この間大雪で騒いでいたかと思ったら、最近は春のような陽気が続いています。空は真っ青、どこかに行かないともったいない。
昨年はイタリア統一150周年の年でいろいろなイベントがありましたが、その一貫で今も続いているのがクイリナーレ宮の公開、つまり大統領官邸が3月17日まで月曜を除く毎日無料で一般公開されているというもの。普段も日曜日の午前中、入場料5ユーロで見学が可能で、私ももう7~8年前に行ったことがあります。その他にも中庭でのコンサートやちょっとした展覧会の機会に中には入ったことがあったので、今回はそんなに興味がなかったのですが、中をしっかり見たのはもう随分前のことだし、正直記憶もあやふやだったので、ちょっとウォーキングを兼ねて行ってみることにしました。
私は地下鉄B線Cavour駅から歩いて行くのですが、Cavour駅周辺は素敵なお店やレストランがたくさんあって、散策には楽しい地区です。特にこの日も通ったVia del Boschettoという通りは、かわいい洋服屋さんや小物屋さんなどがあって、ウィンドーショッピングも楽しいです。もちろんウィンドーショッピング以上の方がもっと楽しいと思うのですが、小さなお店はどうも足を踏み入れるのに勇気が必要で・・・。次回は中にも入ろうといつも思うのですが、性格だから仕方がない。
このVia del Boschettoの突き当りはNazionale通りで、通りを反対側に渡り、左方向に進むと、どの道を右に曲がってもクイリナーレ広場に着きます。
クイリナーレ宮の入口。クイリナーレ宮は元はローマ教皇の夏の別荘で、その後イタリア国王の宮廷になり、そして大統領官邸になりました。歴史の中の重要な出来事の数多くがここで起きたことでしょう。
実はまだ見たことがないのですが、衛兵の交代などもあるようです。そして、この日はいなかったのですが、通常はコラッツィエリ(Corazzieri)と呼ばれる大統領官邸選任の儀仗部隊の人が入口の真ん中に立っています。隊員の資格が身長190cmというだけあって、威圧感たっぷりです。ヴァチカンのスイス衛兵は優しくそして「美しい」感じですが、こちらはちょっとグラジエーターのような迫力があります。
外にも警察官がいつも巡回してます。真正面から入ろうとしたら、警官に止められて、横の入口から入るように指で支持されました。横の入口と言ってもです、並ぶように仕切られたようなところがあるのですが、誰もいなくて、結局入るのはこの入口なのです。そんなわけで一瞬よくわからなくて、オロオロしてしまいましたが、建物に沿ったその仕切りを通って入口に向かったら、誰からも何も言われなかったので、ささっと中に入りました。(なんだかいつもオロオロしている私。)
その後、空港のような荷物検査の場所があるのですが、どうもちょっとしたものでもピーピーと音が鳴るようで、前のおじさんなどポケットの中のゴミまで出させられ、いかにも紙屑ばかりなのにもかかわらず、その上から検査機をかざしていて、最終的には何だかわからないけれど、もういいという感じで中に入れてもらってました。私は空港でもほとんど止められることがないのに、ここではピーピーなるので、セーターを持ち上げて「ほら、きっとベルトだと思う」と示すと、それで解決。変な検査。
中庭に沿って回廊を左側から歩いて行きます。回廊では、大統領の専用車かな、古い馬車から最近のものまでの展示があります。カメラに×マークの表示があって、写真撮影は不可なのかなあと通り過ぎたら、後でやってきた人々が写真を撮ってました。
突き当りの入口から中に入ると、素敵な螺旋階段(1583-1584年)があります。
ここを上がると、今回の公開部分の入り口があります。このイベントはクイリナーレ宮でのイタリア統一150周年の歴史を見る展覧会ということのようで、中では写真、新聞記事、さまざまなドキュメント、ビデオなどの展示のほかに、建物や調度品の鑑賞ができるというものでした。
このように展示されている部屋がいくつも続き、一つ一つをじっくりみていると、一緒に入った人は誰もいなくなってしまいました。歴史のわかる人には面白いかもしれませんが、私は見学後インターネットで勉強することになります。
こんなのもあります。何かの際のメニューですね。フランス語で書かれてる?こういうのにどうも目がいきます。
最後の方になって調度品の飾られた部屋があります。以前来たときは、歴史関係の展示がなかったので、どの部屋にも家具が飾られていた記憶なのですが、見学のルートも違ったのかもしれません。
そして有名なLa Cappella Paolina (Carlo Maderna作)。教皇Paolo V Borghese (1605-1621) の命で作られたこのチャペルは、教皇の名前からこう名付けられました。溜息が出る美しさです。
La Capella Paolinaの隣のIl Salone dei Corazzieri
重要な式典などが開かれる大広間だけあって、荘厳さたっぷりの空間です。こちらも建築家Carlo Madrenaの手によるもの。
壁のフレスコ画(17世紀)の下はイタリアの主要地方都市の紋章が描かれています。
見学はここで終わり、階段(Lo Scalone d'Onore)のところに出ると、最後に迎えてくれるのは画家Melozzo da Forliの作品。
これは15世紀にSanti Apostoli教会の後陣の円天井に描かれた「キリスト昇天」の一部です。1711年にクイリナーレ宮に移されました。
広場に出る出口の前に、時々展覧会が開かれる場所(Sala delle Bandiere del Palazzo del Quirinale)があり、"Margherita di Savoia e la biblioteca del Quirinale"(マルゲリータ・ディ・サヴォイアとクイリナーレの図書館)という展覧会もやっています。
この展覧会についてはページを改めます。
クイリナーレ無料公開、3月17日までです。お見逃しなく。
昨年はイタリア統一150周年の年でいろいろなイベントがありましたが、その一貫で今も続いているのがクイリナーレ宮の公開、つまり大統領官邸が3月17日まで月曜を除く毎日無料で一般公開されているというもの。普段も日曜日の午前中、入場料5ユーロで見学が可能で、私ももう7~8年前に行ったことがあります。その他にも中庭でのコンサートやちょっとした展覧会の機会に中には入ったことがあったので、今回はそんなに興味がなかったのですが、中をしっかり見たのはもう随分前のことだし、正直記憶もあやふやだったので、ちょっとウォーキングを兼ねて行ってみることにしました。
私は地下鉄B線Cavour駅から歩いて行くのですが、Cavour駅周辺は素敵なお店やレストランがたくさんあって、散策には楽しい地区です。特にこの日も通ったVia del Boschettoという通りは、かわいい洋服屋さんや小物屋さんなどがあって、ウィンドーショッピングも楽しいです。もちろんウィンドーショッピング以上の方がもっと楽しいと思うのですが、小さなお店はどうも足を踏み入れるのに勇気が必要で・・・。次回は中にも入ろうといつも思うのですが、性格だから仕方がない。
このVia del Boschettoの突き当りはNazionale通りで、通りを反対側に渡り、左方向に進むと、どの道を右に曲がってもクイリナーレ広場に着きます。
クイリナーレ宮の入口。クイリナーレ宮は元はローマ教皇の夏の別荘で、その後イタリア国王の宮廷になり、そして大統領官邸になりました。歴史の中の重要な出来事の数多くがここで起きたことでしょう。
実はまだ見たことがないのですが、衛兵の交代などもあるようです。そして、この日はいなかったのですが、通常はコラッツィエリ(Corazzieri)と呼ばれる大統領官邸選任の儀仗部隊の人が入口の真ん中に立っています。隊員の資格が身長190cmというだけあって、威圧感たっぷりです。ヴァチカンのスイス衛兵は優しくそして「美しい」感じですが、こちらはちょっとグラジエーターのような迫力があります。
外にも警察官がいつも巡回してます。真正面から入ろうとしたら、警官に止められて、横の入口から入るように指で支持されました。横の入口と言ってもです、並ぶように仕切られたようなところがあるのですが、誰もいなくて、結局入るのはこの入口なのです。そんなわけで一瞬よくわからなくて、オロオロしてしまいましたが、建物に沿ったその仕切りを通って入口に向かったら、誰からも何も言われなかったので、ささっと中に入りました。(なんだかいつもオロオロしている私。)
その後、空港のような荷物検査の場所があるのですが、どうもちょっとしたものでもピーピーと音が鳴るようで、前のおじさんなどポケットの中のゴミまで出させられ、いかにも紙屑ばかりなのにもかかわらず、その上から検査機をかざしていて、最終的には何だかわからないけれど、もういいという感じで中に入れてもらってました。私は空港でもほとんど止められることがないのに、ここではピーピーなるので、セーターを持ち上げて「ほら、きっとベルトだと思う」と示すと、それで解決。変な検査。
中庭に沿って回廊を左側から歩いて行きます。回廊では、大統領の専用車かな、古い馬車から最近のものまでの展示があります。カメラに×マークの表示があって、写真撮影は不可なのかなあと通り過ぎたら、後でやってきた人々が写真を撮ってました。
突き当りの入口から中に入ると、素敵な螺旋階段(1583-1584年)があります。
ここを上がると、今回の公開部分の入り口があります。このイベントはクイリナーレ宮でのイタリア統一150周年の歴史を見る展覧会ということのようで、中では写真、新聞記事、さまざまなドキュメント、ビデオなどの展示のほかに、建物や調度品の鑑賞ができるというものでした。
このように展示されている部屋がいくつも続き、一つ一つをじっくりみていると、一緒に入った人は誰もいなくなってしまいました。歴史のわかる人には面白いかもしれませんが、私は見学後インターネットで勉強することになります。
こんなのもあります。何かの際のメニューですね。フランス語で書かれてる?こういうのにどうも目がいきます。
最後の方になって調度品の飾られた部屋があります。以前来たときは、歴史関係の展示がなかったので、どの部屋にも家具が飾られていた記憶なのですが、見学のルートも違ったのかもしれません。
そして有名なLa Cappella Paolina (Carlo Maderna作)。教皇Paolo V Borghese (1605-1621) の命で作られたこのチャペルは、教皇の名前からこう名付けられました。溜息が出る美しさです。
La Capella Paolinaの隣のIl Salone dei Corazzieri
重要な式典などが開かれる大広間だけあって、荘厳さたっぷりの空間です。こちらも建築家Carlo Madrenaの手によるもの。
壁のフレスコ画(17世紀)の下はイタリアの主要地方都市の紋章が描かれています。
見学はここで終わり、階段(Lo Scalone d'Onore)のところに出ると、最後に迎えてくれるのは画家Melozzo da Forliの作品。
これは15世紀にSanti Apostoli教会の後陣の円天井に描かれた「キリスト昇天」の一部です。1711年にクイリナーレ宮に移されました。
広場に出る出口の前に、時々展覧会が開かれる場所(Sala delle Bandiere del Palazzo del Quirinale)があり、"Margherita di Savoia e la biblioteca del Quirinale"(マルゲリータ・ディ・サヴォイアとクイリナーレの図書館)という展覧会もやっています。
この展覧会についてはページを改めます。
クイリナーレ無料公開、3月17日までです。お見逃しなく。