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あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

渚にて On the beach

2012-12-04 23:59:46 | 映画
東北の震災から少し経った頃だったと思いますが、父から観るようにと送られてきたDVDがありました。それがこの映画「渚にて」なのですが、2時間以上の大作でなかなか腰を据えて観るチャンスがありませんでした。今日のローマは一日中雨のまさしくDVDを観るに絶好の日となったので、雑誌などと一緒に積み重なってたこのDVDを取り出してきました。

DVDの裏に書かれている映画の説明はこうです。

渚に静かにしのびよる人類最後の日 スタンリー・クレイマー監督が描く地球の終末―。
1964年・・・

ネビル・シュートの小説をもとに1959年に製作されたアメリカ映画です。最初から最後まで同じような静かな雰囲気のままなのですが、内容はかなりどきっとするものです。時は1964年、私自身もまだ生まれていなかった時代が背景ですが、それからほとんど50年も経つ現在でも映画の伝えるメッセ―ジが十分に有効な映画がどれくらいあるでしょうか。映画の作られたのが1959年ですから、当時は未来のことを描き、予測される危険に対しての警鐘を鳴らす目的だったのでしょうが、その1964年も世界は映画のような間違えは犯すことなく、いまだに生き延びている私たちではありますが、この映画の鳴らす警鐘はまだまだそしてさらに激しく鳴り続けなければならない時代にあるのではないでしょうか。。

カンヌ映画祭@ローマ

2010-06-15 23:29:24 | 映画
もう終わってしまいましたが、6月4日から10日まで"Le Vie del Cinema da Cannes a Roma"と題して、第63回カンヌ映画祭の参加作品を5か所の映画館で上映していました。毎年あるんですが、ダ二ィが興味のあるのを2、3本見ます。期間中5本見る毎に1本無料で見られます。1週間にそんなに見られたものではないですよね。

あ、ところで国際映画祭で最も古いのはどこのだと思いますか?テレビのクイズ番組でやっていたのですが、四択で1カンヌ映画祭、2ヴェネチア映画祭、3ベルリン映画祭、4ローマ映画祭でした。ローマの映画祭はまだできて新しいのは私も記憶に新しいところ。まあ、カンヌかヴェネチアかというところかなと思いましたが、カンヌの方がよく聞くような気もして、「カンヌじゃないの?」と言っていたら、正解はヴェネチアでした。ヴェネチア映画祭は1932年、カンヌ映画祭は1946年に初めて開かれました。

さて、今回私たちが見たのは"Bi、Dung So!(Bi, Don't be afraid!)というベトナム映画(フランスとドイツとの合作)と"Tamara Drewe"というイギリス映画を見ました。

ベトナム映画の方は、Biという6歳の少年とその家族(両親、叔母、祖父、家政婦)の物語。少年Biの幼い視線から見た世界とは別の大人の世界。離れていた祖父があるとき病気で息子の家に戻ってくる。Biの母親は祖父の介護に徹し、父親は自分の父親を避け、家を避け、マッサージ屋に入り浸る。独身の叔母はずっと歳下の(高校生くらいかな)男子生徒に恋をする。日常生活の中のそれぞれの感情の動き、悲しみ、寂しさ、葛藤などなど、日本でもありうる家族の姿が、ベトナムという場所でその地の風習などを背景に、なかなかよく描かれている映画だと思います。やはりアジアの国だけあって、共通する部分があるなあと思ってみたり、ここダ二ィはどう理解しているんだろうと思ってみたり。

実際、ダ二ィの感想は、テンポが遅過ぎ・・・とのこと。もっと期待していたと。確かにイタリア映画って、セリフもやたら多いし、テンポも速くて、常に何かが起こっているというものが多くて、私的にはなんだか薄っぺらいように思ったりするものも多いんですが、この「間」が大事なんだよ~というところがどうも共通の理解がないような気がします。
だいたいカンヌ映画祭系は、ダ二ィにはあまり向いていないかも。

先日も昨年のカンヌ映画祭の参加作品"Les Herbes Folles"(フランス映画)を見た時もです。「ちょっと期待はずれ」と途中こっくりこっくり。「87歳の監督(アラン・レネ)の作品だよ~」と見ようと言ったのはダ二ィのくせに。

ストーリーは主人公の中高年の男女が、財布をなくした、財布を拾った、というところから接点ができ、最初男がストーカー的に女をつけまわすのだが、警察に頼んでやめさせてもらった途端、今度は女の方がストーカーになるという、なんとも異常行動の二人の話。女は中年の独身だが、男には妻と成人した子供がいて、もやは定年を迎えているという歳。男は家族にも女のことを隠すでもなく、女も平気で男のうちに電話をしたり妻と話をしたりする。女は飛行機の操縦資格を持っていて、最後は男とその妻と3人で飛行中の事故で飛行機が墜落していくということを暗に示しながら終わる。正直「え、どうなっちゃったの」というところで終わってしまう。

最後は、飛行機がどんどん低空飛行になっていくのを一緒に味わうかのような目線になっていくのですが、最後の最後のシーンが、母親とベッドにいる子供の場面になり、子どもが何かを言って終わるんですが、その言葉たよくつかめなくて、どうも消化不良の後味になりました。眠いダ二ィはそんなことも気にしてないようで。

フランス映画の中に時々「あれ、どうしてここで終わるの」っていうものがあるじゃないですか(そう感じるは私だけ!?)。私のカテゴリー的にはそのタイプの映画。でもなかなか味のある映画で面白かったですけどね。なんでもかんでも説明されちゃっているわかりやすい映画よりもなんとなく「おしゃれ」って私には感じるみたいです。

ところで今年のカンヌ映画祭@ローマに戻りますが、二作目の鑑賞作品は、"Tamara Drewe"というイギリス映画でした。これは、やれやれ、ダニィも満足。

イギリスの田舎の村に、昔は鼻が大きいせいでブスだとからかわれていたTamaraが何年もたって、鼻を整形し見違えるほどの美女になって村に戻ってくる。そのため村の男たちの態度が変わり、彼女がインタビューした人気ロック歌手が村にやってくるなど、静かな村に騒動が起こる。ロック歌手の熱烈なファンの女子高生によるいたづらで、人間関係はさらに複雑になり、騒ぎが進むにつれ、ブラックコメディー化が強まる感じ。

昔2年間ほどスコットランドにいたことがあって、イギリス映画はどれを見ても、キッチン用具や食べ物を見ているだけで懐かしくて楽しめてしまうのですが、この映画もとてもイギリスだなあって雰囲気いっぱいです。イギリスお得意のブラックユーモアがさりげなくちりばめてある感じで、単純に楽しめる映画だと思います。

日本で公開されるかどうかわかりませんが、わざわざ見に行くとすれば・・・Tamara Dreweがお勧めかな。最初の二つはどうも意見が分かれそう。

Il Missionario

2010-02-09 19:23:57 | 映画
イタリアでは2月19日より公開のフランス映画(原題"Le Missionnaire" 2008)の試写会を見に行きました。

ダ二ィは13歳と10歳の姪、甥も誘っていったので、お子様向きなのかなあとあまり期待していませんでした。そしたら、「18歳以下は見られません」の表示が。インターネットで色々読んでいたダ二ィは、そんな映画では絶対ないと係員とかけあっていました。実際列に並んでいる人々の中には子供が大勢いたんですよ。どうもまだ公開されていない映画は、検閲過程が済んでいなかったりで、その場合に取りあえず年齢制限をつけておくのだそうです。試写会をやるならきちんと準備しておいてよ、というところなのですがね。

さて、この映画。強盗の罪で7年間の刑務所生活後に出所した主人公のマリオは、カトリックの神父である弟のパトリックを頼り弟の教会にやってくる。刑務所から出てきたものの、マリオには口をつぐんで隠してきた宝石がある。そのために昔の悪仲間が分け前をねらっているのだが、彼らからの隠れ場所として弟のパトリックは、辺鄙な山の中の村にある教会のエティエンヌ神父のところに取りあえず身をひそめるようにとすすめる。

ところがこの村にやってくると、エティエンヌ神父はちょうど亡くなったところだった。村人はマリオが新しく派遣されてきた神父だと思いこみ村をあげての大歓迎する。そこで起きる出来事の中で、マリオは神父として村人のヒーローにすらなっていく。その反対に弟のパトリックは兄の代わりに宝石をマフィアのボスに売りにいくという役目を与えられ、大金を手にすることで、神父の服を脱ぎ捨て、俗世界の快楽の世界に酔いしれるはめに。

・・・と全く馬鹿げたストーリーではありますが、とにかく笑えます。

ちょっと見てみてください。フランス語ですが、雰囲気はつかめそう。ここから

ダ二ィはstupidoとか言ってましたが、私は結構好きですけどね。日本ではやらないのかな?

The Swell Season コンサート

2010-02-08 02:15:57 | 映画
もう数年前になりますが、"Once"という映画を観ました。邦題は「Onceダブリンの街角で」というらしいですね。短くて、素朴な感じの映画でしたが、音楽も素敵で、優しさに包まれたストーリーもじーんと心にしみた記憶があります。このThe Swell Season、主役2人 グレン・ハンサードとマルケタ・ルグロヴァによるデュオなのです。

ローマのイベント情報誌でこのコンサートのことを知り、ダ二ィが映画を気に入っていた私のためにチケットをゲットしに行ってくれました。この映画の中の曲"Falling slowly"はアカデミー賞も受賞しているし、あの映画を気にいった人も私だけじゃなくたくさんいただろうから当然なのだろうけれど、私たち二人が並んで座れる席はもう残っていなかったのだそうです。それでもチケットがとれてよかった。
最終的には、二つ並んで空いている席を見つけたんですけどね。照明が消されると空いている席には移って構わないんですよ。

コンサートはグレンのギターとマルケタのピアノとバンドメンバーの構成。演奏も二人の声もとても素敵なのですが、グレンの話がこれまた楽しい。イタリアでの公演なので、時々イタリア語の単語を入れてみたりしながら、わかりやすい英語でユーモアいっぱいの話し方は常に拍手喝さいでした。笑いをとるだけではなくて、何かそこに温かい優しさを感じさせてくれるのは彼の人柄のせいでしょう。映画でもそれが成功のもとだったと思います。

コンサートにやってきた人たち、当然オスカー受賞の曲を楽しみにしてきてますよね。そこでまあ策は見え見えではありましたが、その曲をやることなく「今日はありがとう。さようなら」と舞台袖に消えて行きました。アンコールの拍手がしばらく続き、再び現れたのは当然グレンとマルケタの二人。お待ちかねの"Falling slowly"他映画の曲。盛大な拍手がわきました。"one two three"とグレンがマルケタに向かってカウントしているのが聞こえ、映画のときのようで素敵でした。

映画はタイトル通り、ダブリンの街角で撮りました、というような出来上がりです。お金もかけず、特別なものも何も使わず、本当に日常の出来事をカメラに収めただけという感じの映画です。その日常の中で音楽を通して出会った二人が恋に落ちていくわけですが、それぞれに別の道を進まなくてはならない現実がある。お互いの気持はわかりながらも、別々の道に進む二人。それでもその寂しさが、最後までさりげない優しさに包まれていて悲しく終わらないのが素敵なのです。

最近のイタリア映画は、始まって5分で最低キスシーンがあったり、浮気が頻繁にでてくるし、すぐにくっついたり離れたり、つまり「純愛」的なものが少ない。そんなのばかり観ることが多いと、目だけで気持を伝えるような愛情の表わし方がとても美しく感じてしまう。日本人向きでもあるのかもしれないけれど。


でも音楽って危険かもしれないですね。音楽のレッスンなんかを受けると、音楽に酔わされて相手が素敵に見えてしまうこともあるかもしれない。音楽はそんな魔力を持っているとは思いますよ。とにかく、この映画「Onceダブリンの街角で」とーってもお勧めです。
Falling slowlyも聞いてみてください。こちら



Le Concert

2010-02-04 18:50:40 | 映画
久しぶりに「良かった~」という映画を見ました。ローマ国際映画祭の時に大好評だった作品を、Auditoriumでやるからとダ二ィがチケットをとってきました。イタリアではそろそろ一般の映画館でも公開されるようです。ポスターはよく見かけていて、ポスターからもなんだかいい感じを受けていた映画でした。

旧ソビエト政権下でボリショイ交響楽団の指揮をしていたアンドレイ・フィリポフは今はコンサートホールの掃除婦。30年前、オーケストラからユダヤ人の演奏家たちを追い出すというブレジネフの命令に従わなかった楽員たちは仕事を失い、今はちりじりにその日暮らしを送っていた。ある日、掃除中のアンドレイがコンサートホールの中のオフィスを掃除しているときに、ちょうと届いたファックスが目にはいる。それはパリのシャトレ劇場からのコンサートの依頼だった。そこで彼はもう一度仲間を集めオーケストラを再結成しようと策を練る・・・

ストーリーはとりたてて変わったものではありませんが、ロシア人、フランス人、ユダヤ人そしてジプシーたち、彼らの特徴がコミカルに表わされていて、ついつい微笑んでしまう場面が盛りだくさん。そして音楽!ちょっと最後は大好きな「のだめカンタービレ」を思い出してしまう感じでしたが、やはり美しい音楽は効果抜群でしょう。

映画監督のRadu Mihaileanuは、ルーマニアのブカレストに生まれ、チャウシェスク政権のルーマニアから逃れてフランスに移住。マルコ・フェレーリ監督の下で助監督をしながらキャリアを積んでいきました。

映画の上映の後にこの監督の会見が行われました。入ってきた監督はちりちりの髪にひげぼうぼうといった風。「1958年に生まれました」と説明されると横から「だから今は24歳」と始まった会見は最初から最後までユーモア感溢れるものでした。笑いの絶えない約45分は大喝さいで終わりました。

ユダヤ人の父親の迫害人生を語った後(これがユダヤ人をテーマにする基礎でしょうね)、
マルコ・フェレーリ監督とのエピソードについて語りました。移民の彼を最初運転手として雇ったそうです。その後共に働くようになり、助監督として映画を一緒に作るようになった今も運転手の仕事は変わりなくしているそうです。フェレーリ監督に、「自分も自分の映画を作りたい」と話すと、「君は最悪の監督になるよ」とそれ以来何度も言われたんだそうです。

これはどうも有名な話のようなのですが、日本でも好評だったロベルト・ベ二―二監督の”Life is beautiful"はRadu Mihaileanu監督の"Train de vie"(1998)からの盗作だと何度も話題にされていました。それに対してyesともnoとも言っていませんでしたが、この作品の制作にあたり、ベ二―二監督に協力を依頼し、そのときに脚本を見せたのは本当のようです。私はこの"Train de vie"という作品を見たことがありませんが、ダ二ィは確かにとても似ているし、ベ二―二がアイデアをとったのは本当だと思うと言っていました。

何人かの質問を受けた後、最後に一番前に座っていたおじさんがマイクを握りました。そのおじさんもルーマニア人のユダヤ人で、映画の中にユダヤ人のスピリットを見たと感謝の言葉を述べていました。日本人の私にとって、ユダヤ人の歴史も、共産主義のことも、やはりイメージの理解のレベルです。笑いを誘う場面の多いユーモア溢れるこの映画も、見る人によってはまた違う深いところまで感じ取れるものがある作品なのでしょう。

日本では「オーケストラ」という題でゴールデンウィーク公開のようですね。是非お勧めです。オフィシャルサイトかな、フランス語ですが、のぞいてみては?こちら

L'Ospite Inatteso

2008-12-04 09:51:34 | 映画
映画の試写会にCinema Barberiniに行きました。招待状には21時からとあってもまず時間通りに始まることはありませんが、この日は会場に入るなりノリのいいリズムが聞こえてきました。


スクリーンの前で二人の黒人の方が打楽器を叩いていたのです。(いつものごとく写真がぶれてます・・・。)私は楽器に詳しくありませんが、アフリカの打楽器だそうですよ。映画の前にこういうのも珍しいですね。

さてこの晩の映画は"L'Ospite Inatteso"でオリジナルタイトルは"The Visitor"というらしいです。(Thomas McCarthy監督、2007年USA)
大学教授のウォルター(Richard Jenkins)は妻を亡くしてから、教えることにも、本を書くことへも情熱を失い、自分の中に引き篭もるようにしてコネチカット州で暮らしていたが、ある会議への出席のために久し振りに訪れたニューヨークの自分のアパートで出会うことになるシリア人のトレクとその彼女セネガル人のザイナブによって何かが変わっていく。トレクはアフリカの打楽器奏者で、ウォルターは彼から叩き方を教えて貰う内に彼らの間に友情が芽生え、またこの楽器への情熱が生まれる。しかしトレクとザイナブは不法滞在の身で、見つかることを恐れながらの生活を送っている。そしてある日トレクが警察に連行されてしまう。少し前まで全くの他人であったトレクを助けようとするウォルター。そこへ息子を懸念してやってきた母親のモナとの心のふれあい。104分という短い映画なのですが、とても心温まる映画です。

 なんとも心温まりそうじゃないですか?

外国人として暮らしていると、滞在許可の問題は身に染みて感じられるもの。私も何度もこちらで移民局に足を運んでいますが、いつ行っても気分のいいところじゃありませんね。日本人であることはかなり得はしていると思いますが、なんだか気の毒そうな人々もたくさん来るわけで、とても悲しい気分になります。移民局の人々の対応も大概が意地悪っぽく、何も悪いことをしていないのに何でこういう威圧的な態度を受けなきゃならないの!といつも怒っての帰り道となります。

この映画もそういう悲しい部分を扱っていますが、かなり美しく描かれていると思います。現実はそんなものじゃないなとは思いましたが、お薦めの映画とは思いますよ。機会があったらご覧あれ。

Hurt Locker

2008-10-27 09:14:36 | 映画
映画オタクのダニィとの生活では1週間にほぼ7本の映画を見ます。毎日1本と決めているわけではありませんよ。つまり見ない日があっても、2本以上見る日もあるので、結局1週間に7本は見ているんじゃないかなということです。
結果的に私も映画が趣味のような生活になっているので、もっと映画紹介ができたらと思うのですが、やはりローマ生活のことも書きたいしとなると、映画の方はなかなか手がつけられません。でも最近良い映画をいくつか見たので紹介したいと思います。

今回はまずこれ、"The Hurt Locker" (監督キャスリン・ビグロー 2008年 アメリカ)というイラク戦争映画です。フィクションですが、ドキュメンタリータッチの映画です。イラクの戦場を舞台に、仕掛けられた爆弾を解体したり、爆破処理をする爆発物処理班の死闘を描いたもの。

映画の大半は、死に直面した作業での兵士達の張り詰めた精神状態の場面です。見ている方もじっと座って入られない緊張感が続きます。そんなぎりぎりの精神状態の生活で、兵士達の心の動き、彼らの間に芽生える信頼感、友情なども表していますが、やはりそれ以上に戦争というものの愚かさを訴えている映画です。

そうは思いながらも、ニュースで聞く程度ではやはり遠くの地で起こっていること。爆弾で何人が死亡と聞いても、その人々、一人一人に命があって、それぞれの人生を歩んでいたところまでなかなか考えませんよね。外国から送られている兵士達もです。

爆弾を体に巻きつけて自爆するテロリストなどのことをイタリアではカミカゼと呼ばれていて、よくニュースでも耳にします。自分の国の言葉がそういうところに使われているのはいい気持がしませんよ。ところでこういう人々は自分から望んで、自分の正しいと信じることのために命を捧げているのかと思っていました。ところがこの映画の最後の部分で、爆弾を体に巻きつけた中年の男性が登場するのですが、彼は自分には家族があって、子供たちがいて、どうか助けてくれと泣き叫んでいるのです。体に取り付けられている時限爆弾は、切ることのできない頑丈な錠前がつけられていて、最後の最後で救うことができずその男性ごと爆発します。つまり望んでいないのに無理に取り付けられたのですね。現実は、無理やり押し付けられたり、金銭的なことの解決や何かと引き換えのために命を差し出している人々がいるということでしょう。この場面にはかなり心が痛みました。

主人公のチームリーダは仕事の任期を追え、アメリカに帰国しますが、そこで異常なほどに物に溢れるスーパーマーケットを見て愕然とします。そして結局戦場に戻ることを希望します。戦場という異常な体験をした人々は、帰国してももう以前の生活には戻れないのでしょう。"War is the drag"という言葉が出てきますが、体験していない私たちにはわかりづらいですね。

今こうしている時も死に直面している人々がいるのですよ。指をちょっと切ったって痛いと騒いでしまいますが、足が一瞬にして吹っ飛んでしまうことが日常で起こる中で暮らしている人々の恐怖はどんなものでしょう。

戦争は愚かだとわかりながら、結局は今もどこかでは存在している。人間は基本的には争いが好きなんじゃないかな。こういう映画を多くの人が見ることによって、少しでも回避される方向に向かうといいのですけれど。

日本公開は2009年とインターネットで見たような気がしますが、是非お薦めの映画です。

Mamma Mia!

2008-10-02 06:22:03 | 映画
相変わらずMamma mia!なローマ生活を送っていますが、今回はそれはさておき映画"Mamma Mia!"の試写会に行って来ました。

ミュージカルの"Mamma Mia!"は知らないし、ミュージカル映画もあまり好きじゃないし、体調もいまいちだし、と期待もなく連れられるままに行った試写会でしたが、それがなんとも楽しい映画でした。

ストーリーはいたって単純。ギリシャの島に住む結婚を控える母子家庭の娘が、母親の日記を盗み読みしたことで、自分の父親の可能性のある母親の昔の恋人達を結婚式へ招待する。何も知らない母親と3人の昔の恋人達、そして友人や島の人たちをも引き込んで繰り広げられるドタバタ騒ぎを、ABBAのヒット曲の数々にのって進んでいく歌って踊ってのノリノリのコミカル映画です。そして最後は・・・。

主人公の母親役にメリル・ストリープ、その他にもピアス・ブロスナンやコリン・ファースなどキャストも豪華です。確かにストーリーは馬鹿げているほどですが、俳優たちが口パクではなく、実際にABBAのヒット曲メドレーを歌って踊るのはなかなか見ものです。もちろん歌手ではないので、歌唱力はパーフェクトではないにしろ、あのメリル・ストリープにはこんな技量があったのかと驚いたほど。

映画を実際に撮影したのがどこなのかは知りませんが、背景となるギリシャの島も海もこれまた美しいのです。

しばらくは頭の中にギリシャの島と"Dancing Queen"が流れ続きそうです。ローマでは10月の初めに劇場公開のようですが、日本ではもう公開されていたりするのかしら?単純に楽しめるお薦め映画と思いますがいかがでしょう。

映画"Mamma Mia!"のオフィシャルサイトはこちら
YouTubeもご参照を。

Giu' Al Nord

2008-09-26 00:23:42 | 映画
「びっくり映画会」に参加しました。映画が始まるまで何の映画を観るのかわからない。アンケートなどもあるので、一応試写会への招待ということなのでしょう。
アートギャラリーや骨董品屋が並ぶ、そして映画「ローマの休日」のアパートが実際にあるおしゃれなVia Marguttaに会場があるとのこと。なんとも「びっくり映画会」らしい。

さて、イタリア語のタイトルは「北の果てで」といったところでしょうか。原題のフランス語タイトルは"Bienvenue chez les Ch'tis"(監督Dany Boon 2008年フランス)で「シュティの地へようこそ」というような意味になるらしい。
シュティというのは映画の舞台となるフランスの北部の人たちのことだそうです。映画ではよそ者には理解できないような方言を話す人々として映画の笑いとりの役割を担っていました。私が見たのはイタリア語吹き替えなので、実際フランス語での笑いとはちがったものになっていることでしょう。日本語になれば、東北弁かしら?

郵便局勤めの主人公が妻の為に転勤を希望するが、意に反して北部の町へ郵便局長として移動を命じられる。妻にとっては北部行きは地獄へ送られるようなもの。単身赴任を決め、いやいや赴任していく。ところが彼を待っていたのは、強い方言を話すホスピタリティいっぱいの人々との愉快な生活でした。
夫が北の地で苦しい生活を送っていると信じる妻は以前よりも夫に優しくなり、主人公は妻に新地での楽しい生活のことが言えないでいる。
ところが妻が町にやってくることになり・・・。
ほろっとくる場面もあったりで心温まる映画です。

フランスではこの映画が記録的な大成功を収め、映画館には長蛇の列が続くというのを読みましたが、正直う~ん、そこまでフランス人受けするのはなぜだろう?と疑問に思いました。
確かに心温まる気持のいい映画だとは思うのですが、とても軽い映画で、どこかで見たような~風でもあります。はてさてフランス語で観るともっと奥が深いのかしら?それとも最近のフランス人が求める何かに触れるものがあるのかも。
イタリア語ではもう吹き替えになっていたので、きっともう上映予定があるのでしょう。日本には上陸するかしら?方言部分の訳が問題でしょうね。お笑い部分は、やはり外国語では失う部分が大きそうです。

慣れの効力

2008-08-30 20:40:21 | 映画
最近特に思うことなんですが、人間の慣れって凄いですね。同じものを見ても、何度も見た後には見え方が違ってきたりする。「住めば都」っていうけれど、これも慣れの効力のお陰でしょうね。反対に最初は素晴らしかったものが、何度も見ると「こんなもの」になってしまったりもする。そんなわけで感動もだんだんとしにくくなっていくのが悲しいけれど現実です。

・・・とここで今回の話題は映画なのです。慣れの話をしたのは、今回も前回の「シャッター」に続きホラー映画だからなのです。小さいときに従兄弟たちに無理やり見させられた「エクソシスト」以来、怖い映画は一切見ないようにしてきたのですが、映画好きのダニィと生活している内に、怖い映画をちらほら横目で見る機会が多くて、ついに「慣れの効力」をこの分野でも体験しつつあるようです。
ただ怖いのは怖いので、写真は載せませんよ。

さて今回の映画は、イタリアでは"Descesa nelle tenebre",原題は"The Descent"、2005年のイギリス映画(監督ニ-ル・マーシャル)です。
主人公サラは冒険好きの女友達たちと急流下りに行った帰り道に、車の事故で夫と小さい娘を失う。(事故もちょっとホラーっぽい。)その1年後、そんな彼女を元気づけようと友人達が洞窟探検という冒険旅行を企画する。ガイドブックに載っている洞窟への探検のはずだったのだが、仲間の一人がわざとまだ未踏の洞窟に案内する。ガイドブックや地図は車の中に置いたまま。
そうして開始した洞窟探検。真っ暗な細い穴の中を進んでいく6人の女性。それだけでも息苦しいのですが、そんな最中に土砂が崩れ、戻る道がふさがれてしまう。地下3000メートルの暗闇に閉じ込められた6人。出口を探して前に進むしか道はなく。恐怖でパニックし始める彼女たちを待っていたのは、人間をも食べてしまう謎の生き物。

さて、暗闇の中でぬるぬるとした人間の姿に似た生き物たちとの格闘を「怖い」と感じたのは最初だけ、だんだんと「気持ち悪い」だけの感覚の方が強くなっていきました。生きたまま体を食べられてしまうというのは想像を絶する気持ち悪さです。そんなところに置き去りにされる恐怖というのも確かにかなり怖いですけれど。

それでも驚いたことにそんなに怖いと感じずに最後まで見終えたのです。この映画、結構賞なんかもとっていたり、高い評価を受けているように読んだので、見ごたえのあるホラーなのかと「私は見ない!」とつっぱっていたくらいでしたから、私って実は怖いの平気なのかしらと新たな自分発見に驚きです。

ただ日本製の怖い映画はまだ勇気がないですね。怖い感覚にも文化の違いがあるのでしょうね。2年前位だったか、ローマでアジアンフィルムフェスティバルかなにかのイベントで「悪夢探偵」という塚本晋也監督の映画をダニィに連れられて見に行きました。監督も上映前の挨拶に来るということで、結構イタリアにもファンがいるんですね、思ったより人が入っていました。これかなり怖かったです。最初の30分も見たか見ないかで私と一緒に行った日本人の友人はギブアップ。外のベンチでショック状態なままダニィと他の友人たちが見終わるのを待っていました。友人はこんな映画に誘われてかなり迷惑だったらしい。私もそうでしたが、その後その影響は数週間続くことに・・・ホントにごめんなさい。
ところで映画を見終わったイタリアンたちの感想は、確かに怖いけれど気持ち悪いという方が大きかったようで、私たちの感じる怖いとはなんだか受け止め方が違ったようですよ。

昨日ダニィがまた塚本晋也の作品をダウンロードしようとしているので、これは反対しておきました。