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あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

チェリオの丘の聖アンドレア・聖グレゴリオ教会

2017-03-09 19:15:09 | 「ローマの見どころ1001」

随分とご無沙汰してました。常にひきこもり大好きの私は、ブログを書くことで、書くことを探しにでかけることを目的にこのブログを始めたのでした。が、いつの間にか怠け癖が勝つようになり、遠のいておりました。またひきこもり病が出始めているのと、今のまま体を動かさないと今後将来への不安もあり、またブログ書きを始めようかなとローマ散策を始めました。そしたらやはりこれは面白い!いろいろな不便、不都合だらけのローマですが、歩き出すと歴史や文化の深さをの凄さを感じさせられます。そしてその中に入っていくと元気になる私がいます。

「ローマの見どころ1001」のガイドとちょっと難しいけれど完璧なツーリングクラブの赤いガイドブックで勉強しながら、ローマの興味深いところが紹介できたらと思います。と言っておいて、また途中で止まることもあると思いますよ。お許しください。 さて、天気の良い平日、まずは自宅から近場のチェリオの丘の上の教会です。最近家族の健康とか、まあ心配ごとっていうのもあり、神頼み系で教会訪問がメインになります。でも教会もいろんな発見があります以前はちょっとした散歩にはよくチェリオの丘に行っていました。天気の良い日はとても気持ちがいいのです。ヴィラ・チェリモンターナという素敵な公園もあって癒し効果抜群の丘です。地下鉄B線のチルコ・マッシモの駅からも近いので便利ですよ。 さて、タイトルの教会はこちらです。

矢印に従って右側を歩いていくと、「教会を訪問されたい方は呼び鈴を鳴らしてください」とあり、時間帯が一緒に書かれてあります。以前は正面の扉が普通に開いていた記憶なのですが、ガイドブックにも確かに「呼び鈴を鳴らして入れてもらう」とあります。ローマの教会のほとんどはお昼に一旦閉まり、また夕方に開くのですが、それを知りながらもいつも閉まる頃に動き出す私。今回もどうやら失敗、後5分。諦めようと思いながら、回廊を見学していた時、ドアを開錠する音が何度となく聞こえたのです。恐る恐るドアを押してみるとドアが開きました。中からカメラでうろうろしているところを見られていたんですね、「どうぞ、どうぞ」と手招きされました。「すみません、5分で行きますから」というと、「どうぞ、ごゆっくり」と言われました。こういうことがあると嬉しいですね。というわけで、時間外に行っても、とりあえず呼び鈴を押してみるもありかもしれませんよ。 廊下を進んで横の入り口から教会に入ります。私以外に誰もいなくて、こういうのがとてもいい。(きっとカメラでは監視されてるんでしょうけど。)教会に入る前のスペースに由緒ある修道院の薬局と生産物を売るコーナーもあります。修道院の畑で収穫された有機レモンが気になりましたが、一袋がすごい量なので持ち歩けないと断念。

 さて、この教会について勉強しましょう。 ローマ教皇グレゴリオ1世が575年に聖アンドレア(聖アンデレ)に捧げた礼拝所と修道院を設立した場所にこの教会は建てられました。(だからその二人にちなんだ名前になったわけですが、当初は聖アンドレア教会、のちに聖グレゴリオが追加されました。)教皇グレゴリオ1世の死後、修道院は見捨てられていましたが、教会が建てられたことで、修道院が再び記憶に取り戻されました。 内部はこんな感じ。 

13世紀に遡るコジマテスクの床が美しいです。中央の祭壇には聖母マリアと聖アンドレア、聖グレゴリオが描かれた祭壇画があります。

主祭壇の右側には「聖グレゴリオの部屋」という小部屋があり、そこには当時の床が残っています。その部屋の前にある聖グレゴリオの礼拝堂に、大理石の聖グレゴリオの椅子があります。なんと紀元前1世紀のものです。「聖グレゴリオの30のミサ」を示した主祭壇の浮彫も大変美しいです。

主祭壇の左には、秘跡の礼拝堂があり(写真なし)、その更に左に入ると美しいサルヴィアーティ礼拝堂があります。Francesco da Volterraによって計画され、Carlo Modernaによって完成されました。 

ここには古い聖母マリアと幼子イエスのフレスコ画があります。伝説では聖母マリアが聖グレゴリオに話しかけたそうな。

 随分前にこの教会を訪れたときには、この礼拝堂は閉まっていたのですが、教会の人にこっそり入れていただいた良い思い出があります。そのときにはもう一つの聖母マリアのフレスコ画がこんなところにもあるよと教えていただきました。  どういう意図で作られた空洞なのかわかりませんが、壁に掘られた小さな空洞の中にも聖母マリアが描かれていました。電気がついていなかったので、見づらいですね。

 深く探ればまだまだストーリーが出てきそうな教会です。また発見がありましたら追加したいと思います。

 

 

 

 


1.アヴェンティーノの丘

2012-07-15 16:46:19 | 「ローマの見どころ1001」
前回の投稿でご紹介した"1001 cose da vedere a Roma almeno una volta nella vita" 「一生の内に少なくとも一度は見ておきたいローマの見どころ1001」の第一章はローマの七つの丘から始まります。というわけで「見どころ1001」の1番はアヴェンティーノの丘。

ローマはこの7つの丘の上に建国されたのが始まりと言われています。その七つの丘とは、アヴェンティーノ、カンピドリオ、チェリオ、エスクイリーノ、パラティーノ、クイリナーレ、ヴィミナーレの丘を指します。

このアヴェンティーノの丘は、その中でも一番南にあり、傾斜が険しくテベレ川岸にも接しているために入りにくい丘でした。古代ローマの時代には、現在サン・サバと呼ばれる地域もこの丘の一部とされていました。そのためこの地区は今でも「小さなアヴェンティーノ」として知られています。この丘の名前は、ローマ建国伝説の中の都市アルバ・ロンガの王が、雷に打たれて亡くなった後、この丘に埋葬されたことに由来するという仮説があるようです。

この丘の最初の住人は、ローマ王政時代の第四代王アンコ・マルチオ(アンクス・マルキウス)によって征服された地方や都市の人々でした。当時、制服された都市の住人はローマに強制移住させられていたようです。彼らは職人やテヴェレ川沿いで業を営む商人となりました。

共和制時代のアヴェンティーノの丘は、セルヴィア―ネ(セルヴィウス)の城塞内にあり、紀元前456年にはLegge Icilia (イチリア法?アヴェンテイーノ丘の土地を庶民の私有にできるようにした法のようです)により、庶民たちが丘の上に住居を構え始めます。

帝政期には、この庶民たちは商業活動を行うため、丘を降りて、トラステヴェレやテスタッチョ地区に移ります。そしてアヴェンティーノの丘は貴族のお屋敷の立ち並ぶ丘へと変身します。しかし、410年の西ゴート族による略奪の後、丘は荒廃し、長い年月の間放置される運命をたどります。

アヴェンティーノの丘は、神話の神々を祀る神殿の並ぶ聖域でもありました。中世の時代に入ると、キリスト教の教会が次々と建てられ、今日でもこの丘の魅力の一つとなっています。サンタ・サビーナ教会、サンティ・ボニファチオ・エ・アレッシオ教会、サンタンセルモ教会、そして少し離れますがサンタ・プリスカ教会です。

アヴェンティーノの丘へのアクセスは、チルコマッシモから、ローマ市のバラ園の間の道を登っていくのが一番わかりやすいでしょう。真実の口のある教会(サンタ・マリア・イン・コスメディン教会)を左に出て、最初の通りを渡り、そして一つ目の登り坂を登る方法もあります。どちらにしても最初に現れるのが私の大好きなオレンジ公園(Il Giardino degli Aranci)という公園です。そこからはとても素晴らしいローマの景色が鑑賞できます。名前の通り、オレンジの木がたくさんあって、オレンジの実がなっているときは、なぜだか平和な気分になります。



夕暮れ時の公園。サンピエトロ寺院のクーポラがよく見えます。



展望台からはテヴェレ川がすぐ下に見えます。


バラ園から登ってきた道を道なりに進むと、突き当りにはマルタ騎士団の広場があります。覗くとサンピエトロのクーポラが見えるという有名な鍵穴があるところですね。この広場は1765年に画家で建築家のジョヴァンニ・バティスタ・ピラネージによるプロジェクトで作られました。ピラネージはローマの遺跡や町を緻密に描いた版画家として有名です。この本によると、古い伝説にアヴェンティーノの丘は聖地パレスチナへと出港する巨大なテンプル騎士団の船とあることと関係があるらしい。マルタ騎士団もテンプル騎士団もよくわかりませんが、中世ヨーロッパではこういう騎士修道会というものがあったんですね。



鍵穴のある扉です。こんな遅くまで訪れる人がいます。クーポラはライトアップされているから見えるのでしょう。でも天気の悪い日は見づらかった記憶。

現在のアヴェンティーノの丘は、私たちも憧れる高級住宅地区で、カトリックの施設も多く、静かで上品で散歩するにはとても気持ちのいいところです。今の時期はちょっと坂を登るのが暑いのでご無沙汰してますが、秋になったらまたウォーキングに使います。


ローマで見るべき1001のこと

2012-07-15 01:16:50 | 「ローマの見どころ1001」

この間日本に帰国した際に、ローマの知り合いの修復家の方から、修復に使うという「ふのり」というものを買ってきてと頼まれたので、日本にしかないとのことだし、少々かさばるけれど持ち帰ってあげたのでした。そしたら、しばらくしてこんなお礼が届きました。

1001 cose da vedere a Roma almeno una volta nella vita というタイトルのなかなか分厚い本でした。つまり「一生の内に少なくとも一度は見ておきたいローマの見どころ1001」というような意味のタイトルです。

有名なところもたくさん入っていますが、ちょっと張り切って制覇してみたい意欲にかられています。翻訳まで無理ですが、ここでもご紹介していけたら、私も頑張ってイタリア語を読めるきっかけになるかしらとも思ったり。

でも「毎日一つずつ制覇するか」と言ったら、ある人に「3年かかるね~」と言われ、「あっ、そんなに?」と初めて莫大さに気づきました。まあのんびりとやっていきます。


挿絵もきれいで、楽しそうな本です。