あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

白いハエ

2015-04-15 17:37:25 | おもしろいイタリア語
夫ダニィのことを話すとき、どうしても「サッカー狂でね~」というのが外せません。ローマチームの試合があるときは何よりもそちらが優先。私なんてもう存在しないわけで。ダニィの実家は皆がそんな調子なので、これはもうきっと生まれる前にマンマのお腹の中にいるときから、もうすでに胎教として洗脳されてしまっているのだと思う。これではもう太刀打ちできない。

そんな話をすると皆が皆「イタリアでは仕方がないよ」という、イタリアでは完全に受け入れられている現実のようです。でも不思議と自分はそうじゃないんだけどね、という答えが返ることが結構多いのです。ダニィも他では、自分はそれほどじゃないけどね、とか言っているんじゃないかと疑います。

というわけで、この前もそんな話題になったとき、相手の人が、私はサッカーには興味ないんだけどね、"Sono una mosca bianca. (私は白いハエですよ。)"と言いました。「なんで白いハエなんですか」と聞くと、「ハエって普通黒いでしょ。白いハエはいないから、唯一とか珍しいっていう意味だよ」と教えてくれました。

私はあまり珍しい人でもないので、使う機会なく・・・。

今年の復活祭

2015-04-14 23:55:58 | イタリアのこと
またしても長らくご無沙汰しました。書きたいことはたくさんあるんですけれど、歳と共になかなか頭がまとまらなくなってきます。また少しずつ続けたいなという気分になっていますが、いつまで続くことやら。

今年も少し前に復活祭(イースター)がありました。イタリア語ではパスクワと言いますが、パスクワがくると春が来た気分になります。キリストの復活のお祝いなため、日本では一部の人にしか関係がありませんが、キリスト教国イタリアでは重要な祝日です。とは言っても、宗教色はだんだんと薄れて、家族、親戚で食卓を囲む日といった感じに見えます。

今年は夫の実家でのイースターランチに参加しました。参加率は悪く、不思議な顔合わせのランチでしたが、大人数の集まりが苦手な私には丁度よく。この家族で信仰心が強いのは夫の父親のみで、なんとも早口言葉のようなお祈りを捧げランチが始まります。地方色の強いイタリアは場所によってお祝いの食卓の内容も変わるのでしょうが、ローマでは子羊の肉やカルチョーフィ(アンティチョーク)を食べるようです。夫の両親も高齢になり、だんだんとお祝いも簡素化、いつもは派手に包装された大きな卵型チョコレートが必ずあるのに、今回はそれも目にしませんでした。イースターと言えば、子供の頃通っていたプロテスタントの教会学校でゆで卵に色づけをした思い出ですが、イタリアではもっぱらチョコレートです。中にプレゼントが入っているびっくりするほど高額なものもありますよ。

そしてこれもイタリアに来てから知ったことですが、普段は甘いもの(ビスケットとか菓子パンとかケーキなど)しか食べないイタリアの朝食もこの日だけは甘くないのです。茹で卵にソーセージ入りのパン、サラミなどを食べます。今回ご紹介したいのがこれです。私たちは頼まれて持っていきました。



夫の家ではCasatielloと呼んでいましたが、呼び方も色々あるようです。もともとナポリのイースターの食べ物だそうですが、ベーコンやサラミやチーズの入ったパンといった感じでしょうか。上にぼこぼこでているのは殻つきの卵です。日本には調理パンなるものが色々ありますが、イタリアでは普通はこういうパンはあまり見かけません。パンは日本人にとってのご飯のような役割がメインだからでしょうか。このCasatiello、なかなかおいしいのです。普段から売ってくれるといいんですけれど。

パスクワは日曜日ですが、翌日の月曜日はパスクエッタ(小復活祭)と呼ばれて祝日です。「何の日か」と聞くと、「ピクニックをする日」との答えが返ります。本当はキリストのお墓にやってきた女たちが、天使とそこで会うという日の祝日のようですが、実際には春の連休を楽しむものになっているのですね。