岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

野鳥「夜鷹(ヨタカ)」の保護

2007-10-04 07:55:16 | Weblog
(今日の写真は野鳥「ヨタカ」である。 「夜鷹」はヨタカ目ヨタカ科ヨタカである。「鷹」という名前を持っているが「鷹」ではない。一科一属という珍しい鳥である。
 全身灰褐色で、北海道、本州、四国、九州の平地や山地に渡ってくる夏鳥で、主に昼間は樹枝上か地上で眠り、森林を住場所としている。冬、南方に渡る。
 夕刻から夜に大きく扁平な口を開けて、飛びながら虫を補食する。全長は約29cm(ハトより小、カケス大)で、「キョッ、キョッ、キョッ、キョッ…」と連続的に長く鳴く。
別名を蚊吸鳥(かすいどり)ともいう。

 他に「夜鷹」という言葉が意味することを参考までに挙げておく。(「広辞苑」から)
「夜歩きをする者のたとえ」「江戸で、夜間、路傍で客をひく下等の売春婦の称。つじぎみ。根無草」「夜ふけまで街上を売り歩く蕎麦屋。また、その売っている蕎麦」の略。

          ☆ 野鳥「夜鷹」の保護 ☆

 昨日、岩木山トレールセンターに詰めている「日赤岩木山パトロール隊」事務局長のSさんから「ハトくらいの大きさで、口が横に比較的大きく、体の色は全体的に黒っぽいが細かい褐色の濃淡の模様の鳥を保護しているのだが、どうしたらいいだろう」という電話をもらった。
 「どうしたらいいだろう」と問われても、または請われても、野鳥に関しては「ド素人」の私にはどうすることも出来ない。だが、説明を受けた時、その特徴から一瞬、その鳥は、おそらく「夜鷹(ヨタカ)ではないか」と思ったのである。
 話しでは…、
自動車で走行中に、車道で羽をばたつかせるだけで飛べなくなっているものを発見して保護したのだそうだ。保護してからすでに5日間経過しているという。何という鳥なのかも分からず、何を餌として与えていいのかも分からないが、取りあえず「青豆のすり潰したものなど」を与えてみたが食べないので「無理矢理、口を開いて」食べさせている。ところが、昨日今日といくらか衰弱が目立ってきたようだ。…と言うのである。
 話しを聞きながら、私は別なことを感じていた。
それは「岩木山を考える会というのはこのような相談や質問までされるようになってきたのだ」ということである。
 本会が標榜している「岩木山学習センター」という実質的な役割に、多くの人たちが期待してくれていることを実感していたのである。
 だが、Sさんに「こうすればいい」という回答を出せない自分に、正直なところ困惑していた。
 ひとまず、「本会の野鳥を専門に担当している会員に相談してみます。それから、また連絡します。」といって電話を切ったのである。
 それからすぐに、私は幹事の飛鳥さんに電話をして、Sさんからの「話し」を細かに伝えた。嬉しいことに飛鳥さんは「今これからすぐに岩木山トレールセンター」に出かけましょう。何という鳥なのか、どのような状態なのかを見てきます。」と言ってくれたのだ。

 それから1時間も経ったであろうか。Sさんから連絡があった。「今、飛鳥さんが来てくれました。鳥の名前はヨタカで幼鳥だそうです。かなり衰弱しているというので、鳥獣保護員のM獣医のところに運ぶといって、連れて行きました。」と言う。
 さらに、1時間後、今度は飛鳥さんから電話である。
 飛鳥さんは言う。「M獣医師によると…餌が手に入ると育てることも可能だが、現在市内に小鳥屋専門店がないのでヨタカの餌を入手することが出来ない。これは幼鳥であり、親鳥はすでに渡って南に行ってしまったと考えられるので、親鳥に返すということは出来ない。診察して軽い手当をした上で、県の鳥獣保護保護センターに送ることがベターだろう。」と…。
 ということで、この「ヨタカ」君は「県鳥獣保護保護センター」に送られることになった。「ヨタカ」君の将来(生死を含めて)がどうなるかは分からないが、Sさんや飛鳥さん、それにM獣医師の対応には深く感謝するものである。加えて、本会の「存在意義」が垣間(かいま)見えた事象と対応であったと思うのだ。事務局を預かるものとしては嬉しい気持ちでいっぱいである。本当に有り難いことだった。

 私には、この「ヨタカ」に関する思い出話しがある。Sさんから電話をもらってから、また、飛鳥さんに連絡をしてから、あれこれとその思い出話しや「ヨタカ」に関することに、想いを巡らしたのである。明日は、それらのことについて書くことにする。