たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『フリューゲル-君がくれた翼-』『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』-東京宝塚劇場10/31・11/17②

2024年06月20日 00時00分06秒 | 宝塚

月組『フリューゲル-君がくれた翼-』『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』-東京宝塚劇場10/31・11/17①

『フリューゲル-君がくれた翼-』

れいこさんとちなつさんの軍服の着こなしがとってもきれいで目福でした。娘役さんの軍服姿はかわいくてきゅんきゅん。うみちゃんのミニスカートからでている足が筋肉でしまって美脚。ホテルでヨナスとの小芝居の場面、現実にはこれでヘルムートを騙すことはあり得ないのだろうと思いながらも間がうまく笑いを誘って納得させられてしまいました。

 

『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』

 高下駄をはいた海乃美月ちゃんの花魁姿がかっこよかったですね。相当な重量あると思いますが歌舞伎役者のような着こなし。さすがと思いました。「知らざぁ歌って聞かせやしょう」と歌舞伎の白浪五人男だったと思いますがよく知られている台詞をうまくアレンジした歌、子どもの時からおのずと体に染みついている童謡を引用した歌・・・、新しいと同時にどこか懐かしさを感じさせる世界観。万華鏡役のちなつさんの衣装のイメージが歌舞伎調も取り入れよくできていると思いました。

 客席降りがあったのは「FANTASY」の場面だったでしょうか。2階席には下級生の男役さんたちが来てくれました。一人一人お顔を順番にみながら拍手。みんな小顔で腰の位置が高くて鮮やかなピンク色の男役スーツがよく似合っていました。宝塚でしか味わうことのできない世界観。

 特に印象的だった場面をもう少し書くと、渋谷のカラスが面白いと思いました。お江戸での上演は、兵庫県の宝塚大劇場とはまた違う臨場感があったでしょう。

 ラッシュの電車の中の人々が、ストレスを感じつつ大勢の人がひしめきあう中でプライベートスペースを守り抜いて朝から会社へ・学校へ行くだけでヘトヘトに疲れてしまう感がよく出ていました。一人一人細かい芝居がうまいですね。透明のビニール傘を使った演出、カラスをイメージした黒い衣装についているビニールはカラスの羽とナウオンステージでの話。

「スクランブル交差点「Tokyo rendez-Vous」

満員電車の内部は人々の苛立ちが充満している。

渋谷のスクランブル交差点を行き交う人々を、高い場所から見下ろすカラス達。虚ろな人間を見つけると群がるようにして踊る。死への誘いは災いか、それとも救済か・・・。」

「a ray of light

或る女を目にし、なぜだか身動きできなくなる一羽のカラス。

カラスたちは女を死に誘おうと群がるが、一羽はそれを制する。」

一人の女と一羽のカラス・・・その視線の先には、くだんの万華鏡。

女が万華鏡をのぞき込むと街に明かりが差し始める。振り返ると、もうカラスの姿はない。女は背筋を伸ばして再び歩き出す。」

 

 11月17日の観劇後、日比谷シャンテのOGさんポップアップショップで桜一花さんに声をかけたら「表に出ていることが全てではない、(宙組は)必ず戻ってくるから大丈夫よ、信じましょう」と言ってくれた時から7カ月が過ぎました。何が起こったのかわからず、凄まじいバッシングに心が痛くてたまらない時でした。宙組の再開初日を宝塚大劇場6月20日としたのは株主総会で一定の理解を得られてからということだったのだろうと理解しました。公演ポスターも公開され、複雑な思いがないわけではないですが安堵の気持ちと共に11月17日以来でもうすぐ月組観劇、友の会でB席当選しました。12月のチケットが幻となった宙組も8月に1回だけ当選。現実は絶望的ですが宝塚は夢と希望の場所であり続けてほしいと願っています。舞台は生身で素の自分をオブラートに包むことなどできるはずなく、今まで舞台から受け取ってきたものを信じるしかありません。

信じましょう

現実が虚構の世界よりもはるかにあまりにも信じられないことの連続で、観劇備忘録がいくつも下書き状態のまま。ようやくひとつ投稿できました。