岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

このまま春になるのか(2) / 会報51号の案内(2)

2010-02-26 05:16:17 | Weblog
(今日の写真は、ゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草「オイヌノフグリ(大犬の陰嚢)」だ。今朝も2月だというのに暖かい。外気温は9℃。雨が降っている。春だ。
 「オオイヌノフグリ」は北海道、本州、四国、九州、奄美・琉球に分布する。もちろん、帰化植物だ。
 道端や空き地、田畑に生える。草丈は10~20cm。茎はよく分枝して地上を這い、卵円形で鋸歯のある1~2cmの葉をつける。
 花の寿命は1日。道端の日だまりでルリ(コバルトブルー)色の花をつけたオオイヌノフグリは春の訪れを告げる植物である。)  

◇◇ このまま春になるのか ◇◇

 雪消えの始まった田んぼの畦や南に面した道端よりも高い石垣積みの垣根の許には、すでに「オオイヌノフグリ」がコバルトブルーの小花をつけている。開いているのは日射しのあるうちだけだ。これは、典型的な「一日花」である。

・窓の下ゆく母子にておおいぬのふぐりを空色小花と言いぬ   金井秋彦

 いい歌だ。言葉で飾っているところが何一つない。この歌のよさは「ものの相貌とものの名とぴたりと合うほど具体的なのであり、そのものが生き生きとしてくる」というところにあるのではないか。
「花に寄るこころ」はその花の相貌体験を通してあざやかに新しく見えてくるものであるらしい。

・犬ふぐり星のまたたく如くなり  虚子
・ちりばめて必死の花の犬ふぐり  一花
 虚子の俳句は写生に徹している。 「一花」の句は「花」に命がけで咲く美しさを見いだしている。「命がけ」な行動は何でも美しいものだ。

 詩人・草野心平は「春の歌」と題して次のように謳っている。      

かえるは冬のあいだは土の中にいて/春になると地上に出てきます。
そのはじめての日のうた。
ほっ まぶしいな。/ ほっ うれしいな。
みずは つるつる。/ かぜは そよそよ。
ケルルン クック。 / ああいいにおいだ。/ ケルルン クック。
ほっいぬのふぐりがさいて いる。/ ほっおおきなくもがうごい てくる。
ケルルン クック。/ ケルルン クック。

 また、草野心平は、咲きそろった花をたたえて「そのコバルトの盃に天の光を満たしている」と詠っている。光を浴びて「開く」という性質は、まさにそのとおりだろう。

◇◇ 昨日、会報51号を印刷店に持ち込んだ。間もなく発送!(2) ◇◇

 今回も前号同様の12ページとなった。とりあえず、その内容をダイジェスト版的に小項目をあげてを案内しよう。
(承前)今日も風力発電の負の検証だ。

●最後は超巨大なゴミの山になる
 風車の耐用年数は15~20年と言われている(法定耐用年数は17年)。しかし、実際には落雷や強風などで簡単に壊れてしまい、試験運転を始めた途端に運転を停止せざるをえないような例が全国各地で見受けられるのだ。停止や放置された風車を、最後は誰が片づけるのか。それも決まっていない。
◆◆ 風車病とは何か?
 風力発電用の巨大風車が発する超低音(その成分の多くは耳に聞こえないほどの低周波)により、頭痛、めまい、吐き気、睡眠障害、平衡感覚喪失などが出る症例を、近年こう呼ぶようになったのだ。
 低周波を浴び続けることで癌や白血病が多発する、あるいはDNA(遺伝子)障害を起こし、不妊症や奇形児出産の危険性が高まるとした研究も出ている。
 しかし、今まで巨大風車を知らなかった日本では新しい公害のため、まだ原因究明や因果関係証明などがほとんどなされていない。そのため、規制する法律や法的救済策なども存在しない状態なのである。
●風車からどのくらいの距離まで影響が出るのか?
 1500kw級の風車1基が建つ細谷風力発電所(愛知県豊橋市)で、風車から3km離れて住んでいる人が不眠などで苦しんでいる実例がある。
 「3kmも離れているから大丈夫だと思っていた。まさか自分が…と思ったよ。風車からの騒音は聴こえるが、夜中かすかに聴こえる程度なので、最初はなぜ起こされるのかわからなかった。低周波の被害は2km位までと聞いていたのに…。しかし、現に私は3km離れていても苦しんでいる。
 岩木山の北麓の鰺ヶ沢地区には最終的には2000kw級が50基建設されるのである。
 居住地区から1km離すと言っているが、これより小さいもので、3km離れても症状が出ているのだ。まだ誰も経験のない規模だから、はっきりしたことは何も分からないが、それでいいのだろうか。
●風車病の症状はどのようなものか?
 次の証言に耳を傾けて欲しい…。
「音はしないのに、夜眠れない。毎晩2時、3時になると、妙な感覚で目が覚める。音ではなく、耳の奥でグワー、グワーと渦まくような感じ。風車稼働後、半年経ってから不眠症状が出始め、最初はなぜなのか分らなかったが、だんだんとその響きのリズムが風車の回転と一致している事に気がついた。今も睡眠不足の状態がずっと続いている。
 先日、ついに仕事中に睡魔に襲われて車をぶつけた。妻は眠れない苦しさから実家に帰ってしまい、やむなく別居生活になった。たった1基の風車が建ったおかけで被害は甚大、生活はめちゃくちゃだ。今でも月一で事業者と話を続けている。土地を売ろうにも、こんな状況になった土地を買う人などいないだろう」(豊橋市・細谷風力発電所付近住民Mさん)
●低周波による健康被害を行政や風力発電会社は補償してくれるのか?
 してくれないのだ。そのような例はない。
 「医者に行っても異常がなく、更年期障害ではないかと片づけられてしまう。苦しさは風車が稼働してから始まり、風車から遠ざかれば和らぐ。でも、誰も理解してくれず、低周波による被害とも認めてくれない」( 同所住民Mさん女性)
●防音対策などはできないのか?
 …出来ない。一般の騒音公害は、遮音壁や二重サッシなどである程度軽減できるが、低周波は物体を直接伝わって回り込む特性があるため困難である。下手に防音するとかえって家の中に低周波がこもり、ひどくなることもあるのだ。
 また、聴感上「聞こえない」音が相手のため、普通には低周波が届いているのかどうかも、客観的には分からないのである。よって「出来ない」。
◆◆ 風車病以外の問題点
●風力発電は石油を余計に使うシステムなのだ
 風が吹かなければ発電量ゼロ。しかも、いつ、どれくらい発電できるか予測できない風力発電の電気に合わせて、火力発電所などをこまめに出力調整することは極めて難しいことである。
 風力発電が化石燃料の節約になるのであれば、風力発電をした結果、火力発電所の燃料消費量が減っていなければならないが、そのようなデータはどこからも出て来ていない。
 税金を強制投入(会社が風力発電施設を建設、運営しても、補助金という税金が使われること)して巨大風車を作ることは、日本の発電事情を悪化させるだけで、むしろエネルギーの無駄遣いになっているのである。(明日に続く)