あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

イタリアは変われるの???

2008-10-26 23:26:28 | ローマの平日
マニフェスタツィオーネ(manifestazione)とは、イベントや催しという意味の他に集会やデモといった意味がありますが、イタリアでは後者の意味のマニフェスタツィオーネが頻繁にあります。これがあると、普段公共の交通機関が通る主要な通りも車が通行禁止になり、バスはルートを変えて走行することになります。(問題はそのルートが乗ってみるまでわからない、車内のアナウンスはない、などで土地勘の無い人には乗ってから「このバスは一体どこに行んだ?」とオロオロ状態になります。)

ここ数日間もそんな日が続いていました。というのも学校などの教育機関への予算が削減されたことで、学生や教師達が抗議のマニフェスタツィオーネを大学や学校などで行ったからです。

そして昨日(25日)は、Partito Dimocratico (英語で言えばDemocratic Partyですか)の大きな政治集会が開かれました。今のイタリアのベルルスコーニ首相とは反対の政党の左派の政党です。ベルルスコーニ首相の政策への抗議集会ですね。イタリア中から賛同者が集まる大集会と聞いていましたし、家の近くのチルコ・マッシモで開かれるということもあり、興味半分見学に出かけました。

地下鉄B線ピラミデの駅前と、A線レプブリカの共和国広場の2ヶ所がデモ行進の出発点で、最終的にチルコ・マッシモに結集すると聞いていました。私はピラミデの隣の駅に住んでいるので、一駅地下鉄に乗り(「そのくらい歩けよ」とも言われますが・・・)、行進が始まる14時を少し過ぎた頃に着きました。いつもは車通りの激しい駅前の広場が・・・

政党の旗を掲げた参加者でいっぱい。

ピラミデっていうくらいですから、小さいですがピラミッドはちゃんとありますよ。

古代ローマ時代の遺跡だそうです。このモニュメントの裏には、外国人墓地(ノンカトリック墓地)があって、有名人のお墓もあるそうです。
ここも通行止めになってます。

ここからチルコ・マッシモまでは1Km位。旗を掲げた人々が、歌を歌ったり、音楽を流したりしながら歩きます。


私は興味本位の旅行者みたいなもので、列からはずれてついて行きました。デモ行進といっても、前日の大学や学校での抗議集会と違って、かなり穏やかなまるでハイキングのようなデモでした。確かにイタリア中から来ているようで、よく見るとグループごとに自分の町の名前を掲げて歩いていました。

私はデモの最前列について行ってしまったので、チルコ・マッシモに到着したときには、まだ人が少なく・・・。

ステージ近く部分。


後ろの方。風船がいっぱいで、お祭りみたいですね。

チルコ・マッシモもまた古代ローマ時代に遡りますが、当時の一番大きい競技場でしたから、(今はただのだだっ広い広場ですけれど)かなりの人数を収容できるスペースがあります。向かい側の丘はパラティーノの丘で、丘の上の宮廷(遺跡が残っています)からローマ皇帝は競技を眺めたのですね。

今までに私はスティングのコンサートと、サッカーのワールドカップでイタリアが優勝した際に、この広場が人で一杯になったのを見ました。ただただ凄いです。

これだけ人が集まるのですから、警備も厳重?おしゃべりに忙しそうに見えましたけど。


行進の人々が全て到着するまで、ステージの上ではコンサートが催されていました。私はもっと後に来るんだったと後悔しながら、1時間ほどぶらぶら。

ステージ近くに人がこの程度集まったところで帰ることにしました。この日はかなりの夏日で、帰ってジェラートを食べようという誘惑が頭の大部分を占めてしまいました。

歩いてきた道を逆行したわけですが、デモ行進の列はまだ続いていて、ピラミデについてもまだこれから出発するグループでいっぱい。

家でテレビを付けると生中継をやっていました。集会が始まり党首のヴェルトロー二さん(前ローマ市長、首相の候補者でもありました)の演説が始まる頃には、チルコ・マッシモは隙間なく人で埋まっていました。(これを目で見たかったんだけれど・・・)。2,500,000人集まったそうですよ。

ジェラートを手にテレビで演説を聴いていましたが、おっしゃることはごもっとも、この集まった人々が本当に心からイタリアを改善しようと思ったら可能なんじゃないかなあとは思いましたが、実際は半分お祭りみたいで、この機会にローマを見に行こうじゃないかなんて人が大半なのではという印象を正直受けてしまいました。
ダニィも「政党の支持者もサッカーのチームのファンと同じだよ」とのこと。

この皆さんが、政府がこうだからできないって文句を言っているだけじゃなくて、それぞれの仕事場などで、それぞれがちょっと真面目に、そして「賢く」働いてくれれば、そこからでもイタリアは改善すると思うんですけれど。