たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

花組『邪馬台国の風(2)

2017年09月17日 19時16分16秒 | 宝塚
 三連休の二日目、秋休み中のわたしにとっても世間が休みの時はややお休みモード。夜更かししていないのに今朝はまた目がさめたら9時半を回っていました。わたしにそんなに疲れているということなのでしょうか。明日の月組公演は11時から。起床してすぐに出かける支度をする生活を二週間余りしていないし、ちゃんと間にあるように行けるのかしら。毎朝6時過ぎに起床して仕事に出ていたのに、今のわたしにとっては高いハードル。がんばれ、わたし。休みだからといってずっと部屋にいるとご近所との緊張感もあって気持ち追い詰められてくるし、かといって断捨離は自分の部屋でしかやれない間の葛藤の毎日。夕方になってようやく区切りがついて外に出ました。外に出たら出たで人に緊張していますけどね。仕事をしていないとただのヘンなおばさんにしか見えないみたいで仕事をしていないことが自信を喪失させています。連休が明けたらまた気力がわいてくるかな。

 前置きが長くなりすぎました。『邪馬台国の風』、劇場で観た時は明日海さんの「本日はようこそ宝塚へ・・・」が流れる前の和太鼓のリズムと棒を使ったダンスの群舞にわくわく、オペラグラスを使って衣装をガンミしてかっこよさを堪能。ライブビューイングはお顔がアップで表情がよくわかるのでこれまたかっこよさを堪能。仕事の辛さと同じ分、いやそれ以上に楽しさを味わいました。

「今から1800年前の古代日本。「倭」と呼ばれていた日本列島では 「王」(おおきみ) を指導者とする三十余りのクニが創られ、大陸から伝わった技術による稲作や優れた性能を持つ金属器によって 、人々は暮らしを大きく変えていった。しかし一方で肥沃な土地を手に入れよ うとクニとクニとの争いが続き 、長引く戦に人々の心は疲弊していた。中でもクニグニの連合の中心である邪馬台国と、その対抗勢カである狗奴国(クナコク)との争いは日々激しさを 増し 、狗奴国は力づくで倭の国の統率をとろうと躍起になっている。

 狗奴国との戦で孤児となった少年タケヒコは追手から逃げる途中、大陸隆から疲来してきた李淵に救われ、彼のもとで戦術と共に生きる術を学ぶことになる。時が経ち、李淵の教えを受けたタケヒコは生き抜く為に闘う術を身に着けていくが、李淵もまた、狗奴国の兵に殺されてしまうのだった。“自身の宿命は変えることはできないが、自分の生きる道は自分で切り拓いていける"。李淵のその言葉は、タケヒコの胸に深く刻まれていた…。

 ある時タケヒコは、狗奴兵に襲われていたマナという少女を助ける。巫女になる為に邪馬台の里へ向かうと話すマナは、神の声を聞き、未来を知る力があるという。マナはタケヒコに 「あなたはいつか、海を渡って、遠いクニヘ行く…」、そして私逹は遠い音に出逢い、もう一度めぐり逢うと約束したと告げるのだった。自身の力を人々の平和な暮らしを取り戻すために役立てたいと語るマナ。タケヒヨはマナの不思議な様と面差しに心惹かれていく。めぐり逢う運命にあったタケヒコとマナ……。邪馬台の里へと急ぐマナを見たタケヒヨは、自らもこの国に平和をもたらすべく邪馬台の兵士となる決意を固めるのだった。

 邪馬台の里へ下ったタケヒコは、早速、兵士仲間達と狗奴国の偵察を命じられ、砦の一角で狗奴兵と剣を合わせることとなる。その兵士こそ、李淵を討ち、マナを襲った狗奴国の将、クコチヒコであった。砦の出火に追われ、その場を立ち去るクヨチヒコに、タケヒコはいずれ再び交えるだろう一戦を予感する。

 倭国連合の中心となる邪馬台国の王が亡くなった。諸王たちの協議の結果、大巫女の位を受けたマナが、ヒミコという名を与えられ邪馬台国の、そして倭国の連合の女王となるこ とが決まる。

  女王即位の宴が催された。そこでタケヒコが目にしたた新女王の姿…それはあの日、狗奴国の兵士から救った娘、マナであった。今や手の届かぬ存在となってしまったマナに思いを馳せるタケヒコ…。マナもまた、タケヒコの存在に気付き、驚きを隠せずにいた。

 はるか古(いにしえ)の時から結ばれた縁(えにし)…タケヒコとマナは、ある出来事をきっかけに相見えることとなる。」(公式プログラムより)

 タケヒコ(邪馬台国の戦士、邪馬台兵の長): 明日海りお

 ヒミコ〈マナ〉(倭国連合の中心となる邪馬台国の女王): 仙名彩世

 クコチヒコ(狗奴国の将):芹香斗亜

 李淵(幼いタケヒコを育てた師匠):高翔みず希

 アケヒ(邪馬台国の娘):花野じゅりあ

 奴王ヨリヒク(奴国の王): 瀬戸かずや

 アシラ(邪馬台国の兵の長):鳳月杏

 フルヒ(邪馬台国の村の娘): 桜咲彩花

 ツブラメ(邪馬台国の兵士): 水美舞斗

 フルドリ(邪馬台国の兵士): 柚香光

 イサカ (邪馬台国の女兵士):城妃美伶

 大巫女:美穂圭子

 ヒミクコ(狗奴国の王):星条海斗


 名前と国名と関係性がなかなか頭に入らず、3回観てようやくしっくりときたかな。クコチヒコは実在した人だそうですが、タケヒコとヒミコの少女時代マナは中村先生の創作かな。写実的な史料がない分衣装の自由度が高く、2回目の観劇の時にオペラグラスで明日海さんの後ろ姿もガンミしたらロングコートに大きな金具が施されたベルトがついてました。この衣装の着こなしがほんとに素敵でした。ブーツもよくお似合い。宝塚らしいコスチュームプレイのなせる技。この時代、機織りの技術はもうあったんでしょうかね。ふと考えてしまいました。

 タケヒコとクコチヒコの心理的葛藤があっさりしていることに物足りなさを感じましたが、今の感覚で考えるとそうなだけで四季も一日の時間の感覚も今とはちがっていたわけで今ほど社会が複雑ではなかった分だけ、心理的葛藤も複雑ではなかったのかもしれませんね。背景描写が全くないクコチヒコを適役として黒い衣装と表情と歌で押し切った芹香さんのかっこよさが際立っていました。棒を使うタケヒコに対して剣を構えるクコチヒコの少しかがんだ構え方が何気にツボでした。タケヒコとの戦いに敗れた亡くなり方があっさりしすぎていてもったいなかったな。

 出番が少なかったですがアシラを演じる鳳月さんの横顔の美しさにライブビューイングでは圧倒されました。足も長くって兵士の長の衣装がお似合い。『金色の砂漠』のイスファハンの王が鮮烈でした。フルドリの柚香さんが皿になにかを投げる場面(何を投げているのか最後までわかりませんでした)、千穐楽では、的を外して「マジか?」って言ったのは千穐楽サービスだったかな。背が高いし歌声がのびやかで素敵でした。瀬戸さんのヨリヒクが、ヒミコが神の声が聞こえなくなったと言った時だったかな、「はてさて」っていう台詞の言い回しがツボでした。連合国の仲間の中でヒミコを陥れようと狙う悪役らしい味が上手く出ていました。イサカの城妃さん、小柄ながらかっこよかったし、密かにタケヒコに想いを寄せるようになる片思いぶりがかわいかったです。彼女に対する女性であることを理由とする差別的な言葉が邪馬台国の兵士たちの口から出る場面がなかったのは気持ちよかったです。女性が男性よりも劣っているみたいな固定観念ができあがったのは近世、近代になってからのことでこの頃はそんな観念なかったのかしらとか考えてしまいました。時代考証がそういうところできちんとされていたのかなと勝手に推測。フルヒの桜咲さんは『仮面のロマネスク』のトゥールベル夫人がすごく素敵だった娘役さん。マナから女王となったヒミコへと変化を上手く演じ分けられていた仙名さんの安定感はさすがというべきでしょう。小柄で少女感がすごくあったのが意外といっては失礼ですがかわいかったです。ショー『Sante!!』での少女感も素敵でした。

 まだまだ書きたいことはあるような気がしますが長くなったのでこのあたりでやめておきます。また思いついたら書きたいと思います。長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

 
ぴあ関西版よりお借りしました。

タケヒコ



ヒミコとタケヒコ



宝塚ジャーナルよりお借りしました。

タケヒコとヒミコ



李淵とタケヒコ



クコチヒコ



タケヒコ、フルドリ、イサカ、ツブラメ、フルヒ


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