『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』より‐春野寿美礼さん
(公演プログラムより)
「-前回のコンサートで男役にピリオドを打つ幸せな感覚を味わえた-
雪組初演版で初めて『エリザベート』を観劇した時、もともと歴史物が大好きでしたし、それまで宝塚になかったような世界観と音楽の奥深さに感動しましたあ。続演の星組版では革命家ジュラを演じさせていただき、毎日が大変な歌稽古でしたが、年を重ねていく役が初めてで楽しくて、髪を白くしたりあれこれ工夫しましたね。新人公演ではトートを演じましたが、とにかく必死だったからかあまり記憶がなくて。エリザベートを追いかけるトートのように、舞台袖から麻路さんを穴が開くほど見つめていたのを覚えています。小池先生からお話をいただき、退団公演でもトートをさせていただきましたが、自分のイメージに合っているのかもしれないと思うと同時に、男役の集大成の公演としてはそれもまたプレッシャーで。作品に集中するために、平常心を心がけて日々舞台に立っていました。
2012年のガラ・コンサートに出させていただいた時、お稽古でプロローグの曲を聴いただけでぞわぞわと、退団公演の時の緊張が甦ってきて、何だかものすごくひりひりしたんです。そして実際に演じてみて、自分が男役であったことにあらためてピリオドを打てた、そんな、とても幸せな感覚があって。現役時代と同じ役をまた演じたことによって、過去の自分を受け止めることができたように思います。男役としての時間はかけがえのない経験で、あらためて奥深いな、面白いなと感じました。
今回は、いまの等身大の自分と向き合って新しいものが生まれたらと思っています。以前は“静”のイメージが強かったように思うのですが、今回はもっと“動”、青い血がふつふつとみなぎる、たぎるゆな感じに作っていけたらと思います。OG公演にはいい緊張感とすごく緩める感覚とがあって、本当に懐かしくて安心感があると同時に、刺激もたくさん受ける場所ですね。」
