なときには縁の下の力持ちとして粘り強い努力を重ねてきた。この姿勢を今後も堅持することが何よりも大切である。
――同時に、どんな問題でも、根本的打開をはかろうとすれば、綱領が示した国政の民主的改革が必要になることを、太く明らかにする独自の活動に取り組むことが大切になってくる。この点で、革新懇運動が、草の根から国民の要求にもとづく多彩な共同の取り組みをすすめるとともに、自民党政治を根本から変える「三つの共同目標」(①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす、②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす、③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざす)を掲げて国民多数の合意をつくるために奮闘していることはきわめて重要であり、この運動が情勢にふさわしく大きく発展するよう力をそそぐ。革新懇運動を支える自覚的な民主勢力が、広大な国民と結びつき、その活動と組織を前進させることが、強く期待される。
――統一戦線をつくるうえで、労働運動が果たすべき役割はきわめて大きい。この点で、連合指導部の特定政党支持路線と労資協調主義路線という二つの重大な問題点が、深刻な矛盾にぶつかり、変化が起こっていることは注目すべきである。消費税増税、原発推進、公務員賃金削減など悪政を推進した民主党に対する労働者の怒りが広がり、連合系労組で特定政党支持の締め付けがきかなくなりつつあり、民主党一党支持を正面から掲げられなくなった有力単産も生まれた。職場からナショナルセンターの違いを超えて要求にもとづく共同を強め、特定政党支持を打ち破り、労資協調主義を克服するたたかいをすすめる。労働組合への組織率が、労働者全体の18%まで落ち込んだ事態を重視し、党と階級的・民主的労働運動が協力して、広大な未組織労働者の組織化に取り組む。労働者の要求にもとづく共同行動を発展させるうえで、全労連の果たす役割はいよいよ大きくなっており、その発展が強く期待される。
――日本共産党は、単独政権でなく、民主連合政府という連合政権をめざしている。その場合の連合の相手はどこから出てくるか。革新懇型の共同――日本共産党と無党派の人々との共同が、いよいよ本流になってくるだろう。同時に、いま「一点共闘」をともにたたかっている人々のなかからも連合の相手が生まれてくるだろう。
そして、そうした動きともあいまって、政党戦線においても、日本共産党との連合の相手が必ず出てくると、私たちは確信するものである。そのさい、私たちの連合の対象となる相手が、従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流であることも、大いにありうることである。日本共産党は、社会主義・共産主義の日本を展望する党だが、当面する変革の課題は、資本主義の枠内で「二つの異常」を正し、「国民が主人公」の日本への変革をはかることにあると考えている。将来的な展望の違いがあっても、「二つの異常」を正すという当面する課題での一致がえられるならば、統一戦線をともにつくりあげることは可能であり、共同のために努力する。
日本共産党が、あらゆる分野で国民と深く結びつき、強大な組織力をもって発展することは、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件となる。そこにこそ新しい日本への扉を開く保障があることを銘記して奮闘しよう。
第4章 国政と地方政治で躍進を本格的な流れに
(21)来るべき国政選挙で党躍進をかちとる意義と目標について
①「21世紀の早い時期に民主連合政府」という目標への展望を開く選挙に
第一に、次の国政選挙は、反動的暴走を続ける自民党政権と国民との矛盾が、あらゆる分野で深刻になるもとで、古い行き詰まった政治を継続するのか、その根本的転換をはかり新しい日本をめざすのか――二つの道の対決=自共対決が、いっそう鋭く問われる選挙となる。日本共産党の躍進は、反動的暴走を食い止め、「国民が主人公」の新しい政治をおこすうえで、決定的な力となるものである。
第二に、わが党が躍進をかちとることは、新しい政治を求める国民のたたかいを発展させるうえでも重要な貢献となる。それは、各分野に広がる一致点にもとづく共同を励まし、新しい統一戦線をつくりあげていく最大の保障となる。
第三に、国政選挙での連続的な躍進によって、"第3の躍進"を本格的な流れにすることは、綱領実現めざし、中期的展望にたった「成長・発展目標」――どの都道府県、どの自治体・行政区でも「10%以上の得票率」を獲得できる党へと接近し、「21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立する」という目標への展望を開くものとなる。
第5章 躍進を支える質量ともに強大な党建設を
第6章 日本における未来社会の展望について(引用ここまで)