(フランス映画社発行のパンフレットから引用しています。)
・畜舎
フイナールの育てた豚を、柵囲いの外から 棒でつつく管理人。
管理人「見事なブタだ!」
フィナール「家で一杯どうです」
管理人「あとでもらおう」
何か気配を察し、さかんに鳴きわめく豚。
フィナルダ「もう殺されるのかい?いい豚なのに。かわいそうに!」
農園の男達が豚を棚から出し、押さえつけ て腹を切り裂く。声をふりしぼる豚。したたる血をカメで受け、はらわたがえぐり出される。豚は後ろ足に棒を刺され、逆さに吊られる。の男は豚に熱湯をかけ、手ぎわよく真二つに裂いていく。
フィナール「どうだね?」
の男2「 りっぱだ」
ブレナ「満足?」
フィナール「もちろん」
ドン・カルロ神父がやって来る。バテイステイが気づき、挨拶する。
神父「バティステイ、お前さんの息子に会ったよ。どうかね?」
バティスティ「子供は喜んでます」
神父「今に息子を自慢するだろう」
バティスティ「主の恵みがあれば・・・」
神父「ルンクの後家は?」
バティスティ「 川へ洗沼に・・・。呼んで来ましようか?」
神父「よろしい、私が行くよ。(豚を見て)見事な豚だ」
フィナール「おれが育てたんです。」
神父「人間よりも大切に。主を愛さぬと、この豚と同じ目にあう」
フィナール「おれは人を殺したことなんかない!」
神父「それだけでは十分ではない」
管理人がなぜかいきなり帰ろうとするので、フイナールが追いかける。
フィナール「計量はどうします?」
管理人「君らにまかす」
フィナール「食べませんか?」
管理人「あとで、あとで。(馬へ)うしろへ!」
●農園わきの小川
雨の中、洗燿をするルンクの後家さんのもとに神父が近づき、傘をさしかける。
ルンクの後家さん「こんな恰好で申し訳ありません。何がご用で?」
神父「かまわんよ、続けなさぃ。大事な話があって来たのじゃ。教会を休んだな」
オルガン曲〈 我を憐れみ給え、主なる神よ〉流れだす。
ルンクの後家さん「その通りです。とても忙しかったので。子供が6人もいて・・・」
神父「咎めにきたのではない。家で子供の世話をするのはよろしい。ミサに先立つ勤めじゃからな。主もそれはわかって下さる。その子供らのことじゃよ」
ルンクの後家さん「うちの子の?」
神父「昨日、孤児院の院長先生と話をした。 院長は部屋に余裕がないと言つていたが、下 の娘2人を預かつてもよいと。上の子だけになれば、あんたも一息つける。どうじゃな?」
ルンクの後家さん「今夜長男が仕事から帰りましたら、相談をして・・・」
神父「気持ちはよくわかるが、無理にも限度がある」
・畜舎
フイナールの育てた豚を、柵囲いの外から 棒でつつく管理人。
管理人「見事なブタだ!」
フィナール「家で一杯どうです」
管理人「あとでもらおう」
何か気配を察し、さかんに鳴きわめく豚。
フィナルダ「もう殺されるのかい?いい豚なのに。かわいそうに!」
農園の男達が豚を棚から出し、押さえつけ て腹を切り裂く。声をふりしぼる豚。したたる血をカメで受け、はらわたがえぐり出される。豚は後ろ足に棒を刺され、逆さに吊られる。の男は豚に熱湯をかけ、手ぎわよく真二つに裂いていく。
フィナール「どうだね?」
の男2「 りっぱだ」
ブレナ「満足?」
フィナール「もちろん」
ドン・カルロ神父がやって来る。バテイステイが気づき、挨拶する。
神父「バティステイ、お前さんの息子に会ったよ。どうかね?」
バティスティ「子供は喜んでます」
神父「今に息子を自慢するだろう」
バティスティ「主の恵みがあれば・・・」
神父「ルンクの後家は?」
バティスティ「 川へ洗沼に・・・。呼んで来ましようか?」
神父「よろしい、私が行くよ。(豚を見て)見事な豚だ」
フィナール「おれが育てたんです。」
神父「人間よりも大切に。主を愛さぬと、この豚と同じ目にあう」
フィナール「おれは人を殺したことなんかない!」
神父「それだけでは十分ではない」
管理人がなぜかいきなり帰ろうとするので、フイナールが追いかける。
フィナール「計量はどうします?」
管理人「君らにまかす」
フィナール「食べませんか?」
管理人「あとで、あとで。(馬へ)うしろへ!」
●農園わきの小川
雨の中、洗燿をするルンクの後家さんのもとに神父が近づき、傘をさしかける。
ルンクの後家さん「こんな恰好で申し訳ありません。何がご用で?」
神父「かまわんよ、続けなさぃ。大事な話があって来たのじゃ。教会を休んだな」
オルガン曲〈 我を憐れみ給え、主なる神よ〉流れだす。
ルンクの後家さん「その通りです。とても忙しかったので。子供が6人もいて・・・」
神父「咎めにきたのではない。家で子供の世話をするのはよろしい。ミサに先立つ勤めじゃからな。主もそれはわかって下さる。その子供らのことじゃよ」
ルンクの後家さん「うちの子の?」
神父「昨日、孤児院の院長先生と話をした。 院長は部屋に余裕がないと言つていたが、下 の娘2人を預かつてもよいと。上の子だけになれば、あんたも一息つける。どうじゃな?」
ルンクの後家さん「今夜長男が仕事から帰りましたら、相談をして・・・」
神父「気持ちはよくわかるが、無理にも限度がある」
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