あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

La Girandola di Castel Sant'Angelo (2)

2010-06-29 17:50:31 | ローマの休日

昨日ご紹介したサンタンジェロ城の花火を見てきました。「え~たったの30分!」と思っていたわけですが、なかなか濃い内容でした。人出は凄かったものの、東京とは違い高い建物がないのでとてもよく見えました。昨年、ダ二ィを連れて隅田川の花火大会を見に行った時は大変でした。ビルの合間からしか花火が見えないので、見えるところを探して移動する人々にもみくちゃにされながらの鑑賞でしたから。それでも浴衣を着た人々も大勢いたし、飲み食いも楽しむ日本人の花火大会はダ二ィの目には興味深く映ったようです。

私達はサンタンジェロ城全体が見えるVittorio Emanuele II橋の上に陣取りました。本当は橋の反対側の歩道に行くべきでした。道路をはさんでいたので、大きなバスが通るたびに視界を遮られ、周囲の人もバスが通るたびに「止まるな~、早く行け~」と叫んでいました。
バスの中の人は止まって欲しかったでしょうね。

花火はミケランジェロの時代には到底あるはずのない高レベルのものばかりでした(笑)。
日本の花火も素晴らしいですが、ローマの花火はなかなか芸術的。30分間の光のショーという感じです。動画を載せたかったのですが、どうもアップロードの仕方がわからず・・・。来年の6月28日の夜、是非おでかけください。お勧めです。

La Girandola di Castel Sant'Angelo

2010-06-28 23:34:20 | ローマの休日

お知らせするのが遅すぎなのですが、今夜タイトルのイベントがサンタンジェロ城付近であります。6月29日はローマの守護聖人、聖ピエトロと聖パオロの祝日(と言ってもローマだけの祝日ですが)で、そのお祝いのイベントです。何があるかというと花火があがるわけなのですが、お城の上に花火が上がるようなので、なかなか美しいかも。

それに、ダ二ィが言うには、ミケランジェロがデザインした花火もあるのだとか。それは本当かどうかわかりませんが、史実的にミケランジェロがこのお祝いイベントに関わったことはあるようです。

面白ければまたレポートします。来年もまたあるでしょうから。去年も確かありました。ダ二ィが同じく「ミケランジェロの花火」と言ってたのを覚えています。どうも行った記憶はないのですが。

サンタンジェロ城付近。21時半~22時(30分だけなのね・・・)
詳しくはこちら

Forza Giappone!!!

2010-06-25 08:13:46 | ローマの平日
万歳、にっぽん!また勝ちましたね。それも3点も入ったから、本当に楽しい試合でした。
その前にイタリアは負けてしまって、まさかの一次リーグ敗退なんて結果になってしまったものだから、日本が進んでくれないとワールドカップももうつまらないなあなんて思っていましたから。サッカーのことはよくわかりませんが、インターネットで見ると日本は世界ランキング45位なんて出ていて、かなり希望薄なのかなあと思っていました。だとすると5位のイタリアは、前回の優勝国でもあるし、全く情けない結果を出してしまったことになるわけですね・・・。でも選手だって監督だって負けたくて負けたのではないから、テレビでこんなに非難されているのを聞くと気の毒になります。

ダ二ィはワールドカップの前のイングランド対日本の試合を観て、日本は結構いけるのではと思ったと実は最初から言っていました。なので「イタリアは負けちゃったけれど、私がいるからまだ日本が応援できて良かったね」と言おうと思いましたが、今日のところはやめておきました。
とはいえ、ローマチームが負けた時と比べると、全然がっかり度が違うんです。ローマチームの場合はしばらく口をきかなかったりするんですから。

こちらは今日は8時半からの試合でしたが、日本の皆さんは午前3時半からでしたね。応援された方々、おつかれさまでした。翌日は寝不足で大変。という私も時計を見たら、午前1時半。おやすみなさい。


ローマのごね勝ち文化

2010-06-22 19:57:41 | ローマの平日
この間お知らせしたヨーロッパ音楽祭のコンサートの一つが、うちの近所の博物館Centrale Montemartini (Musei Capitoriniの分館)であると知って、ぶらぶらでかけてきました。この博物館、とても小さいんですが、なかなか素敵な博物館です。いつか改めて紹介したいと思います。

さて、私達は30分前には着いていたと思います。入口前には既に人だかりができていました。いつも100%そうなのですが、イタリアでは(と言ってはいけないかもしれませんが、ローマでは)列はありません。人々が団子状の塊になっています。というわけで、後から来た人が、いつしか前の方にいたりするわけです。ローマで生まれ育ち、生きてきたダ二ィも当然動きがそんな風になるわけですが、メードインジャパンの私にはどうもそれが恥ずかしい。特に日本や異文化圏を旅行するときは、ダ二ィの服をしっかりつかんで列に並ばせています。そんなわけで、最近は私の教育に従い、ローマでも礼儀正しくなったダ二ィですが、やはりずるい人は受けいれられないらしい。周囲の人に「後からやってきて前にいる人がいる」とわざと大きな声で言っている。周囲の礼儀正しい人々は、もう慣れているよというように肩をすくめています。確かにちゃんとしている人が馬鹿をみる世界では、正しい行いで損をしてしまうことがあるわけです。少しくらい損をしても、広い心を持っている人の方がカッコいいんだよとダ二ィには言っているのですが、やはり損はしたくないみたい。

ここ数日ローマは信じられないくらい涼しい日が続いています。イタリアの北の北の方は雪も降ったというから、イタリア中が変な気候なんでしょうね。そんなわけで夕方外で待つのは、結構寒かったりしました。なのに予定の時刻がきても入口は開かない。

まあ、それでも入り口の開く瞬間はやってきました。ところが塊の3分の1の人が入場したところで止められてしまったのです。誰かが「140席しかないらしい」というと、突然塊に緊張感が漂い始めました。人々が一斉に、まるでラッシュアワーの電車の入り口に押し入るように、入口に向かったのです。さすがは生粋のローマっ子、ダ二ィも入り口のかなり近くに陣取っていました。
それからも数人は中に入って行ったのですが、「残念ながら席はなくなりました。お帰りください」というような係り員の声。

ところがです。前の方の数人が「だめだってえ」と去っていくのを見たものの、大半の人は入口のところにへばりつき、係り員に向かってごね始めました。何人かが「私に任せて」というように交渉しています。そうしている間にも、どうやら知り合い関係の人々は中に入っているようでしたし、誰かが「上からこっそり入っていった人もいる」などとも言っていましたから、早くから来て順番を抜かされた人には確かに理不尽もいいところです。

そうしてまた30分ほど経過。私はダ二ィに「もう席がないっていっているのに、こうしていて意味があるの」と服の裾を引っ張っていると、「黙って待っていな」との返答。私は例のごとく「日本だったらね~~、なんで整理券配らないのかね~~、いっつもこうなのに、どうして学ばないかいね~~」と独り言をつぶやいていると、突然列が動き出し、私も中に押し入れられていました。

日本ならダメはダメなんでしょうが、ここではそこからが本番なんでしょうね。ごねて、その結果柔軟に対処される。そういうのが習慣みたいなものなんでしょうね。そして皆そのことを当たり前に知っている。だからその場をすぐに立ち去らない。

確かに数年前にアリタリアでスペインに行こうとしたときに、ごね勝ちをしたことがあります。コンピュータの故障か何かで出発前に飛行機を降ろされ、乗客は「明日の便まで待ってください」とのアナウンスを受けました。大半の人は諦めてそこから消えてしまいましたが、私達ともう一組のローマ人カップルはアリタリアのカウンターの前でねばったのです。最初係りの人は「無理なものは無理です」とつっぱねていて、挙句の果てにはこちらが話しかけても無視という作戦。ところがです、最終的には他のスペインの航空会社の飛行機に乗せてもらえ、無事に一日損をすることなく出発できたのです。私は「係りの人怒っているよ」と不安になったのですが、むすっとしたまま別のチケットを出してくれました。

話は戻って、コンサート会場はまさに博物館の中。古代彫刻に見降ろされながらの鑑賞という感じです。席に座れない人々は床に座ることになりましたが、席に座れた人々もこの騒ぎで随分待ちされて、やはり整理券を配るなりなんなりした方が、結局全員にとって納得もいくし、時間通りに運ぶしと思うのがメイドインジャパンの意見です。それに展示品はガラスケースに入っているわけでもなく、手でさわれてしまう状態の会場なので、定員以上の人を入場させるというのは、本来なら危険なんじゃないでしょうか。係りの人も「展示品にもたれかからないで」と注意して回っていました。


始まる前のステージ。


彫像に見降ろされながら鑑賞するごねずに済んだ人々。

コンサート自体は、民族音楽っていうんでしょうか、変わった楽器と歌で、なかなか楽しいものでした。ミュージシャンたちも観衆が多い方がやりがいもあって、嬉しいでしょうし、結果としてはめでたし、めでたしかな。


写真ボケボケ。

というわけで、ローマでは「だめです」と言われてから、すぐに諦めて立ち去ってはいけないということです。値引きの交渉をするのが当たり前などという場合と同じで、「ごねる」が普通に習慣なんでしょうね。なので「だめです」と言われても、少し待ってみてください。誰かがごねてくれるかもしれません。ごねて、言い合っても、後で笑って握手しての人たちですから、そこはなかなかステキですね。現実、私にはなかなか難しいですけれど。

フリウリの旅 (3)~パパの生まれた家 2日目午後~

2010-06-22 02:31:32 | 旅~イタリア国内~
この旅のメインはダ二ィパパの故郷を訪ねること。私の父とダ二ィパパの間での約束でした。というわけで2日目の午後はスピリンベルゴからダ二ィパパの生まれた家を見に行きました。

この地方は昔はとても貧しくて、生活が苦しく、外に働きに出ていき、真面目なこの地方の人々はその後成功して故郷に戻ってきました。そして故郷を豊かにしたのだそうです。ローマでは考えられませんが、この地方は全てがきちんと整っています。町もきれいに清掃されているし、ゴミのポイ捨てなどあり得ない。町も住民も一体となって、自分の町をよりよくするように努力している姿が見られます。
ダ二ィパパはいつも「どんなに貧しいところから始まったか、想像もできない貧しさだ」と話します。

今もダ二ィパパの生まれたお家のある辺りは、ほとんど一面が畑です。それでも今はぽつんぽつんと立派な家が建っています。昔は本当に何もなかったんだそうです。

さて、こちらがそのお家。今は誰も住んでいません。隣にパパの従兄の家があって、きっと彼らが管理しているのでしょう。
昔はニ階に上がる階段は家の中ではなく外にあるのが普通だったそうです。貧しい貧しいって言うから、どんなあばら家かと想像していたら、なかなか素敵じゃないですか?





納屋かしら?

パパのお母さんは毎日畑仕事に出なければならなかったので、赤ちゃんのパパを毛布にくるんで木の上に落ちないようにくくりつけ、その下で犬が番をしていたという話を車の中で気聞きました。その木もちゃんとありました。(ほんとかいな?)
写真に入ってきたこのわんちゃんは何の番?

この日は天気が悪く、雨が降り出してきてしまい、長居はできませんでした。天気がよければ、ぼーっと座っていたような物語の中の世界の光景でした。裏には川も流れていました。

パパによると、この辺は水がどこよりも豊富で透明度も高いとのこと。それを見せたかったらしく連れて行かれたのがここ。



確かに水量が多くて、おまけに雨が強く降ってきたので、流れも早く、ちょっと怖い感じでした。なんとも言えない水の色。

そこで迎えてくれたのがこの子。



フレンドリーなのか攻撃的なのかよくわからない。

次に連れて行ってくれたこの川も、水量が豊富。透明度も確かに高い。



こんなかわいい橋も。やっと晴れてきました。



北イタリアの自然に大変癒されました。

Festa Europea della musica ~ヨーロッパ音楽祭~

2010-06-18 00:08:36 | ローマの休日
6月19日から21日までローマで音楽祭が開かれます。150ものコンサートがなんと無料!詳しくはこちらのページからプログラムを見てください。こちら
タイトルの下にscarica subito il programmaとあって、その下のイタリア語か英語を選ぶとプログラムを見ることができます。

私もこれから興味のありそうなコンサートを探します。(外国語で見るのって正直面倒くさいですよね~。)

夜イベントの増えるローマの夏がやってきましたね。
どうぞお出かけください!


やっとローマも???

2010-06-17 04:14:15 | ローマの平日
昨日の雨のせいか、今日はさわやかな晴れの日となったので、母に頼まれていたコーヒーメーカーを買いに行きました。実家にもイタリアンコーヒー用のコーヒーメーカーがあるんですけどね。水を入れ忘れて火にかけてしまったんだそう。私も実は二度ほどやってしまったことがあるんですけれど、プラスチックの取っ手部分が溶けてとれてしまいました。親子ですね。

私も今年の初めにそれをやって、ダ二ィがネットで調べていいと決めてきたBialetti(髭に蝶ネクタイのおじさんマークのメーカー)のDama Nuovaというモデルを使っています。取っ手がシリコンで出来ていて熱くなりにくく、熱で溶けない。クラッシックモデルよりも全体的にカーブがあってモダンな感じ。これ(Bialettiホームページより)です。もっとおしゃれなモデルもありますが、使い勝手もいいし、家庭用にはお勧めモデルです。

ダ二ィはそれをディスカウントショップで約半額で買ってきました。その時のセール品だったかもと言われたのですが、お天気も気持がいいし、ちょっと行って見てくることにしました。

さて、今日のメインの話はコーヒーメーカーではありません。今までも何度か触れてきていると思いますが、ローマの公共の交通機関はとにかく腹が立つことが多くて、出かける度にどの方法が一番嫌な思いをしなくていいかが私には重要になるわけです。このお店があるのは、Viale MarconiというTrastevere駅の近くから出ている道沿いです。私の家からだと、地下鉄でPiramideかCirco Massimoまで行き、そこからTrastevere行きのバス3番に乗るか、電車では隣がTrastevere駅。多分電車が賢いかもしれないのですが、電車の駅の方が地下鉄の駅よりも遠いこと、電車の時刻を確認して出てこなかったことから、地下鉄に乗ることにしてしまいました。

ホームに出ると反対方向のホームに新しい車体の地下鉄が停車していました。落書きもなく、どうやらエアコンも入っている。今までに2、3度は見かけたかな、でもきっと一台くらいしかないんだろうと思っていると、私側のホームにも新しい車体の地下鉄が入ってきたのです。地下鉄のA線はもうこのタイプの地下鉄が普通にあるのですが、B線の方は古く、ほとんど中が見えないくらいの落書き車がほとんでです。昨年も夏中エアコンなしの暖房地下鉄に、乗るたびに「どうしてこの暑さにエアコンがないの~~、日本ならね~~」を繰り返していました。今年はもう諦め気味で文句も言う気になれませんでしたが、この夏も覚悟だなとは思っていました。



B線落書き電車



結構上手だったり!?

やはりきれいな地下鉄は気持がいい。エアコンも効いている。今日はなんてついているの♪とPiramideで降りるのはもったいなくて、Circo Massimoまで乗りました。しかし、バス3番の停留所には誰も待っている人がいなくて、「もしや?」と思ったら、通過したばかりの3番バスの後ろ姿が遠くに見えました。やっぱりそううまくは行かないなあ。どうも3番はいつも待たされる、それもかなり。

ところでこの3番、待たされた挙句、一度に3台連なって来ることが多いのです。この2週間ほどの間に、3度もそういうことがありました。ちょっとこれって問題じゃないですか。ダ二ィにもいつも「運転手たちが始発駅で一緒にタバコを一服なんていって、おしゃべりしているうちに、おっと時間を忘れてた、で一緒に出てくるんだと思うよ。日本なら翌日の新聞に載っちゃうよ」と言っているんですが、そしたら先日他のイタリア人にもバス3番はいつも3台一緒に来るってこぼしてたら、その人も私と同じ説明をしてきました。ほら、やっぱり本当なんだ。

なんてことをバス停で考えていたら、不思議なことにすぐにバスが到着。それも一台で。そしておまけにエアコン入り。(今日は随分変な日だなあ・・・。)
終点のTrastevere駅に着くと、バス3番が5台も止まっていました。やっぱり、ここでタバコ休憩、3台一緒に出発するんだと目でも確認。

さて目的のお店のあるこのマルコーニ通りは、色々なお店の立ち並ぶショッピング街。家から距離的には遠くないんですが、交通の便がいつもネックなのです。車で来れば本当に近所なんですけどね。お店の場所はきちんと調べていませんでしたが、すぐにわかりました。コーヒーメーカーもちゃんとダ二ィの買ったときと同じ値段でありました。隣のコーナーではエアコンが売られていて・・・バスだけじゃなく、うちにもエアコンがないんだけどお・・・と眺めてきました。

そうそう帰りもバス3番はエアコン付きに、座席も獲得。そしてなんと驚いたことに、帰りの地下鉄も新しいタイプのものでした。とてもあり得なさそうだけれど、もしかしたら総入れ替えをしたのかな。でもこんな大観光都市ローマで夏中地下鉄にエアコンがないという方がどう考えてもおかしすぎですよね。ローマもやっと世界の都市の基準に少し近づいたのかな。だといいんですけれど・・・。

カンヌ映画祭@ローマ

2010-06-15 23:29:24 | 映画
もう終わってしまいましたが、6月4日から10日まで"Le Vie del Cinema da Cannes a Roma"と題して、第63回カンヌ映画祭の参加作品を5か所の映画館で上映していました。毎年あるんですが、ダ二ィが興味のあるのを2、3本見ます。期間中5本見る毎に1本無料で見られます。1週間にそんなに見られたものではないですよね。

あ、ところで国際映画祭で最も古いのはどこのだと思いますか?テレビのクイズ番組でやっていたのですが、四択で1カンヌ映画祭、2ヴェネチア映画祭、3ベルリン映画祭、4ローマ映画祭でした。ローマの映画祭はまだできて新しいのは私も記憶に新しいところ。まあ、カンヌかヴェネチアかというところかなと思いましたが、カンヌの方がよく聞くような気もして、「カンヌじゃないの?」と言っていたら、正解はヴェネチアでした。ヴェネチア映画祭は1932年、カンヌ映画祭は1946年に初めて開かれました。

さて、今回私たちが見たのは"Bi、Dung So!(Bi, Don't be afraid!)というベトナム映画(フランスとドイツとの合作)と"Tamara Drewe"というイギリス映画を見ました。

ベトナム映画の方は、Biという6歳の少年とその家族(両親、叔母、祖父、家政婦)の物語。少年Biの幼い視線から見た世界とは別の大人の世界。離れていた祖父があるとき病気で息子の家に戻ってくる。Biの母親は祖父の介護に徹し、父親は自分の父親を避け、家を避け、マッサージ屋に入り浸る。独身の叔母はずっと歳下の(高校生くらいかな)男子生徒に恋をする。日常生活の中のそれぞれの感情の動き、悲しみ、寂しさ、葛藤などなど、日本でもありうる家族の姿が、ベトナムという場所でその地の風習などを背景に、なかなかよく描かれている映画だと思います。やはりアジアの国だけあって、共通する部分があるなあと思ってみたり、ここダ二ィはどう理解しているんだろうと思ってみたり。

実際、ダ二ィの感想は、テンポが遅過ぎ・・・とのこと。もっと期待していたと。確かにイタリア映画って、セリフもやたら多いし、テンポも速くて、常に何かが起こっているというものが多くて、私的にはなんだか薄っぺらいように思ったりするものも多いんですが、この「間」が大事なんだよ~というところがどうも共通の理解がないような気がします。
だいたいカンヌ映画祭系は、ダ二ィにはあまり向いていないかも。

先日も昨年のカンヌ映画祭の参加作品"Les Herbes Folles"(フランス映画)を見た時もです。「ちょっと期待はずれ」と途中こっくりこっくり。「87歳の監督(アラン・レネ)の作品だよ~」と見ようと言ったのはダ二ィのくせに。

ストーリーは主人公の中高年の男女が、財布をなくした、財布を拾った、というところから接点ができ、最初男がストーカー的に女をつけまわすのだが、警察に頼んでやめさせてもらった途端、今度は女の方がストーカーになるという、なんとも異常行動の二人の話。女は中年の独身だが、男には妻と成人した子供がいて、もやは定年を迎えているという歳。男は家族にも女のことを隠すでもなく、女も平気で男のうちに電話をしたり妻と話をしたりする。女は飛行機の操縦資格を持っていて、最後は男とその妻と3人で飛行中の事故で飛行機が墜落していくということを暗に示しながら終わる。正直「え、どうなっちゃったの」というところで終わってしまう。

最後は、飛行機がどんどん低空飛行になっていくのを一緒に味わうかのような目線になっていくのですが、最後の最後のシーンが、母親とベッドにいる子供の場面になり、子どもが何かを言って終わるんですが、その言葉たよくつかめなくて、どうも消化不良の後味になりました。眠いダ二ィはそんなことも気にしてないようで。

フランス映画の中に時々「あれ、どうしてここで終わるの」っていうものがあるじゃないですか(そう感じるは私だけ!?)。私のカテゴリー的にはそのタイプの映画。でもなかなか味のある映画で面白かったですけどね。なんでもかんでも説明されちゃっているわかりやすい映画よりもなんとなく「おしゃれ」って私には感じるみたいです。

ところで今年のカンヌ映画祭@ローマに戻りますが、二作目の鑑賞作品は、"Tamara Drewe"というイギリス映画でした。これは、やれやれ、ダニィも満足。

イギリスの田舎の村に、昔は鼻が大きいせいでブスだとからかわれていたTamaraが何年もたって、鼻を整形し見違えるほどの美女になって村に戻ってくる。そのため村の男たちの態度が変わり、彼女がインタビューした人気ロック歌手が村にやってくるなど、静かな村に騒動が起こる。ロック歌手の熱烈なファンの女子高生によるいたづらで、人間関係はさらに複雑になり、騒ぎが進むにつれ、ブラックコメディー化が強まる感じ。

昔2年間ほどスコットランドにいたことがあって、イギリス映画はどれを見ても、キッチン用具や食べ物を見ているだけで懐かしくて楽しめてしまうのですが、この映画もとてもイギリスだなあって雰囲気いっぱいです。イギリスお得意のブラックユーモアがさりげなくちりばめてある感じで、単純に楽しめる映画だと思います。

日本で公開されるかどうかわかりませんが、わざわざ見に行くとすれば・・・Tamara Dreweがお勧めかな。最初の二つはどうも意見が分かれそう。

日本勝利!

2010-06-15 04:36:26 | ローマの平日
(有料放送に申し込んでいない)うちのテレビでは日本対カメルーンの試合は見られないため、ダ二ィの実家でお昼を食べて、それから見させてもらうことになりました。着くともうテレビではオランダ対デンマークの試合中継をしていました。普段はサッカーには全く興味がなく、「またカルチョォォ(サッカー)」とまともに嫌な顔をするアンチカルチョの私ですが、オランダとデンマークは日本と同じグループなので、どんなものかとちょっと敵の観察。

どうもオランダは強豪らしいけれど、デンマークはそれほどでもないという。それでもどちらにも点が入らないまま進んでいる。オランダの調子が悪いのか、デンマークが意外と強いのか?ダ二ィに言わせれば、オランダが調子を出していないとのことだけれど、やはりデンマークも強そうだ。私たちは取りあえずランチ。今日のダ二ィマンマのメニューはナスとトマトのパスタ、生ハムの牛肉巻き、それにレタスとトマトのサラダ。イタリアの普段の食事って結構シンプル。

そして4時、日本対カメルーンの試合が始まりました。2分ほど遅れて見たので、「君が代」が聞けずに残念。国歌って外国で聞くと結構うるうるしてしまう私です。ダ二ィパパも言っていたけれど、カメルーンの人は体格がいい。でもスポーツってやはり体格だけじゃない、頭脳や戦略もとても大事って日本チームは感じさせてくれましたね。私は全然サッカーがわかりませんが、テレビの解説の人も日本はよく戦略がたてられていると褒めていました。それとずる賢いというようなことも。そうなのかな?

始まって39分くらいだったか、日本のゴールが決まりました。ダ二ィの10歳の甥も、さすがイタリア男子、サッカーは詳しいようで、「ホンダはロシアのチームにいる人でしょう?モリモトは出てないの?」なんて、私はこのホンダという選手が日本のキー選手だということをワールドカップが始まってから知りました(笑)。

1-0になってから、日本は全員守備に徹している感じ。何対何でも、取りあえず勝つことが重要なんでしょうね。それにしても日本の守備はなかなか手ごわい印象を受けました。それに対し、なんとか点を入れなければならないカメルーンは攻撃に力を入れるわけで、どきどき、はらはら、ダ二ィがいつも試合観戦をしているときに始終体がぴくぴく動く気持がちょっとぴりわかったような気がします。でも、ワールドカップは4年に1度なわけでしょう。ダ二ィがいつも見ているのは毎年、それも年中ある感じで、それを試合の度にそれだけ入れ込めるのはやはり理解困難・・・。

そして、日本の勝利!やはり嬉しいものですね。そんなに関心があったわけでも、期待もしていなかったけれど、これでこれからしばらくワールドカップを楽しめるというもの。

夜はイタリア対パラグアイの試合がありました。何と先に点をとられたイタリア。近所もとても静かでしたが、点を入れ返した途端、外から凄いざわめきが。みんなちゃんと見てたんですね~。イタリア人からすると、日本は「まあ頑張ってよ」という感じなんでしょうけれど、取りあえず日本は3ポイントでイタリアは1ポイントからのスタートです。やはりこれも嬉しかったりします。

今日はなんということか3試合も見てしまいました。

Fare una papera

2010-06-13 07:35:14 | おもしろいイタリア語
昨日からワールドカップが始まりました。開会式は面白く拝見しましたが、試合には興味のない私。それに引き換えダ二ィはチャンスさえあればテレビでもネット上でも見ています。まだイタリアの試合もないのに。

というわけで今夜もイングランド対アメリカの試合を見ていました。私も別にすることもないしとお茶をすすりながら横に座って時々見ていました。するとアメリカがゴールをしたときに解説者がイングランドのゴールキーパについて"Ha fatto una papera!"と言っていました。えっ、どうしてpapera(がちょう)?

試合観戦中は私に耳を傾けてくれないダ二ィを横から「ねえ、ねえ」と引っ張り、強制的に答えさせました。だって後になったら忘れちゃうじゃない。

アメリカのゴールはイングランドのゴールキーパーのミスによるものだったわけです。避けられたゴールを、あっ、手が滑ってしまった、とそんな感じでしたから。そのことに対して使われた表現とのことでした。

つまりこの表現は"fare un errore (ミスしちゃった)"とそんな意味のようです。それも決まりの悪い、カッコ悪いミスのとき。通常はゴールキーパーのミスを指すようですが、テレビでセリフをとちってしまったようなときにも指して使うようです。

それにしてもどうして「がちょう」さんなんでしょうね。決まりの悪いことの代表選手みたいで気の毒・・・。

試合はイングランドのキーパーの「がちょう」のお陰で、1-1の引き分けで終了。こういうこともあるわけで、なら日本チームも希望があるんですよね!?