たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

ミュージカル『CHICAGO』宝塚OGバージョン_思い出し日記(1)

2020年03月10日 19時16分44秒 | ミュージカル・舞台・映画
2016年8月18日:二連休でした
昨日の朝台風による混乱はなかったようですね。わたしは8時頃までぐっすり眠りました。それでも眠くてお昼寝もしてしまいました。出勤のことを心配せずにすんだのは、たまたまですが幸いでした。夜は宝塚OGによる『シカゴ』を観劇。終演後は、NY公演のアフタートークショーもあり、作品自体は好きになれないかなあと思いましたが楽しいひとときでした。物語性よりもほぼダンス公演といって内容でした。30代、40代になっているOGのダンスが素晴らしかったです。これが宝塚の力なんだ。すごい。詳しい観劇日記はまた後日書ければと思います。今日も休みを取ったので、翌日のことを気にすることなくゆるりとした気持ちで観劇できました。







「2016年11月、ミュージカル」『シカゴ』はブロードウェイでのリバイバル公演初演から20周年を迎える。その記念の年、ニューヨークに宝塚歌劇団OGによる世界初のオール女性キャストによる『シカゴ』が登場、花を添えることになった。

 日本では2008年、2010年と男女キャストで上演されてきたこのリバイバル版。OGによる上演としては、2012年の『DANCIN CRAZY2』で抜粋枠の上演が試みられ、2014年には全編上演が実現した。1997年にロンドン・ウエストエンドでリバイバル版を観劇以来、『シカゴ』という作品の奥深さに魅了され、そして宝塚歌劇の舞台もこよなく愛する筆者の目に、この両者は実に不思議な融合を果たしたように映った。

 一見、真逆の世界なのである。“清く正しく美しく”をモットーとする宝塚歌劇団と、殺人・不倫、なんでもござれの『シカゴ』の世界とは。それでも何の違和感もなかった。世界で初めて女性として弁護士ビリー役を全編で演じたのは、峰さを理、麻路さき、姿月あさと。クラシックな香りを漂わせ、羽根が似合うビリー役の登場を印象づけた峰。裁判シーンですべてを操るのはビリーなのだと改めて知らしめた麻路。2012年の『DANCIN CRAZY2』の際に編み出した、腹話術シーンでの2オクターブを行き交う歌唱を披露、作品ももつ両性具有の妖しさを醸し出した姿月。それそれが男役としての魅力を大いに発揮、オール女性キャスト版成功の基盤を築いた。

 ヴェルマ役には、和央ようか、湖月わたる、水夏希。2008年のリバイバル版日本初演でも同じ役を演じた和央は、芯の通った強さと繊細さとを共存させた女性像を構築。『DANCIN CRAZY2』でやはりこの役を演じた湖月は、『シカゴ』の代名詞的ナンバー、<ALL THAT JAZZ>で見せるダイナミックな魅力が印象的。湖月は昨年12月にはアメリカカンパニー来日公演に参加、シャーロット・ケイト・フォックスのロキシーを相手に英語でこの役を務めた。筋肉質の美しさとチャーミングさをもつ水は、ロンドン版のウテ・レンバーの系譜にある。

 ロキシー役には、朝海ひかる、貴城敬、大和悠河。『DANCIN CRAZY2』の時から敵役の評判が高かった朝海は、小悪魔的ながらも大人っぽい潔さもあるロキシーを演じ、一皮むけた感がある。今回惜しくも不参加の貴城は、手堅い歌と踊りと芝居で実力派をアピール。大和は舞台人として最高の当たり役に恵まれた感があり、終幕の<HOT HONEY RAG>でのキラキラとしたはじけっぷりが印象に残る。

 メインキャストを9人の元男役トップスターが役替わりで演じたが、豪華なのはそれだけではない。ママ・モートン役で伝説のトップ娘役、初風諄が登場。それまでのイメージとは異なるこの役で、貫禄と包容力を大いに発揮、作品に深みと厚みを与えた。名ダンサーとして鳴らした元トップ娘役、星奈優里と蒼乃夕妃も参加。宝塚大劇場をはじめて大きな舞台のセンターで注目を集めてきた存在がハニャックとキティといった役を務めることは、他の公演では考えにくいが、二人はさすがの存在感でそれぞれの役を印象付けた。ダンスシーンで見せるセクシーさ、その硬質な美しさも忘れがたい。

 長年、専科で実力を発揮してきた磯野千尋は、気の弱さと妻ロキシーへの愛がにじみでる演技でエイモスを公演。ママ・モートン役を役替わりで務めたちあきしんも堂々たる歌唱を聴かせた。メアリー・サンシャイン役でキュートかつ強烈な魅力を見せたT.OKAMOTOは、宝塚歌劇団OG外からの参加。そして、フォッシースタイルに彩られた作品世界を支えるアンサンブルの面々。世界中の男性キャストとまったく同じ振りを、肉布団や肩バッドなしのいでたちできこなし、女性が男を演じる違和感を与えないジェントルメン。そんなジェントルメン相手に、娘役時代に培った力を発揮してセクシー&キュートに歌い踊るレディース。宝塚歌劇では決して観られない、けれども宝塚出身者が一丸となったからこそ観られる舞台が、そこにはあった。

 その舞台は、『シカゴ』という作品、そして宝塚歌劇の尽きせぬ魅力を改めて考える機会を与えてくれた。女たちが己の心のままにしなやかに強く生きること。それは、実際のヴェルマやロキシーが生きた1920年代にとりわけ鮮やかにフォーカスされ始めた人生のテーマだ。そして1913年に誕生した宝塚歌劇団もまた、女性が心のままに生きることの素晴らしさを、舞台の上からさまざまな形で説いてきた劇団である。両者が期せずして見事な融合を果たしたのも、むべなるかな。

 好評を博したこの前回キャストに今回、元男役トップスター、杜けあきがママ・モートン役で初参加、舞台に新たな魅力を与えることが期待される。また、アンサンブルにも新しいメンバーが加わった布陣となっており、舞台のさらなる進化を楽しみにしたい。

 この宝塚歌劇OG『シカゴ』が上演されるリンカーン・センターにはメトロポリタン・オペラやニューヨーク・シティ・バレエが本拠地を構えており、1996年に始まったフェスティバルでは世界のパフォーミングアートを紹介してきている。日本からは歌舞伎や能楽といった伝統芸能、ダンス、宮本亜門演出の『太平洋序曲』や蜷川幸雄演出『海辺のカフカ』といった舞台が参加してきたが、『シカゴ』のようにまさにショービズ的なエンターテイメント、しかもブロードウェイでも現在上演中の作品の参加は珍しい。“タカラヅカ・アンルコール”もついての助演ということで、誕生から100年を超え、もはや伝統芸能の一つともいえる宝塚歌劇の魅力を大いにアピールするチャンスといえよう。宝塚歌劇団OGたちが、『シカゴ』という作品を通して、日本の、ひいては世界中の女性の普遍的な強さ、美しさを広く知らしめることを願ってやまない。」(公演プログラムより)


 アンサンブルの面々、全く認識できていなかったのですがプログラムをみるとダンスの達人がずらり。あの人もこの人も出ていたのかとうなづくことしきり。ニューヨーク公演を経ての東京国際フォーラム公演はほどよく日焼けしていて、筋肉のつき具合が宝塚OGにまじってリアル男子がいるのかと最初思ってしまったほどでした。


 宝塚も東宝も梅田芸術劇場も大切な生きる糧、人生に必要な用事。明日は東日本大震災から9年、安心して舞台を楽しめる平穏な日々が戻ることを祈ります。このあとにくる破綻の方がおそろしい、人から人への攻撃がおそろしい、どうか舞台の幕をあけたことが批判にさらされませんように、無事に進んでいきますように・・・。

 

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