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片岡球子展・愛知県美術館

愛知県美術館で開催中の生誕110年・片岡球子展を観賞。

片岡球子女史は、1966年の愛知県立芸術大学開学から日本画の主任教授として長く後進の指導にあたられていて、愛知にゆかりの強い画家の一人です。藤沢の自宅から100歳を超えてなお、大学へ通われ103歳で逝去されています。

片岡球子の画業は、富士山や面構により自由で大胆な画風が人気を呼び、広く知られるようになりました。今回の展覧会は、主に院展の出品作により展開されており、生誕110年と言ってもわずか7年後にこのような大規模な展覧会が行われるのは、まれであると思います。

また、球子の日本画家としての人生は、35歳で日本美術院の院友に推挙されるまでは決して平坦ではありませんし、現在の画風を確立するまでは、オーソドックスな日本画表現がうかがえます。

一般的には、富士山を中心に山が描かれた自然の風景が知られていますが、今回の展覧会での注目は、やはり歴史上の人物の生きざまと個性を球子流に表現した「面構(つらがまえ)」です。

第一作のモデルは、足利歴代将軍の木彫像を基に描いているもの。尊氏、義満、義政を黄色、赤、青の不動明王に見立たて、歴史上の人物が、もし、現代に生きていて、どのように思考し行動するかを考えて描かれています。そうとらえると、描かれた人物の生きざまが目の前に迫り語っているように感じました。

また、大胆に描かれる富士山は、彼女の手にかかると多彩な色と形で構成された大胆なフォルムで想像を超える富士の魅力が伝わってきて、作品から強い生命力を注がれる感覚を持ちます。

片岡球子の作品は、100歳を超えてなお、精力的に生きようとした球子そのもの生命力が会場にあふれる元気なる数少ない展覧会と言えます。


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