岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

「フォーラム:森の多様な生態系と遊歩道のあり方を伐採から考える」は大成功!(2)

2010-02-23 04:14:52 | Weblog
(今日は陸奥新報「2月22日付」の切り抜きを紹介する。小さくて読めないと思うのでで、管理人・葛西さんにお願いして「シンポジウム」のページに貼り付けてもらうことにする。HP「扉」左欄の・本会主催の「シンポジウム」をクリックして入ってもらうと拡大したものが読めると思う。)

 ところで、以前にも書いたが「フォーラム」等の評価基準は「参加人数」だけではない。もちろん、参加者が多いに越したことはないだろう。そのために、一般受けするテーマや有名人をそろえて開催するものも多い。
 本会でも一度本会創設10周年記念の時に、鎌田慧氏に来てもらって「私の岩木山」を講演してもらったことがある。だが、これはただ単に「有名人」を使って「人集め」をしたわけではない。
 長いことを「ふるさと」を離れて生活している、すなわち、異郷に暮らす人を代表して「岩木山」への思いを語ってもらったのだ。その時、鎌田氏は弘前公園の本丸から見る岩木山に触れて、「公園入場有料化」を厳しく指弾した。
 公園は市民のものである。本丸も同じだ。そこから見える岩木山も市民のものだ。それが、弘前市民の感情であり、異郷に暮らしていても、その感情は血肉となっているのだ。それに対して、一方的にゲートを設けて「金」まで摂るとは何という「さもしい根性」というのが彼の憤りと失望の所以であっただろう。
 その時は、旧岩木町の町民文化センターを会場として実施したが、約230名の方々が参集してくれた。本会ではこれまで、17回の講演、シンポジウム・フォーラム・パネルディスカッション等を企画・開催してきたが、200名を越える参加者があったのは、鎌田慧氏のものが最初であり、その後もない。
 今回のフォーラムは「開催することに意義があり」を大前提として開いたものであり、かつ、テーマの「生物多様性」に対しては名古屋市を抱える愛知県でも86%の人が「知らない」と回答するなど、関心の薄いものであったことから、鎌田氏の時の5分の1程度の参加者しかなかった。だが、次の3点で、今回の「フォーラム」は成功だったと考えている。
1.会員の参加が多かったこと。一般の人も、テーマに関係のある「大学関係者」、白神山地のガイド、市議会議員、環境省自然公園指導員、自然観察指導員、自然保護団体で自然観察会などに取り組んで人、山岳会関係者など、様々な関わり合いをもっている人の参加が見られたこと。
2.マスコミ取材が2社(東奥日報社、陸奥新報社)あったこと。(実はそのほか4社にも案内を送付したのだが、来てくれたのはこの2社だけだった)
3.次に述べることが一番の評価点だと考えている。それは、まさに「フォーラムデスカッション」の部分である。質問と意見が多かったということである。ただ、多かっただけではない。その内容が多岐に渡っていることも特記されるだろう。
 今回の催事名称は「フォーラム(デスカッション):森の多様な生態系と遊歩道のあり方を伐採から考える)」である。講演と問題提起、報告だけでは「看板に偽りあり」となってしまう。
 参加者同士、または参加者と主催者、講演者、報告者による「デスカッション」がなければおかしいのである。だが、この「デスカッション」が上手く出来たのだ。
 残念がらマスコミ2社は、この「デスカッション」が始まったころには会場にはいなかったのだ。帰社してしまったのだ。彼らは催事名称の真に意味することへの理解がなかったのかも知れない。

 そこで、次に「デスカッション」の時に出された意見と質問を掲げてみたい。

Sさん:「ぶな巨木ふれあいの径」のコンクリート舗装について、森林管理署は車椅子が使えるように、と言ったのか。
Kさん:請願法で「2週間以内にお答えください」の見本様式に書いているが、3週間とか1カ月でもいいのか。
SMさん:植物の呼吸についてもう少し詳しく教えてほしい。
Hさん:焼止小屋の前が伐採されて、眺望がきくようになったように思うが、あれはにはどういう経過があるのか。
KYさん:十和田遊歩道事故に対する裁判結果はおかしい。生物多様性から外れてきているように思う。われわれにどういう工夫ができるのか。
Sさん:八甲田睡蓮沼も車いす用の車道を作った。しかし特に舗装しなくとも。ボランティア2~3人いれば運んでいける。佐井の自然遊歩道もそうなっている。
KMさん:「障害者用の歩道を造る場合も当事者の意見を聞いていない」のではないか。砕石の道路は無理だが、舗装がなくとも、地肌が見えていれば十分車椅子は移動することができる。
Tさん:白神山地の大川付近では、考えられないようなところでどんどん伐採が進んでいる。何のための伐採なのか。これも調べる必要があるだろう。
MNさん:岩木山に登ったことがない人がたくさんいる世代になった。舗装道路があって当たり前だと思う人が多くなっている。このような事実を前にどうすればいいのか。
MMさん:20年前くらいから学校でキャンプをしなくなった。遠くに遠足に出かけても、車で父兄が迎えに行く時代だ。
KTさん:つがる市の教育委員会が登山と自然観察の方法を学ばせるということで、岩木山登山をしながら、私たち、岩木山を考える会が指導をしたこともある。そのような申し出があれば当会としては対応できる。
KOさん:風力発電が鰺ヶ沢に来るという話しが聞こえてきている。どうなっていくのか。(明日に続く)