映画オタクのダニィとの生活では1週間にほぼ7本の映画を見ます。毎日1本と決めているわけではありませんよ。つまり見ない日があっても、2本以上見る日もあるので、結局1週間に7本は見ているんじゃないかなということです。
結果的に私も映画が趣味のような生活になっているので、もっと映画紹介ができたらと思うのですが、やはりローマ生活のことも書きたいしとなると、映画の方はなかなか手がつけられません。でも最近良い映画をいくつか見たので紹介したいと思います。
今回はまずこれ、"The Hurt Locker" (監督キャスリン・ビグロー 2008年 アメリカ)というイラク戦争映画です。フィクションですが、ドキュメンタリータッチの映画です。イラクの戦場を舞台に、仕掛けられた爆弾を解体したり、爆破処理をする爆発物処理班の死闘を描いたもの。
映画の大半は、死に直面した作業での兵士達の張り詰めた精神状態の場面です。見ている方もじっと座って入られない緊張感が続きます。そんなぎりぎりの精神状態の生活で、兵士達の心の動き、彼らの間に芽生える信頼感、友情なども表していますが、やはりそれ以上に戦争というものの愚かさを訴えている映画です。
そうは思いながらも、ニュースで聞く程度ではやはり遠くの地で起こっていること。爆弾で何人が死亡と聞いても、その人々、一人一人に命があって、それぞれの人生を歩んでいたところまでなかなか考えませんよね。外国から送られている兵士達もです。
爆弾を体に巻きつけて自爆するテロリストなどのことをイタリアではカミカゼと呼ばれていて、よくニュースでも耳にします。自分の国の言葉がそういうところに使われているのはいい気持がしませんよ。ところでこういう人々は自分から望んで、自分の正しいと信じることのために命を捧げているのかと思っていました。ところがこの映画の最後の部分で、爆弾を体に巻きつけた中年の男性が登場するのですが、彼は自分には家族があって、子供たちがいて、どうか助けてくれと泣き叫んでいるのです。体に取り付けられている時限爆弾は、切ることのできない頑丈な錠前がつけられていて、最後の最後で救うことができずその男性ごと爆発します。つまり望んでいないのに無理に取り付けられたのですね。現実は、無理やり押し付けられたり、金銭的なことの解決や何かと引き換えのために命を差し出している人々がいるということでしょう。この場面にはかなり心が痛みました。
主人公のチームリーダは仕事の任期を追え、アメリカに帰国しますが、そこで異常なほどに物に溢れるスーパーマーケットを見て愕然とします。そして結局戦場に戻ることを希望します。戦場という異常な体験をした人々は、帰国してももう以前の生活には戻れないのでしょう。"War is the drag"という言葉が出てきますが、体験していない私たちにはわかりづらいですね。
今こうしている時も死に直面している人々がいるのですよ。指をちょっと切ったって痛いと騒いでしまいますが、足が一瞬にして吹っ飛んでしまうことが日常で起こる中で暮らしている人々の恐怖はどんなものでしょう。
戦争は愚かだとわかりながら、結局は今もどこかでは存在している。人間は基本的には争いが好きなんじゃないかな。こういう映画を多くの人が見ることによって、少しでも回避される方向に向かうといいのですけれど。
日本公開は2009年とインターネットで見たような気がしますが、是非お薦めの映画です。
結果的に私も映画が趣味のような生活になっているので、もっと映画紹介ができたらと思うのですが、やはりローマ生活のことも書きたいしとなると、映画の方はなかなか手がつけられません。でも最近良い映画をいくつか見たので紹介したいと思います。
今回はまずこれ、"The Hurt Locker" (監督キャスリン・ビグロー 2008年 アメリカ)というイラク戦争映画です。フィクションですが、ドキュメンタリータッチの映画です。イラクの戦場を舞台に、仕掛けられた爆弾を解体したり、爆破処理をする爆発物処理班の死闘を描いたもの。
映画の大半は、死に直面した作業での兵士達の張り詰めた精神状態の場面です。見ている方もじっと座って入られない緊張感が続きます。そんなぎりぎりの精神状態の生活で、兵士達の心の動き、彼らの間に芽生える信頼感、友情なども表していますが、やはりそれ以上に戦争というものの愚かさを訴えている映画です。
そうは思いながらも、ニュースで聞く程度ではやはり遠くの地で起こっていること。爆弾で何人が死亡と聞いても、その人々、一人一人に命があって、それぞれの人生を歩んでいたところまでなかなか考えませんよね。外国から送られている兵士達もです。
爆弾を体に巻きつけて自爆するテロリストなどのことをイタリアではカミカゼと呼ばれていて、よくニュースでも耳にします。自分の国の言葉がそういうところに使われているのはいい気持がしませんよ。ところでこういう人々は自分から望んで、自分の正しいと信じることのために命を捧げているのかと思っていました。ところがこの映画の最後の部分で、爆弾を体に巻きつけた中年の男性が登場するのですが、彼は自分には家族があって、子供たちがいて、どうか助けてくれと泣き叫んでいるのです。体に取り付けられている時限爆弾は、切ることのできない頑丈な錠前がつけられていて、最後の最後で救うことができずその男性ごと爆発します。つまり望んでいないのに無理に取り付けられたのですね。現実は、無理やり押し付けられたり、金銭的なことの解決や何かと引き換えのために命を差し出している人々がいるということでしょう。この場面にはかなり心が痛みました。
主人公のチームリーダは仕事の任期を追え、アメリカに帰国しますが、そこで異常なほどに物に溢れるスーパーマーケットを見て愕然とします。そして結局戦場に戻ることを希望します。戦場という異常な体験をした人々は、帰国してももう以前の生活には戻れないのでしょう。"War is the drag"という言葉が出てきますが、体験していない私たちにはわかりづらいですね。
今こうしている時も死に直面している人々がいるのですよ。指をちょっと切ったって痛いと騒いでしまいますが、足が一瞬にして吹っ飛んでしまうことが日常で起こる中で暮らしている人々の恐怖はどんなものでしょう。
戦争は愚かだとわかりながら、結局は今もどこかでは存在している。人間は基本的には争いが好きなんじゃないかな。こういう映画を多くの人が見ることによって、少しでも回避される方向に向かうといいのですけれど。
日本公開は2009年とインターネットで見たような気がしますが、是非お薦めの映画です。