あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

それでも空はますます青い

2020-08-05 17:17:45 | ローマ de ウォーキング 
もともと体を動かすのは好きな方じゃないんです。その上、今年はウイルスのせいで動かないことをどうも正当化しやすい。年齢と共に体は劣化しやすくなっているし、最近かかったお医者さまとも「何かスポーツしないの?」「スポーツは好きじゃないので・・・」「でも毎日最低30分は歩きなさいね」「はい、そうします」という、今までにも何度もしてきた会話。実際のところ、私にとって「毎日」はハードルが高く、おまけに連日の猛暑で「これでは熱中症になってしまう」と言い訳ができやすい状況でもあります。

夫の職場がコロッセオの近くで、私たちは「どうせ感染しても大丈夫」と言えるような若者ではないので、夫は帰りなどは地下鉄を使わずに徒歩で帰ってくることもあります。だいたい50分かかるそうですが、思い切って徒歩で迎えに行くことにしました。地下鉄に乗れば駅4つ分。

ゆっくり、ゆっくり、日陰へ日陰へと移動しながら、ローマのピラミッドのあるサンパオロ門を抜け、コロッセオ方面に向かう大通りのお店を眺めながら、万国旗が並ぶFAO(国連食糧農業機関)が見えてくると、すぐに左に古代ローマ時代の競技場チルコ・マッシモが現れる。ここまでくれば到着したようなもの。40分経過。なかなか速く歩いたと思う。
この辺りはローマでも最も素敵な地区です。ローマに来られたら、是非コロッセオからほんの少し足を延ばして、近くのアヴェンティーノの丘やチェリオの丘の散策をしていただきたい。

パラティーノの丘の横を歩くと、そこは私の大好きなローマの松の並木道。松の木を見ると元気が与えられる。そういうと夫は笑いますけど、子どもの頃からずっと見て慣れきっている夫にはこの松の素敵さがわからなくて全く気の毒だわーと言い返しています。

 アヴェンティーノの丘のオレンジ公園の松

 日没も素敵。オレンジ公園からはサンピエトロ寺院のクーポラも見える。

待ち合わせのコンスタンティヌスの凱旋門に到着。確かに50分。


ロックダウン解除後、初めて間近でみるコロッセオ。あ~思い切って来て良かったと思ったのでした。古代ローマ時代からここに立ち続け、ローマの歴史を見続けてきたコロッセオには力を与えられる気がします。いつ来ても観光客であふれているこの場所も、今は人が少なくて寂しい。午後7時半になっても、この青空。これは日本では見られない、ローマの青空。



ロックダウン中に窓際に集まり近所の人と歌う、そんなことがありましたが、こんな青空を見るとそれもはるか昔のことのようです。そのころよく聞こえてきた歌に”Ma il cielo è sempre più blu”がありました。訳せば「それでも空はいつもますます青い」でしょうか。 どんなことがあっても、空はいつも青い、希望を与えてくれる歌です。
若くして亡くなったイタリアの歌手リノ・ガエターノさんの歌だそうですが、イタリアの50人の歌手が赤十字のために歌ったものがあります。
こちらです。どうぞ聞いてみてください。歌詞訳を見つけたら(または自分で出来たら)、載せたいと思います。





テスタッチョの新しい市場

2012-07-06 15:50:03 | ローマ de ウォーキング 
歩数計が壊れてしまい、しばらくウォーキングをさぼりました。本当は何かに頼らなくても、健康のため、美容のため、と思って歩けばいいのですが、どうもそうはいかなくて、この間日本に帰国の際に新しい歩数計を入手してきました。また気分新たにウォーキングを再開したつもりでしたが、こう猛暑の毎日ではまたくじけそうです。

それでも、どこか新しいところを見に行くとなると、好奇心でちょっと背中が押されるというもの。そんなわけで、7月2日に開かれたというテスタッチョの新しい市場まで行ってきました。ガルバテッラからはそんなに遠くないので、この近くを車で通ることは頻繁にありますが、引っ越してくる前はこの地区のことはほとんど知りませんでした。どうやら2008年からこの市場の建設工事が始められたようですが、私たちは2007年からガルバテッラの住人なのですが、私はこの市場の前身を見た記憶がなく、いつも工事中だった記憶です。この市場はテスタッチョ地区の顔でもあって、有名な市場だったという話は近くを通るたびに聞いていましたが、工事中なのを見ながら、ショッピングモールみたいなのができればいいのに・・・と思ったものです。

あまりに長い工事期間でしたので、本当に出来上がる日がくるの?(いつまでも工事中の地下鉄もそうですが)と疑問に思っていましたが、いろいろな問題もあったようです。もちろんその市場にお店を出していた人たちは、2008年からどうしているんだろうという疑問はありますよね。工事にかかった費用も含め、今でも問題は山積みのようですが、とにかくオープンしました。



買いものに疲れたら、素敵なバールで一服。

イタリアではあちこちで見かける青空市場とはかなり違いますよね。デザインを受け持った建築家が風通しや日光の取り入れ方をうまく考慮し、電気の節約にもなる構造で作られているという話です。確かに中はとても明るいのですが、モダンなデザインは、伝統的な市場とは違って、ちょっと冷たい感じはします。一つ一つのブースが一軒一軒のお店のような感じで、そして新しいせいもありますが、それぞれのディスプレイもきれいで、ドイツなんかに行くとこういうのが市場かもと勝手なイメージですがそんな感じです。靴屋さんや洋服屋さんもあり、ワインを飲めるところやおしゃれなお菓子を売っているお店もありました。もちろん従来の八百屋さん、肉屋さん、魚屋さんなどの日常の食料品屋がメインにはなるんでしょうけれど。



まだ開いていないお店もあります。

活気のある従来の青空市場の方がいいという人もいるかもしれません。確かに観光客にはちょっとつまらないかもしれませんが、外国人住人としては、この方が買い物がしやすいように思いました。イタリア人の間でも賛否両論あるでしょうね。


さて、この市場、実は買いものだけの場所ではないようです。その下には考古遺跡があるらしい。昔々この近くにはテスタッチョ港があり、2000年もの昔に商品の輸送に使っていたアンフォラ(油やワインなどを入れていた壺のような入れ物)のかけらの山(そこにを捨てていた)が重要な考古遺物として有名でもありますが、そういった紀元前に遡る時代の発掘物がでてくる地区なのです。関係者によれば、2、3年の間に博物館の形として公開できるようになるとのことですが、2、3年ということは・・・早くて5年でしょうかね。

この市場のすぐ近くにはMACROという現代美術館もあります。そうそう回転寿司屋さんもありました。(いつみてもお客さんが少ないのが気になりますが。)アメリカンスタイルのようなステーキレストランもあります。先日ガルバテッラのところでも書きましたが、モダン化を目指しているこの地区は、ちょっと今後が楽しみな地区でもあります。(というか私の希望的観測?)

地下鉄B線 ピラミデの駅から徒歩10~15分
バス 719,63,630 Galvani/Zabaglia下車

大統領官邸訪問

2012-02-26 16:25:10 | ローマ de ウォーキング 
この間大雪で騒いでいたかと思ったら、最近は春のような陽気が続いています。空は真っ青、どこかに行かないともったいない。

昨年はイタリア統一150周年の年でいろいろなイベントがありましたが、その一貫で今も続いているのがクイリナーレ宮の公開、つまり大統領官邸が3月17日まで月曜を除く毎日無料で一般公開されているというもの。普段も日曜日の午前中、入場料5ユーロで見学が可能で、私ももう7~8年前に行ったことがあります。その他にも中庭でのコンサートやちょっとした展覧会の機会に中には入ったことがあったので、今回はそんなに興味がなかったのですが、中をしっかり見たのはもう随分前のことだし、正直記憶もあやふやだったので、ちょっとウォーキングを兼ねて行ってみることにしました。

私は地下鉄B線Cavour駅から歩いて行くのですが、Cavour駅周辺は素敵なお店やレストランがたくさんあって、散策には楽しい地区です。特にこの日も通ったVia del Boschettoという通りは、かわいい洋服屋さんや小物屋さんなどがあって、ウィンドーショッピングも楽しいです。もちろんウィンドーショッピング以上の方がもっと楽しいと思うのですが、小さなお店はどうも足を踏み入れるのに勇気が必要で・・・。次回は中にも入ろうといつも思うのですが、性格だから仕方がない。

このVia del Boschettoの突き当りはNazionale通りで、通りを反対側に渡り、左方向に進むと、どの道を右に曲がってもクイリナーレ広場に着きます。



クイリナーレ宮の入口。クイリナーレ宮は元はローマ教皇の夏の別荘で、その後イタリア国王の宮廷になり、そして大統領官邸になりました。歴史の中の重要な出来事の数多くがここで起きたことでしょう。




実はまだ見たことがないのですが、衛兵の交代などもあるようです。そして、この日はいなかったのですが、通常はコラッツィエリ(Corazzieri)と呼ばれる大統領官邸選任の儀仗部隊の人が入口の真ん中に立っています。隊員の資格が身長190cmというだけあって、威圧感たっぷりです。ヴァチカンのスイス衛兵は優しくそして「美しい」感じですが、こちらはちょっとグラジエーターのような迫力があります。

外にも警察官がいつも巡回してます。真正面から入ろうとしたら、警官に止められて、横の入口から入るように指で支持されました。横の入口と言ってもです、並ぶように仕切られたようなところがあるのですが、誰もいなくて、結局入るのはこの入口なのです。そんなわけで一瞬よくわからなくて、オロオロしてしまいましたが、建物に沿ったその仕切りを通って入口に向かったら、誰からも何も言われなかったので、ささっと中に入りました。(なんだかいつもオロオロしている私。)

その後、空港のような荷物検査の場所があるのですが、どうもちょっとしたものでもピーピーと音が鳴るようで、前のおじさんなどポケットの中のゴミまで出させられ、いかにも紙屑ばかりなのにもかかわらず、その上から検査機をかざしていて、最終的には何だかわからないけれど、もういいという感じで中に入れてもらってました。私は空港でもほとんど止められることがないのに、ここではピーピーなるので、セーターを持ち上げて「ほら、きっとベルトだと思う」と示すと、それで解決。変な検査。




中庭に沿って回廊を左側から歩いて行きます。回廊では、大統領の専用車かな、古い馬車から最近のものまでの展示があります。カメラに×マークの表示があって、写真撮影は不可なのかなあと通り過ぎたら、後でやってきた人々が写真を撮ってました。

突き当りの入口から中に入ると、素敵な螺旋階段(1583-1584年)があります。



ここを上がると、今回の公開部分の入り口があります。このイベントはクイリナーレ宮でのイタリア統一150周年の歴史を見る展覧会ということのようで、中では写真、新聞記事、さまざまなドキュメント、ビデオなどの展示のほかに、建物や調度品の鑑賞ができるというものでした。




このように展示されている部屋がいくつも続き、一つ一つをじっくりみていると、一緒に入った人は誰もいなくなってしまいました。歴史のわかる人には面白いかもしれませんが、私は見学後インターネットで勉強することになります。




こんなのもあります。何かの際のメニューですね。フランス語で書かれてる?こういうのにどうも目がいきます。


最後の方になって調度品の飾られた部屋があります。以前来たときは、歴史関係の展示がなかったので、どの部屋にも家具が飾られていた記憶なのですが、見学のルートも違ったのかもしれません。












そして有名なLa Cappella Paolina (Carlo Maderna作)。教皇Paolo V Borghese (1605-1621) の命で作られたこのチャペルは、教皇の名前からこう名付けられました。溜息が出る美しさです。




La Capella Paolinaの隣のIl Salone dei Corazzieri



重要な式典などが開かれる大広間だけあって、荘厳さたっぷりの空間です。こちらも建築家Carlo Madrenaの手によるもの。




壁のフレスコ画(17世紀)の下はイタリアの主要地方都市の紋章が描かれています。


見学はここで終わり、階段(Lo Scalone d'Onore)のところに出ると、最後に迎えてくれるのは画家Melozzo da Forliの作品。



これは15世紀にSanti Apostoli教会の後陣の円天井に描かれた「キリスト昇天」の一部です。1711年にクイリナーレ宮に移されました。


広場に出る出口の前に、時々展覧会が開かれる場所(Sala delle Bandiere del Palazzo del Quirinale)があり、"Margherita di Savoia e la biblioteca del Quirinale"(マルゲリータ・ディ・サヴォイアとクイリナーレの図書館)という展覧会もやっています。
この展覧会についてはページを改めます。

クイリナーレ無料公開、3月17日までです。お見逃しなく。



Ponte di Ferroでの悲劇

2012-01-24 22:36:18 | ローマ de ウォーキング 
最近ウォーキングを怠っていましたが、日本語を教えている生徒さんからレッスンのキャンセル電話があり、憂さ晴らしに歩数計をバッグに入れ出かけました。さて、どこへ行こうか・・・そういえば近所の市立図書館の入っているcaffe' letterarioで2月から無料のイタリア語講座があると言っていたな・・・ということでまずはそこへ行ってみた。確かにありました、ありました、計60時間の無料イタリア語講座。早速申し込んで2月から開講。久しぶりのイタリア語講座。ちょっと楽しみです。ただ無料だとどういう人たちがくるのか・・・。という私もその一人なんですけど。

そこからどこへ行くか。そういえばプリンターのインクを買わなければいけなかったので、Marconi通りのELDOっていうディスカウントショップに行ってみることに。ちょっと歩くけれど・・・でもそれが目的なわけだし・・・と、Mariconi通りに向かって歩き出し、折角だから何か新しい発見をと、きょろきょろ、のろのろ歩いていると、ありました、ありました、今まで気が付かなかったこんなところが。




車では何度も通っているPonte di Ferro、直訳すれば「鉄の橋」という、名前そのままのただの鉄の橋っていう橋を渡る直前にこの碑がありました。確かに徒歩でないと気づかないような小さな碑です。女性10人の顔の浮彫が施され、その下に書かれたことから解釈すると、1944年7月4日にナチスによって殺害された女性10人の追悼碑ということのようです。

後で調べたところによると・・・



1944年当時、ローマはナチスに占拠され、住民は食べ物も底をつき、飢えに苦しんでいました。このPonte di Ferroの近くにはドイツ人用に粉を挽き、パンを作っているところがありました。それを知った女性たちが、せめて子供達に与える食糧を手にいれるために、少しの粉やパンを分けてもらおうとパン屋にやってくるようになると、とうとうドイツ人にそのことが発覚、1944年7月4日にパン屋に警察がやってきます。逃げ切れずに捕えられた女性10人は橋の下で銃殺、翌朝までそのまま見せしめに置き去られました。そのうちの一人、若くて美しい女性は、銃殺される前に暴行され、川の中から発見されました。

歴史家のCesare De Simoneという人が、ローマの警察署で調べたところ、この残虐な事件の犠牲となった女性たち10人の名前が明らかになったということです。この悲劇を忘れないために彫刻家Michele Crocco氏が製作したこのブロンズの浮彫りの碑がこの場所に置かれました。10人の女性の名前が浮彫の周りに彫られています。

有名なモニュメントが数多くあるローマで、この碑のことを知る人は住人でも少ないと思います。近辺は今もあまり美しいといった感じのところではなく、橋の上から川辺を眺めると、ここに1列に並ばされ銃殺された女性たちの姿が浮かんで来るような感じさえします。歴史の中の繰り返してはならない過ち、この小さな碑からもその叫びが聞こえてくるようでした。





サッルスティウス庭園

2011-11-29 19:25:07 | ローマ de ウォーキング 
日曜日のこと。ちょっと済ませたい用事があって、地下鉄のリプブリカ駅で降り、用事を済ませてあてもなくウォーキングに入りました。何となく歩きはじめると、有名なベルニーニの彫刻があって「天使と悪魔」の中にも出てくるSanta Maria delle Vittoria教会が見えたので、久しぶりに入ってみることに。中は真っ暗で、といっても教会ではよくあることで、いつものように目が慣れてくれば見えてくるものと思っていたら、何年生きてきたんだろうというようなサンタクロース風の髭をはやした、神父なのか修道僧なのかが近づいてきて、怖い顔で出口を指さされました。どうやらお昼ごろで閉める時間だったようです。そういえば、入ろうとすると続けて人が出てきていたっけ。それにしても、ちょっと感じ悪い。

気を取り直し、教会の前の道、9月20日通りを歩いていくと、イタリア銀行の大きな建物が右手に現れ、鏡のような窓に景色が映って面白いので撮影。最近ものに映る風景がよく目に留まります。



雲一つない晴天。ウォーキング日和でした。


この辺りは官庁やオフィス、大使館などが多くて、立派な建物がたくさんありますが、日曜日はほとんど誰もいません。いつでもどこでも騒がしいローマでは、こんなところはとても貴重。また日曜日に来よう。

歩いていると、Horti Sallustianiというタイトルがついた観光説明板が目に入りました。なんだか聞いたことはあったのですが、初めてきました。どうやら紀元前1世紀の歴史家であり政治家であったガイウス・サッルスティウス・クリスプスの造った庭園跡ということです。彼の死後にはローマの皇帝たちのものになるようですが。サッルスティウスはカエサル(ジュリアス・シーザーですね)の友人で、ローマの内戦ではカエサルを助けて戦っています。この場所はカエサルの死後、サッルスティウスが買い取り、大庭園を造りました。Hortiというのは庭園という意味のようです。歴史家としての主著は「歴史」。




庭園跡の一部。観光地ではなく、申請をすれば見学は可能なのでしょうが、今はローマの商工会議所とコンファレンスホールとして使われているようです。


その敷地に併設してこんな立派な建物がありました。




でも何の建物なのか不明。




ズームイン。雨戸というか、シャッターのうよなものがちょっと残念。実は新しい建物なのかな。




壁にこんな紋章があったけれど、手がかりになるかしら。

まだまだ歴女には程遠い。






ブラジル大使館へ行ってきました

2011-11-25 22:29:25 | ローマ de ウォーキング 
最近ウォーキングに行くのに腰が重くなっています。寒くなってきたというのもありますが、それよりも日が短くなりすぐに暗くなってしまうことが大きい原因です。でも行かなければ行かないで、行かなかったことで気分が鬱になったり、いろんな否定的な考えが頭にやってきたりします。今日はダニィがまだ休暇中で、歩きに行こうというけれど、夜はまたサッカーを見に実家に行くらしいし、なんだかご機嫌斜めになりがちな私は、なかなか気が乗らず、目的なく歩きに行くのが面倒臭い気分になっていました。そこで、ブラジル大使館で今日から展覧会があって、初日の今日は入場無料だという記事をダニィが見つけてきました。普段は入れない大使館の中に入れる、そういうのにどうも弱い私は、突然腰が軽くなるわけです。

ブラジル大使館は、ナボナ広場にあるかつてパンフィーリ家のお屋敷だったパンフィーリ宮の中にあります。ローマでも最も美しい建物の一つで、広場に面した窓からは美しい絵画で飾られた天井が明かりがついているほんの少し見えます。そんなところに大使館を構えることのできたブラジルは鼻が高いことでしょう。




ナボナ広場。もうすぐ始まるクリスマスの市の準備が始まっていました。ブラジル大使館は右手奥の建物です。


中に入ると、正装の係員たちが快く迎えてくれます。さすが大使館フォーマルな雰囲気。素晴らしい室内装飾の部屋を見学しながら、行きついた展覧会会場は、なんと広場から見える美しい天井のある広間でした。なんとこの広間も見ることができてしまい感動です。展覧会の作品があるためにわかりづらかったのですが、この広間はボロミーニのプロジェクトで有名な遠近法の間でもあります。天井の絵画はピエトロ・ダ・コルトーナの作品です。
Galleria Cortonaこちらから見られます。

展覧会はVik Munizというブラジル人アーチストの作品展です。とてもオリジナリティあふれる作品です。
例えば、カタログから撮影したこの作品。



テーマはバチカンのシスティーナチャペルの有名なミケランジェロの作品ですよね。何で描かれているかというと、よ~く見るとごみ置き場から集められたようなものばかり。展覧会では、もちろん作品を写真に撮影されたものが展示されているのですが、実物はかなり大きいものだということがわかります。なかなか興味深いです。

後でわかったのですが、初日の今日だけでなく、展覧会は期間中(12月16日まで)ずっと入場無料です。大使館の見学と、この面白い展覧会と、そしてイタリアを代表する巨匠たちの手掛けた作品を近くで鑑賞できる絶好の機会と思います。是非是非お薦めです。

そして帰りには、ここからすぐ近くにあるGROMというジェラート屋さんに寄ってみるのはいかがでしょう。日本にも支店がありますが、ローマのおいしいジェラート屋のトップ5に入ると思います。今日行ってみたらホットチョコレートもあったので、ジェラートは寒いのでちょっとという方にはこのホットチョコレートもお薦めです。ヘーゼルナッツのトッピング入りがおいしいです。場所は上の広場の写真に手前の方に写っている噴水の近くです。隣にもう一つジェラート屋があるので、お間違えなく。GROMの方です。

秋色のボルゲーゼ公園

2011-11-18 00:26:07 | ローマ de ウォーキング 
ローマはにはウォーキングにはもってこいの大きな公園がいくつかありますが、ボルゲーゼ公園も家から近ければしょっちゅう歩きたい素敵な公園です。どうも自宅からここまで行くとなると、ちょっとした外出になってしまうので、車で送ってもらえる機会があれば行くという頻度でしか行くことがないのが現状です。

さて、今回はボルゲーゼ公園の中にあるCasa di Cinema、つまり映画館というか、映画イベントが催されるところで何か映画フェスティバルなるものが催されているということで行くことになりました。(無料!)ウォーキングがメインの目的で、ついでに映画も見ようという話で出かけたのですが、到着するとすぐに上映の映画があり、それを見てしまうと暗いなかのウォーキングになってしまうし、何が目的で来たかというと歩くことじゃないかと思いおこし、結局映画は諦め、広いボルゲーゼ公園の散歩になりました。

ボルゲーゼ公園の中には、このCasa di Cinemaだけでなく、有名はボルゲーゼ美術館やその他にも小さな美術館がいくつかあり、動物園もあり、素敵なバールもあり・・・と人出は結構多い公園です。貸し自転車もあり、普通の自転車、2人乗り、4人乗りと、種類もいろいろあって、ぼやぼやしていると轢かれそうな交通量だったりします。

いつもはボルゲーゼ美術館やこのCasa di Cinemaのある辺りにいることが多いのですが、今日はボルゲーゼ公園の中の池まで行きつきました。



あ~、ちょっと秋らしい風景。
日本の秋は、木々の紅葉から感じられていましたが、ローマではあまり紅葉を意識することがありません。日本に比べると少ないこともあるでしょうし、それに紅葉を見に行こうなんてそういう意識とか習慣がないのでしょうね。
夏が終わると秋をあまり感じずに冬が来るなあと毎年思っていましたが、ちょっと秋を感じられて嬉しくなり写真を撮りました。




池には鴨がたくさん。

ストレスの多い町ですが、都会の中の自然に癒されています。

ちょっと歩きますが、地下鉄A線のSpagnaかFlaminioから行かれます。

スターバックスの代わりになりそうなカフェ

2011-11-16 11:49:10 | ローマ de ウォーキング 
やっと昨日から暖房入りました(ほっ)。でも午後2時から10時までなんですけどね。湯沸かし器の方、まだ直りません。もう諦めの境地。

歩数計の電池を交換したら、ちゃんと動いているようです。良かった、壊れたわけじゃなくて。折角8月から続いているウォーキング、歩数計に頼らなくても続ければいいってものですけれど、やはり背中を押してくれる何かがないと自分の意志だけでは難しい。

最寄の地下鉄駅ガルバテッラに、去年からだったか橋の建設をしていて、これもいつ終わるのやらと思っていましたが、なんとか形になってきました。橋といっても、川の上にかかっているのではなくて、線路の上にかかっているものです。



まだ完成はしていませんが、他に線路の反対側に渡るための橋はあります。その橋に平行して作られているので、今の橋は新しい橋ができるとなくなるんでしょうね。こんなに立派な橋でも、形からするとどうも車が通るものではなく、歩行者用のようです。資金不足で地下鉄工事も進んでいない状況で、どうしてこんなお金の無駄をするのかなっていう疑問もあるのですが、ここガルバテッラはこういう新しい感じの建築物がないので、今後ガルバテッラのシンボルになったり、見に来る人が出れば少しは町をきれいにしてくれるかなあと期待もあります。(駅の近くは特にごみのポイ捨てが多いようで、正直きれいとは言えないのです。)

今のところはこれがガルバテッラのシンボルでしょう。



観光地ではありませんが、ちょっと雰囲気のある地域ではあるので、映画の撮影などはよくされます。それでスクリーンにこれが映ると、ああガルバテッラってわかるわけです。でもガルバテッラでとりわけ有名なのは、ムッソリーニの時代に建てられた変わった住宅があることです。(いつか改めてご紹介します。)最初は古めかしくてお化け屋敷みたいに見えていましたが、昼間よくみるとなかなか凝った建築物が多くて素敵なんですよ。個人の庭のある家もあるし、集合住宅的なところでも中庭があったりと、羨ましい限り。なかなか売り出しにも出てこないし、それよりもとても高額のようです。最近はガイドブックをもった外国人観光客をちらほら見るようにもなりました。

さて、建築中の橋を眺めながら線路の向こう側に渡り、少し歩くとオスティエンセ通りという大きな通りにでます。この通りには(またご紹介しますが)モザイクの立派な作品があるカピトリー二博物館の分館Centrale Montemartiniがあります。この博物館ではよくコンサートなんかもやっています。そして私のウォーキングルートはこの道を地下鉄ピラミデ駅の方まで歩き、寄り道をしたりして歩数が十分なときはそのまま地下鉄でガルバテッラに戻ったり、歩数が足りないときは別のルートでウォーキングを続けて帰ったり。

さて、本題ですが、このオスティエンセ通り沿いにCaffe' Letterarioというところがあります。元々は近所の市立図書館を探して行きついたところでした。中にはもちろん図書館もあるのですが、入ると大きなスペースがカフェになっていて、ソファーなんかもあって、コーヒーを飲みながら読書ができます。日本だと長時間いられる喫茶店など至る所にありますが、ローマにはスターバックスすらなく、タリーズカフェなんてもってのほか、そういうスタイルのコーヒーショップはありません。日本のように、ちょっと喫茶店に入って、それからだらだらおしゃべりっていう習慣がないのでしょうが、しばらく一人でも座っていられる所がないのが、ローマでは辛いところです。ところがここ、どうもそれができそうです。

入口を入るとなんだろうという感じの通路があって、最初入るのに勇気がいりますが、ちょっと進むとこんな景色が現れます。



手前は小さな本屋さん、アート関係と子供の本専門かなという感じでした。左手にバールがあって、その裏(見えませんが)が市立図書館になっています。奥の方にはイベントスペースや小さなステージもあって、コンサートやセミナーなんかも催されるようです。

さらに数歩進むと、



右手の方にかなりゆったりとしたソファーがあるのがわかります。

残念ながら図書館自体はかなり規模が小さいです。図書館ごとにテーマがあるのかもしれませんが、ここは映画やアート系の本や雑誌などが多いようです。おまけにやたらとDVDがたくさんありました。小説類はありますが、学術書は無理ですね。パソコンは数台ありました。図書館の中でコーヒーやケーキを食べられるっていうのはかなり珍しいですよね。日にもよりますが、夜10時まで開いているようです。


無料のイタリア語コースのお知らせも出ていました。今期は初心者用の講座のみで、2月に新たな講座が始まったら利用させてもらおうと思っています。日本語講座もやらせてもらえないかな。

ぶらっといって、自分の家のようにソファーで読書ができるスペース。ちょっと嬉しいです。ウォーキングに行って、そこで休んでいたら意味がないですけどね。

ピラミデまで行って、まだ歩数足らず、チルコ・マッシモまで歩いて、まだ歩数足らず、コロッセオまで歩いて、う~ん、帰りは地下鉄をまたピラミデで降りて歩くか・・・。家に到着時、9490歩。ノルマは達成。ちなみにこのくらい歩いて5Kmちょっとです。



コロッセオの横を通ったときはすっかり日が暮れました。夜のコロッセオも美しい。


Caffe' Letterario : Via Ostiense 83, 95 (地下鉄B線Piramide駅)

必見、ミケランジェロのモーゼ像 

2011-11-15 01:03:55 | ローマ de ウォーキング 
最近歩数が減っていますが、ウォーキング続けます。実は歩数計の電池が切れてきていたようで、時刻が狂ってきたり、こんなに歩いたのに消費カロリーがそんなに少ないはずがないでしょといった状況が2、3日続いていて、歩きに出る意欲にも影響をきたしています。

ウォーキングをしながら、ローマ散策もします。前に行ったことのあるところも、再度行くと見え方が違ったりします。時刻によって、光の当たり方も違うし、季節によって人が多かったり少なかったりとか、前には知らなかった知識を持って再度訪れるとこれまた大きく違います。

とはいえ、大概は地下鉄に乗って10分以内の駅あたりで降りてそこから歩いてみます。なので前にも書きましたチルコ・マッシモやコロッセオなんかで降りることが多くなります。

イタリアの大巨匠ミケランジェロのモーゼ像は、美術館ではなく教会の中にあるので、無料で何度でも見に行かれます。この教会はSan Pietro in Vincoliと言って、最寄は地下鉄のコロッセオまたはカブール駅になります。コロッセオで降りると、美しいコロッセオを振り返り振り返り見ながら、地下鉄の駅の上の丘の登って行きます。観光のハイシーズンですと、教会の方に向かうらしい旅行者が歩いているので、ついていけばそんなに遠くはないのですが、ちょっと奥まったところにあるので、地図を見ながらでも少しわかりづらいかもしれません。おまけに教会の正面は結構地味な感じです。



入るとこんな感じ。以前何度か来たことがありましたが、いつも私の他に2、3人いるぐらいで、静かでいいなあと思ったものですが、この日は訪問者が大勢いました。それにもっと暗い感じがしていましたが、なんだか明るくて、以前の印象の方が好きだったんですけどね。

San Pietro、日本語では聖ペテロでしょうか、この聖人はローマの守護聖人で、ローマでは一番重要な聖人です。このin vincoliという言葉、私はずっと勝手に動詞vincere(勝つという意味)から来ているのかなと思っていたのですが、ある日観光案内の仕事のダニィがある英語話者の観光客を相手にどうやらこの教会の場所を教えていたのですが、そのときSaint Peter in Chainsと言ったのが聞こえました。えっ、チェーン?鎖なの?

それもそのはず、この教会には聖ペテロが捕えられていたときにつながれていた鎖というのが祀られているんです。伝説によると、エルサレムで捕えられていたときの鎖をローマでつながれていた鎖と比べようとしたところ、この二つの鎖が一つになったとのことです。



こちらがその鎖。



この真ん中の方も聖ペテロでしょうか?なんか鎖のようなものが見えますね。


そしてお待ちかねのミケランジェロのモーゼ像は主祭壇の右側にあります。



下の真ん中の像ですよ。近づいてみると、さすが巨匠の腕は違うということがわかります。



ね、すごいしょ。手の甲の血管とか、筋肉の付き方とか。

ミケランジェロの作品にうっとり見とれて、なんとも運動にならないウォーキングとなりました。帰りはそこからコロッセオの横を通り、チルコ・マッシモまで歩いて地下鉄に乗りました。ぎりぎり8000歩到達。









古代からの競技場ですから・・・

2011-09-29 14:40:01 | ローマ de ウォーキング 
毎日8000歩を目標に歩いています。そしてついでにローマ散策も・・・今回は自宅から近いこともあってよく歩くCirco Massimoをご紹介。

Circo Massimoは古代ローマ時代の戦車競走(映画「ベンハー」などでもおなじみの)の競技場でしたから、トラックの上にいるようなもの、私のようにウォーキングする人やジョギングをする人をよく見かけます。ただ私の場合、ぐるぐる同じところを回るのが好きではないため、1周では8000歩に満たない大きさなので、そこからまた移動することになるのですが、どうしても歩数が足りないときはぐるぐるすることもあります。(ぐるぐる歩いている日本人がいたら私です。)



ローマには7つの丘がありますが、その内のパラティーノの丘とアヴェンティーノの丘に挟まれ、ちょうど谷のようになったところにあるこの古代の競技場、今は草の生えたただの野原です。そしてとにかくだだっ広いので、野外コンサートなどによく使われています。ただどこからでも入り込めてしまうので、無料コンサートのときだけでしょうね。少し前にレディ・ガガも参加したコンサートもここで行われました。私はかつてここでスティングのコンサートとサッカーのワールドカップでイタリアが優勝したときのお祝いイベントを見ましたが、もの凄い混雑で、連れとははぐれるし、地下鉄には乗れないし・・・と最近はめっきりテレビで見ることにしています。(はい、そんなお歳です。)

さて、このCirco Massimoからの眺めでなんといっても素晴らしいのが、パラティーノ丘。ローマ建国物語の場面ともなるこのパラティーノの丘には、初代皇帝アウグストゥスを初め、歴代のローマ皇帝たちのお屋敷が今も遺跡として見ることができます。貴族たちはあそこから競技を眺めていたんですね。



日没前の光が当たるときが素敵です。


ちょっと歩けばコロッセオにも近く、有名な真実の口なんてほんの数十歩、ローマでは珍しい日本で見るような美しいケーキも売っているお店もある(Cristalli di Zucchero ローマに2店舗あります。)どうやらこのケーキ屋さん、最近「笑ってコラえて」でも紹介されたようですね。日本人が好みそうなケーキ屋さんですが、イタリア人の間ではそれほどでもないという印象です。食に関しては、どうも伝統的な味(外観も)を好むようです。ダニィにも「この国には食のグルーバル化はやってこないよ」と愚痴っているところです。

あ、話がそれました。折角歩いても、ケーキを食べてしまったら、消費カロリー云々どころか、摂取カロリーが上回ってしまうじゃないか。

チルコ・マッシモ、歴史散策にも、ウォーキング・ジョギングにも、そしてグルメにもおすすめです。(そうそうおいしいジェラート屋もありました・・・また今度。)